今やネットが普及しすぎてエロコンテンツは無料で山ほど出てくる時代ですが、みなさんはエロ漫画読んでますか?僕は実写派なのでエロ漫画はあまり見たことがなく、「なんでこんなに触手が出てくるの!?」くらいのイメージしかありませんでした。
でも裏側を覗いてみるとめちゃくちゃ面白い。エロとは言っても消費者のニーズを追及するというのはどの商売でも一緒です。というわけで今回は、エロ漫画業界が覗けるお仕事漫画「あーとかうーしか言えない(全4巻完結済み)」を紹介します。
あーとかうーしか言えない あらすじ
話すの苦手。言うこと聞かない。でも天才!漫画雑誌で編集者をしているタナカカツミは、持ち込みにきた少女・戸田セーコの担当につく。
あまり言葉を発さない戸田とのコミュニケーションに苦しむタナカだったが、戸田の漫画の才能に多くの人が惹き込まれていく!!!
1人の天才が漫画業界に殴り込む!!!ここが漫画の現場最前線!!!!
あーとかうーしか言えないの見所をチェック!!
エロ漫画家と担当編集者の物語
本作は漫画家をテーマに描かれている作品ですが、少年漫画でも少女漫画でもなく「エロ」の世界の話です。エロ漫画って男性向けのコンテンツだと思ってたんだけど、最近は女性向けの物も出てきてるっていうし、このような業界で働いている女性も増えてきているんだろうなぁと。
個人的には「BLみたいなことを言われてもちょっと分からない」という不安があったものの、男性向けのエロ漫画がどういう視点から作られているのか等はすごく見応えがありました。行為に至るまでのプロセスを描きたい作り手と、重要なのはそこじゃないっていう消費者のせめぎ合い的なやつです。
僕自身はエロは実写に求めていますが、割とエロ漫画と共通する部分もあって「コスプレを全部脱がしてしまうのはいかがなものか」のような物言いなど、共感できる部分が多々ありました。あとは「どうやって消費者に受け入れられるコンテンツを作るか」みたいな部分は、エロ以外の分野でも共通するところだと思います。
言葉がなかなか出てこない漫画家が主人公
これまでにも漫画家をテーマにした作品は数多く存在していますが、エロ漫画というジャンルに限って言えばかなりレアなのでは?本作はエロ漫画家と担当編集者の2人が主人公で、どちらも女性です。
特に漫画家の方はなかなか言葉が出てこないという人物なので、本作のタイトルはここから来ています。普通に考えるとコミュニケーションに苦労しそうなもんだけど、その辺は担当編集者が見事にカバーしていて、まさに名コンビといったところ。
天才にはちょっとおかしい人が多いっていうし、天才と変人は紙一重っていうのがすごく伝わってきますが、見た目のクールさと内に秘めている熱量の大きさが全然違うので、読んでいて惹きつけられる魅力を感じます。
漫画家を題材にした時の鉄板ネタも
漫画家という職業にスポットを当てた場合、取材というよりも自身の経験則に基づいて描かれることになるので、非常に深い作品になることが多いような気がします。
そんな中でも欠かせないのが「読者アンケートによる対決」や「賞レースでの対決」です。これはめちゃくちゃ熱い展開になることが多いし、もっと言えば「必ず勝つとは限らない」みたいな展開が多くないですか?スポーツ漫画とかだと何となく勝ち負けが予想できる展開が多いものの、漫画家の賞レース系は割と思い通りにいかないケースも多く、すごくリアリティを感じます。
ちなみに本作にも漫画家同士の対決がありますが、バチバチに煽って敵意むき出しって感じじゃなくてとても平和的なものでした。ライバル同士で高めあっていくっていう典型的なやつで嫌な気持ちになりません。そして勝つための方法もリアルっぽく感じられて良かったです。
あーとかうーしか言えない コミックス全4巻を読んだ感想・レビュー
最初は病気とか知恵遅れのような境遇の物語かと思ったんですが、そういうことではないみたいです。「あーとかうーしか言えないことの意味ってあるの?」とも思ったけど、これをやることによってちゃんと喋るときの意志の強さみたいなのが表現されていて、そのセリフが太字でマーカーが引かれている感じの印象を受けました。
内容はエロ漫画業界やその編集者の考えることのような裏側を覗くことが出来て、非常に面白かったです。個人的にエロ漫画って買ったこともなければ真剣に読んだこともないので、「ただエロければいいんじゃないの?」って思ってたけど、すごく勘違いしていました。
kindleレビューを見ていると「絵が下手」みたいな酷評が目立つものの、トータル評価は決して悪くありません。個人的には絵がどうのこうのは気にならなかったし、エロ漫画というジャンルの裏事情みたいな感じが楽しめた作品です。
あとがき
あいうえろ。
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