「森でクマに襲われる」みたいな展開もめちゃくちゃ怖いんだけど、クマはまだ動物的な本能でのみ動いてるんで考え方によっちゃまだ大丈夫というか、むしろ人間の方が怖いって部分も少なくないじゃないですか？
でも人間みたいな知能を持っておいて、身体能力は人間よりも遥かに高いっていう生き物に襲われたとしたら、こんなん命がいくつあっても足りません。本作はそんな恐怖感が体験できる全2巻です。
というわけで今回は、人気サスペンスホラーのモンキーピークの外伝にあたるパニックホラー「モンキーサークル(全2巻完結済み)」を紹介します。
モンキーサークル あらすじ
謎の猿人を撮影する為、鬱蒼とした森を訪れた10人の動画配信者グループ。モラル無き一同の前に、その“猿”は現れ、森は、人は、殺意と恐怖に包まれる…!!志名坂高次＆粂田晃弘の最強タッグが描く、「モンキーピーク」の正統外伝!!もう一つの“鬼猿”物語が動き出す!!
モンキーサークルの見所をチェック!!
人気YouTuberがいわくつきの森でロケ
YouTuberが人気の職業として取り上げられてから早数年、今では炎上しているYouTuberが珍しくも何ともない時代になりましたが本作の主役もYouTuberです。少しでも過激な動画を撮って再生回数を稼ごうということで、過去に行方不明者が出ているという森でロケを行います。
まぁこの時点で何かが起きるフラグは見事に立ちまくっているんだけど、端的に言えば「このYouTuberたちは無事にこの森を出られるのか!?」って感じのパニックホラー作品です。そして本作は「モンキーピーク」の外伝に位置する作品となっています。
モンキーピークはサスペンス要素が強いパニックホラーでしたが、こっちにはサスペンス要素があまりないので、どちらかと言えば「難しい話は抜きにして、正体不明のモンスターに森の中で追い回されるサバイバルな展開が見たい！」という人におすすめです。
モンクーピークの読者を恐怖に陥れた「猿」の存在
モンキーピークの魅力と言えば、何と言っても「正体不明の猿による恐怖感」と言っていいでしょう。人間離れした身体能力を持っているかと思ったら、人間も引っかかってしまうような巧妙な罠を作る知性も持ち合わせていて、とにかく謎に包まれた存在です。
モンキーピークでは「猿の正体」みたいな部分にもスポットが当てられていたのに対し、このモンキーサークルでは「猿を相手に生還できるか」というのがテーマとなっています。
この物語は有名YouTuber2人に加えて、裏方や荷物持ち、ガイドといった面々で構成されてるんだけど、動画を回しながら森を探索しているということもあり、猿を捉えた映像なんかも所有しているんですよね。そんな物を持ったまま、果たしてこの森を無事に脱出できるのかっていう部分は大きな見所です。
窮鼠猫を嚙むという展開にも注目
森で繰り広げられるバトルは、基本的には先制攻撃をした方が圧倒的に有利です。圧倒的な戦力を誇っている猿と言えど、数に利のある状況では真正面から来る分にはそこまで怖くありません。
最初は猿の映像を収めた動画さえ持ち帰られれば大満足だった一行も、あまりに仲間を虐げられて追い詰められた先では、逃げるという感情よりも立ち向かうという感情の方が大きくなったりします。
メンバーの中には体格の優れたキャラクターもいるため、複数人で武器を持った状態で奇襲をかければ、上手くいけば猿を退治することも可能なのでは？そんな感じで窮地に追い込まれた主人公たちがピンチをどう打破していくのか、そして最終的に生き残ることができるのかという部分に注目です。
モンキーサークル コミックス全2巻を読んだ感想・レビュー
一言で言うなら「かなりあっさりしたモンキーピーク」という印象を受けました。全2巻でサクッとパニックホラーが楽しめるので、本編のファンは当然としてパニックホラー好きの読者にとっても手軽に楽しめるのではないかと思います。
モンキーピークのように「猿の正体は!?」みたいなことを気にしなくていいというか、よくあるソンビに襲われるパニックホラーのゾンビ部分が猿になったという感じなので、シンプルに「猿から逃げられるか」だけを楽しめる作風と言ってもいいでしょう。
逆にモンキーピークの楽しみが「猿の正体はもしかしたら身内なのでは!?」みたいな部分にあったと感じている場合は、本作はちょっと物足りないと感じてしまうような気がします。サスペンス要素が好きなら本編、パニックホラーの部分が好きなら本作という感じで選んでみても良いかも。
あとがき
心霊スポットに行ってみた系の動画は、アップされてる時点で何もなかった説。
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