学生時代、強いて言えば数学が好きでした。採点に先生の主観が入り込みにくいと思っていたからです。先生に気に入られていなかった僕としては、小論文やら英訳みたいなやつだと「本当に厳密に採点できてんのか？」って思ってしまうことがあったので、その辺の感情が入りにくい数学は割と好きな方でした。
とは言え、数学オリンピックなんて1mmも興味を持ったことがないし、東大生が数学系パズルに挑戦する番組を見たときは「自分が住んでる世界と違いすぎて逆に面白い」みたいな変な感情を植え付けられたっていうね。
というわけで今回は、体育会系じゃなくて文科系なのに死ぬほど熱い数学オリンピックの世界を描いた「数学ゴールデン(連載中)」を紹介します。
数学ゴールデンのあらすじ
青春の全てを数学に捧げる小野田春一は、目標達成のため、周囲を遠ざけてきた。彼の目標、それは「数学オリンピック」の日本代表――。高校に入学した小野田はある日、同じく数学を愛する女の子・七瀬から声を掛けられる。「数学、好きなの？」数学がつなぐ出会いをきっかけに、孤独な日常が少しづつ輝き始め――!?他人から無謀と言われる目標に、真摯に向き合い、探求し、開拓し、自らの世界を広げる――数学が大好きな少年少女たち！努力する天才たちの祭典に挑む、これが純粋で熱い数学オリンピックの世界!!
数学ゴールデンの見所をチェック!!
「数学」がテーマの漫画
大人になってから数学の面白さに気が付いた身としては、本作はめちゃくちゃ興味をそそられた作品です。そもそも僕は学生時代、現代文やら世界史やらに比べたら数学が好きってなだけで、特別数学が好きなわけではなかったので。
大半の中学生・高校生がそんな感じかとは思うんだけど、一部の学生は数学オリンピックというものに挑戦しているということで、僕自身がまったく興味を持たなかった分野だったこともあって興味深かったです。
本来、勉強や活字が苦手だから漫画好きっていう気がしないでもないんですが、こういうテーマの漫画なら楽しみながら読めちゃう。数学が苦手だったり嫌いだって人も、本作なら問題なく楽しめるでしょう。
登場するのは超難問
たまにYouTubeで「難関中学の入試問題の解説」みたいなやつを見てるんだけど、これがまぁ面白い！何が面白いかって言うと分かりそうで分からないっていう絶妙なラインが多いのと、解説やヒントを聞くと「なんだ、そんなことか」という難易度っていうのがたまりません(あくまで僕の拙いレベルの話です)。
一方、本作に登場する問題はぶっちゃけ難しいです。はっきり言って「漫画を読み進める手を止めて真剣に考えてみようなんて気を一切起こさないくらいには難しい」と思いました。さすが数学オリンピック。
ただ、例題がたくさん登場するっていうわけじゃなく、この辺のバランスは将棋漫画に近い感じですかね。棋譜を細かく登場させるのではなく、あくまでキャラのリアクションなどを主軸に「すごい手を指したみたい(具体的な棋譜は載せない)」みたいな。
数学が得意な人は実際に解いてみるのもいいだろうし、数学が苦手だって人でも興味を持ちやすい&楽しめる作風に仕上がっているのもおすすめポイントです。
タイプの違うダブル主人公
本作に登場する主人公は男女2人。キャラクターは正反対のような感じだけど数学に対して深い愛情を持っているのは一緒という感じの2人です。安定性やトータル能力の高さに定評がある男性キャラと、閃きやポテンシャル能力に定評がある女性キャラという感じ。この2人の成長ぶりも楽しめるようになっています。
その成長の仕方というか成長のベクトルも両者大きく違うので、この辺のお楽しみはスポーツ漫画なんかとほぼ一緒です。以前までは出来なかったことが出来るようになったっていう部分だけを見ても、すごく微笑ましくもあり、楽しめる要素と言っていいでしょう。
特に男性主人公の場合、数学オリンピックに青春のすべてを捧げているような熱量があるんですよね。コンプレックスも人一倍強く、何より女性主人公に対して「こんな奴に負けない」くらいに見下している節もあるので、この2人の関係性がどう変わっていくかも大きな見所になりそうです。
数学ゴールデン コミックス1巻を読んだ感想・レビュー
数学に限ったことじゃないけど、勉強って本来は面白いものだと思うんです。それを証明している漫画だと思いました。死ぬほど数学が嫌いだって人は受け付けないのかも分かりませんが。
難関中学校問題も簡単には解けないっていう僕程度のレベルだと、実際に登場する問題は解いてみようとは思わないし、組み合わせの数を求める問題なんかは面倒なことしか分からないっていう程度だけど、そんな難問に挑戦しているキャラたちの熱い気持ちはめちゃくちゃ伝わってきました。
本作を楽しんだ後、YouTubeで難問の解説なんかを見始めるまでが本作です。スポーツ漫画のような熱さや分かりやすさも兼ね備えているので、数学オリンピックを題材にした漫画というフレーズに興味を持ったなら読んでみて損はないと思います。
あとがき
とりあえずオイラー。
