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「アオアシ」を読んだ感想・レビュー

アオアシ表紙
Ⓒアオアシ

個人的にはこれまでに出てきたサッカー漫画の中で、一番なんじゃないかと思っているのが本作です。クラブユースを舞台にしているという斬新な設定もありつつ、我儘プレイヤーの主人公の成長する姿に見応えたっぷりです。

絵もめちゃくちゃ綺麗で動的に感じるし、人間ドラマ的な部分も含めてまさに言うことなし!というわけで今回は、日本のサッカーに革命を起こすことになる少年の運命を描いたサッカー漫画「アオアシ(連載中)」を紹介します。

著:小林有吾, その他:上野直彦
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アオアシのあらすじ

愛媛に暮らす中学三年生・青井葦人(あおいアシト)。粗削りながら、強烈なサッカーの才能を秘めているアシトだったが、まっすぐすぎる性格が災いして、大きな挫折を経験することに――― そんなアシトの前に、東京にある強豪Jクラブ「東京シティ・エスペリオン」のユースチーム監督・福田達也(ふくだたつや)が現れる。アシトの無限の可能性を見抜いた福田は、東京で開催される自チームのセレクションを受けるよう勧めて!? 将来、日本のサッカーに革命を起こすことになる少年の運命は、ここから急速に回り始める!!

アオアシの見所をチェック!!

オレ様プレイのようなそうじゃないような独特な視点

アオアシ1
Ⓒアオアシ

本作の主人公は典型的なオレ様的なプレーヤーで「俺にボールを回せ」というタイプの人間です。で、中学校の部活動でこういうことをやってしまうと、普通は煙たがられて最悪の場合だとパスが貰えないとか退部させられるまであると思います。

でも本作がちょっと異質なのは「そんな主人公を受け入れてくれるチームがあった」という点です。主人公が変わったとかじゃなくて主人公はそのまま我が強い感じで、弱小チームではあるんだけど主人公に対してパスを回すことを受け入れてくれたチームが現れたということになります。

そしていわばワンマンチームみたいな感じになって、主人公が暴走して試合がブチ壊しになることがあっても、誰一人として主人公を責めないみたいな…。こういう感じのサッカー漫画って今までになかったんじゃないかと思いました。

こういう独特な視点から描かれているという時点で、既に普通のサッカー漫画とは違うような空気感が漂ってると言っていいでしょう。今後の展開はめちゃくちゃ期待度大です。

クラブユースにスポットを当てたサッカー漫画

アオアシ2
Ⓒアオアシ

そして本作は部活動を舞台に描いたサッカー漫画ではなく、中学卒業後にクラブユースからプロを目指すという流れになっています。この視点もまた斬新というか、あまり見ないタイプの設定じゃないですか?

プロとはまた違って即戦力ばかりが求められるっていうわけじゃないし、かと言って中学や高校の部活動ほど長い目で見てくれるような甘い世界でもないっていう…。ライバルたちとの競争も含め、かなりシビアな部分にも見応えたっぷりです。

もちろんチームワークなんかも重要ではあるんだけど、結果を残さないと次がないっていう展開が多いので、みんながみんな自分のことばかり考えてると試合にならないっていうね。そういう中でも「無理やり点を獲りにいったりせずにアシストができるか」みたいな部分にも注目です。

闘志を奮い立たせる演出の数々

アオアシ3
Ⓒアオアシ

古臭さが一切ない新しいスポ根って感じの雰囲気を感じるんだけど、その一因として「チームメイトやライバルからの煽りが結構きつい」っていうのが挙げられます。青年漫画でここまで反骨精神みたいなものを煽ってくるスポーツ漫画ってあっただろうかってくらいに、嫌な奴って言ったらアレだけどイラっとする場面が少なくありません。

特に家のこととか親のことを悪く言うシーンが結構あったりして、個人的には悲しくなってしまうシーンが序盤だけでもかなりありました。でも普通の読者の人なら、こういう逆境を跳ね返す主人公の姿に心を動かされたりするんだと思います(僕の場合はダメージがでかすぎて辛い)。

けなされても馬鹿にされても必死に食らいついていくという根性が、圧倒的な熱量に変わって僕ら読者に訴えかけてくるサッカー漫画と言っていいでしょう。

主人公が持つ無限の可能性

アオアシ4
Ⓒアオアシ

天上天下唯我独尊と言ってもいいような我儘プレイヤーの主人公。でも彼は生粋な点取り屋というよりも、圧倒的な視野の広さを武器に戦うプレイヤーのようです。だからチームメイトのめちゃくちゃなパスも拾えるし、周りにそれなりの戦力を持ったチームメイトがいるなら隙間をぬったようなパスを出すことも可能っていうね。

でも周りと息を合わせることができないというのが致命的な欠陥として残っています。というのは今までの中学サッカーなら作戦も「俺に任せろ」一択で良かったから、戦術について一切考えてこなかったという部分が原因と言えるでしょう。

ただしそれは言い方を変えれば「大きな伸びしろとして残されている」ということにもなるわけで、これまでセンスだけで勝負してきた主人公が戦略を理解したとき、どこまで成長するのかっていう部分に注目です。

アオアシ 序盤を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

絵もめちゃくちゃ綺麗で一気に夢中にさせられました。個人的には「サッカー漫画と言ったら?」って聞かれたら、アオアシって即答する人が増えてきたような気がします。金字塔的なキャプテン翼、長編になっているジャイアントキリングと並ぶ、いや、それ以上のポテンシャルを持っているサッカー漫画かも。

まずクラブユースっていうのが新鮮だし、主人公が根っからの点取り屋じゃないっていうのも面白い!オレ様サッカーしかしてこなかったのに視野の広さっていう武器を持っていて、その武器を完全に生かせるようになった時の可能性にはワクワクしかありません。

貧しい家計の話とかが出てくると悲しくなることがあるんだけど、それを差し引いても今ぶっちぎりでおすすめしたいサッカー漫画です。

あとがき

青井葦人を略してアオアシね。

著:小林有吾, その他:上野直彦
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