僕はカレーライスが好きなんだけど、トンカツも好きで、ハンバーグも好き。で、これらを全部混ぜて「カツカレーハンバーグ」にしてみると、罪悪感とかハンパ無いんだけど、まぁこの世のものとは思えないほど美味しいんですね。
で、チョコとメロンも好きなんだけど、カツカレーハンバーグにチョコとメロンを投入したら、ちょっと悲惨なことになるのが目に見えてるじゃないですか?「いいもの同士を混ぜたからといって超いいものになるとは限らない」ってのは周知の事実なわけで、なんでもかんでも詰め込めばいいってもんじゃないわけです。
だからギャグの要素はまぁいいとして、まさかヤンキー漫画にグルメ要素を加えた本作が、こんなに面白くなるとは夢にも思いませんでした。というわけで今回は、異色のヤンキー×ギャグ×グルメ漫画「頂き!成り上がり飯(全7巻完結済み)」を紹介します。
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Contents
頂き!成り上がり飯 マンガ概要
本作の主人公、不良高校生のケニーは、自身が通っている大森高校のトップ・メリケンに挑むも、無残なまでにやられてしまう。あまりにものチカラの違いを見せられたケニーはうなだれ、これから三年間、その他大勢の1人として暮らしていかなくてはならないことに焦りを感じていた。
大勢の1年生を完膚なきまでに叩きのめし、屋上を後にしようとしたメリケンは、ケニーのカバンからイイ匂いがしていることに気付く。そして、その匂いの元がケニーの手作り弁当と知るやいなや、それをぺろりと平らげてしまった。
メリケンとのタイマンでは一発のパンチすら入れられなかったケニーは、弁当でメリケンに値千金の一発をお見舞いすることとなる。そしてケニーは心に誓った。「自分の大好きな料理道で成り上がってみせる」と。
頂き!成り上がり飯の見所をチェック!!
ちゃんとした不良が主人公
設定だけを聞いちゃうと「コバンザメ的な不良が、ケンカの腕がないから生き残っていくために料理というスキルを使って、先輩にこびへつらう姿」みたいなのが描かれていくと思うじゃないですか?
本作の主人公、結構ちゃんとした不良なんです。冒頭では「ケンカ負けなし」って言ってるし。最初に挑んだのが番長的な存在で、それも「史上初の1年にして頂点に立った男」ってのが相手だったから、そりゃまぁ勝てなくて当然なわけで…。
不自然な手下感がない分、素直に応援できるというか「こういうヤンキー漫画も面白いなぁ」って思う。やっぱヤンキー漫画の主人公には、漢気がなきゃ燃えませんよね。
ギャグ要素の破壊力も抜群
本作はギャグの要素もかなり高い水準で装備されていて普通に不良漫画×ギャグ漫画でも十分にやれたと思う。普通なら「ヤンキー漫画とギャグ要素だけじゃ厳しい」ってことで、そこに持ってきたプラスワンがグルメだと思うんです。
でも、本作はヤンキーとギャグで全然やれたはず。それでも十分やれたくせにグルメの要素を持ってきてるから、カツカレーにエビフライをトッピングしたみたいな感じになってる。
ギャグもキレッキレで、彦摩呂チックなネタを放り込んできたかと思いきや、某漫画のパロディーネタで「父さんにも食わせたことないのに!」とかね。個人的には大好きな流れの笑いがふんだんに詰め込まれています。
ハートフルな場面もあり
ヤンキー漫画には友情がつきものです。でも本作は、どっちかっつーと家族愛とか母性愛の方が強いのかな?少し荒んでいる不良の心に積もった雪を、主人公の手料理が溶かしてあげる的な感じ。これがね、結構地味に良い話なんです。
家族団らんの時間がなかった不良とかは、口では「そんなのいらねーよ!」って言ってるけど、なんだかんだで昔食べた母親の料理を思い出したりとか、そういう感動のエピソードもあります。
本当に笑いあり、涙あり的な感じで、あれこれ詰め込まれてるけど、それぞれがしっかりと生きてます。まさに漫画界の幕の内弁当って感じです。
頂き!成り上がり飯 コミックス1巻を読んだ感想・レビュー
絵も綺麗だし、文句無しに面白いです。現時点では、本作がコケるような気配は微塵も感じません。もともと「アキラNo.2」でも知られる漫画家さんが描いてるわけだし実績は十分。ヤンキー×ギャグでは結果を残してるわけですから、今作も期待していいのではないでしょうか。
グルメ漫画とは言いながらも、出てくる料理が手作り弁当って言うことで割と身近に感じられるのが、また秀逸だと思う。「その米はどこ産で、山の雪解け水を使って研いだ…」的なうんちくは一切なく、ただただ面白いです。料理も美味しそうだし、その料理の味の表現の仕方も、ギャグが効いてて良い感じに仕上がっています。
一風変わったヤンキー漫画が読みたいという人には文句無しにおすすめです。
あとがき
この発想は面白い。
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