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「アウト・ロー」を読んだ感想・レビュー

アウト・ロー表紙

 

アウト・ローというタイトルの漫画があれば、野球漫画か不良漫画が相場です。野球漫画ならちょっと素行の悪いピッチャーが主人公の物語が想像できるし、不良漫画ならヤンキー、ヤクザ、半グレなんでもござれ。

じゃあ不良やヤクザが野球をやったら?そういう二重の意味のアウト・ローは、漫画においても掟破りと言えるのではないでしょうか。というわけで今回は、ヤクザを破門されたならず者が少年野球の監督になる野球漫画「アウト・ロー(全14巻完結済み)」を紹介します。

 

 

アウト・ロー あらすじ

『代紋<エンブレム>TAKE2』の木内一雅と、『カラコカコ~ン』のコウノコウジによる驚異のコラボレーションが実現!! 天下御免のワル監督誕生!? ――渡辺(わたなべ)アツシは、六本木で年収3億円のヤクザのキレ者組長。だが子分の不祥事の責任を問われ破門、まったくの無一文になってしまう……。この破門を解く条件は、なんと少年野球チームを日本一にすること!?

 

アウト・ローの見所をチェック!!

金稼ぎに特化したヤクザが少年野球の監督に

アウト・ロー1

 

本作の主人公は元ヤクザです。規律違反をした部下の監督責任でヤクザを破門にされ、組に戻る条件が「とある野球チームを日本一に導くこと」でした。

本作の表紙を見ても分かるように、この表紙でタイトルがアウト・ローなら完全に極道とか半グレの世界の漫画だと思っちゃうだろうけど、本作は徐々に野球漫画に変わっていきます。序盤こそヤクザ要素が強めだけど、後半は完全に野球漫画です。

野球経験もなければ、ヤクザとしても腕っぷしの強さなど肉体面ではなく、口の巧さや頭を使った金稼ぎに特化したタイプの存在だった主人公が、果たして日本一の少年野球チームを作れるのか注目です。

 

前途多難な前触れをヤクザらしく解決

アウト・ロー2

 

なんで組に復帰する条件が、少年野球チームを日本一にすることなのかって部分は本作を読んでもらうとして、このチームの監督は「誰もなりたがらない」とかそういう事情というわけではなく、「たまたま後任が決まっていなかっただけ」みたいな感じです。

つまり主人公が監督をやろうと手を挙げた時には、既に監督候補が数名いるという…。甲子園に行った人もいれば、元プロなんかもいて、完全に野球ド素人の主人公が監督をやるには到底敵う相手ではありません。

じゃあどうするか。それこそがヤクザの真骨頂じゃないですか。いちゃもんを付けて相手を土俵から引きずり下ろすのは得意なはず。こんな感じで、少年野球漫画と言えど所々にヤクザの貫禄みたいなものも楽しめます。

 

子供たちと一緒に成長していく主人公の姿

アウト・ロー3

 

主人公は野球経験がないため、ろくに野球のルールも知らなければノックもできません。それだと子供たちの練習にならないし、何より子供たちの不信感を煽ることになってしまいます。

そこで主人公はガラにも合わない自主練をすることになるんですが、この努力がチームを突き動かしていくことになるんです。徐々に変わっていく主人公の人柄に惹かれ、優秀な仲間を引き寄せたり、子供たちのモチベーションを高めたり…。

何より最終目標は「組に復帰すること」なのに、その目標が少しずつ変わっていく姿も必見です。最初はヤクザ漫画だったのに、読み進めていくうちに「あ、これがスポーツの力なのか」とか思う。勝ち負けより大事なものとかに気付かされる。

 

アウト・ロー読んだ感想・レビュー

コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

まだ少年野球チームの監督としてのポジションも手にできておらず、野球漫画としての評価はできない段階です。しかも「主人公がいかに嫌な奴か」みたいな部分にスポットが当たっていて、言わば「主人公は野球を通じてこれだけ成長しました」みたいな伸びしろを作っている段階と思われます。

個人的にヤクザのダークな部分は、漫画として見ている分には面白いと思っているので、これで1本外伝を描いて欲しいと思えるくらいには楽しめました。

 

コミックス全14巻を読んだ感想・レビュー

良い意味で前半の期待を裏切ってくれて、想像以上に後半はちゃんとした野球漫画でした。

小学生の軟式野球がメインなんで、変化球がどーのこーのみたいな話はありません。戦略的なものもあるけど、読んでるこっちも「小学生に難しい話は理解しにくいだろうし、何よりそれが出来るわけがない」ってのは分かるので、かなり浅い部分に留まっています。

…が、野球の腕が上達して楽しんでいる少年たちの姿が良い!まさか前半がヤクザ漫画の皮を被った野球漫画に、ここまで眩しいシーンを見せつけられるとは。主人公が変わっていく様子、子供たちの生き生きしている姿を見て変わっていく父兄などなど、見所満載の全14巻だったと思います。

 

あとがき

困ったときはアウトロー by 野村克也。

 

 

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