新宿歌舞伎町のヤクザ事情や、半グレ組織の実態みたいなものを取り扱っている番組を見ていると、ここ数年の間にやたらと見かける人物がいまして…。それが本作の主人公にもなっているKEI氏です。
昔からヤクザの親分みたいな人を見ていると、意外としっかりとした受け答えをしているし、無駄に相手を恫喝したりしないというか、変な物腰の柔らかさに恐怖を覚えることってありませんか?
KEI氏はまさにそんな感じ。気の良さそうなおっちゃんに見えないこともないけど、なんか目の奥が怖いというか凄みがあるというか…。「あー、この人、怒らせちゃいけない人だな」って本能が理解する感じっていうんでしょうか。
というわけで今回は、アメリカの刑務所に収監された日本人の物語「チカーノKEI~米国極悪刑務所を生き抜いた日本人~(連載中)」を紹介します。
チカーノKEI~米国極悪刑務所を生き抜いた日本人~ あらすじ
四方を壁で囲われた人種の坩堝。そこはあまりにも危険であった。死が容易に隣合わせだった80年代米国刑務所。凶悪犯の巣窟、通称「レベル5」。殺人すら日常だったその場所を大和魂一つで生き抜いた男がいた……。彼の名は「KEI」。驚愕の実録プリズンサバイバルが始まる!!
チカーノKEIの見所をチェック!!
謎めいたKEI氏の魅力
僕自身、KEI氏を初めて見たのは「フィクションかノンフィクションかの区別が付きにくい眉唾情報を扱っているネットTV」でした。そこでKEI氏がアメリカの極悪人だらけの刑務所に入っていた人物と知ることになります。
このKEI氏、元ヤクザとのことですが物腰が非常に柔らかく、テレビ番組に出てる時も年下の出演者相手に敬語を使っていたり、いわゆる不良にありがちな礼節の無さのようなものを微塵も感じません。…だから逆に怖いっていうね。
番組中はちょこちょこ冗談も放り込んできたりするんだけど、目が笑ってないせいか恐怖感を感じる凄みのある人です。タトゥーを見せびらかして斜に構えた感じの無礼なチンピラよりずっと威圧感があります。
お世辞にも体格的にデカい感はないんで「ゴリゴリの2mクラスの黒人が多そうな刑務所で、喧嘩に明け暮れて勝ちまくってたって盛り過ぎじゃね?」って思う部分がありながらも、どこか「マジなんじゃないか?」と思わされてしまうKEI氏の魅力が大きな見所の1つです。
日本とはスケールの違うアメリカの刑務所事情
僕は刑務所に入ったことがないから、日本とアメリカの比較どころかそもそも刑務所がどんな感じの場所なのかさえ実際に見たことはないんだけど、芸能人なんかでも刑務所から出てきて本を出す人がいるじゃないですか?
そういう情報から判断してみても、日本の刑務所と本作で描かれているアメリカの刑務所は全くの別物です。イメージ的にはプリズンブレイク3のSONA刑務所みたいな感じ(さすがにあそこまではいかないけど近いものがある)。
もちろん単純な文化の違いなんかもあって「とにかく舐められたら終わり」みたいな部分が、日本にはないスリルと迫力をもたらしています。日本だと「刑務所の方が安全だ」みたいなことを結構聞くけど、こっちの刑務所は普通に危険っぽいし。
ちなみにチカーノっていうのはメキシコ系の人種で、まぁとにかくやばそうな連中っていうのがひしひしと伝わってきます。軽くYouTubeで「メキシコ ギャング」とか調べてみると、そのヤバさがすぐに理解できるんじゃないかと。
派閥同士の抗争
日本にいると民族の違いを実感することってあんまりないと思うけど、向こうの刑務所は色んな人種の人がいるだろうし、複数の派閥があって幅を利かせているというのは想像に容易いです。
本作はメキシコ系のチカーノに所属することを許された主人公の物語で、チカーノにもノースとサウスの2つが存在し、チカーノ以外にもメキシコ系ギャングがいたり、白人や黒人の派閥があったり…。まぁヤンキー漫画でいうところの近くの学校みたいな感じ。
刑務所に入ってる時点で極悪人ではあるんだろうけど、仲間がやられた時は自分のことのように胸を痛めたりする様子は、男同士の熱い友情のようにも思えます。それ自体はヤンキー漫画の延長でも、舞台がアメリカの刑務所ってだけでスケールが全然違うので迫力が抜群。
刑務所内の抗争で死人が出るのが普通っていうんだから、とにかく異常だよね。上の方でも触れたように「盛り過ぎじゃね?」と思う部分が多々あるにも関わらず、KEI氏の佇まいを見てしまうと変なリアリティを感じてしまう不思議さが魅力です。
チカーノKEI 序盤を読んだ感想・レビュー
刑務所内部の解説なんかもあったりして、普通にプリズンブレイクなんかを興味を持って観た層や、刑務所とか謎めいたものに興味があるという層は夢中になれる要素がてんこ盛りです。
ぶっちゃけジャンル的にはヤンキー漫画・不良マンガって感じがしなくもないんだけど、普通に凶器が出てきたり、死人も出るという点ではヤンキー漫画をしっかりと超越していると言えるでしょう。男同士が喧嘩する漫画が嫌いじゃないならおすすめ。
唯一、難癖を付けるとすれば「KEI氏がいくら喧嘩が強くても、倍以上の体格を持つ複数の黒人を素手で倒す」みたいな部分は、ちょっと違うんじゃないかなーって思いました。バキかよ。ここは全くリアリティが感じられません。
だから実話というよりもフィクションとして見た方が絶対に面白いです。KEI氏を知らない人は、花形敬みたいな日本人を想像して本作を手に取ると、なんとかリアリティが感じられると思います。
あとがき
メキシコギャングやべーよ。
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