僕が通っていた学校には文化部自体が少なくて、アニメ研究会みたいなものがありませんでした。でもそういう趣味を持っていた同級生は少なくなかったし、そもそも小学生くらいの頃を思い返してみると、これに興味を持たない人はいなかったんじゃないかと思うくらいです。
そして幼少の頃に持っていたワクワク感は、大人になるにつれて失われてしまったという人も少なくないのでは?本作はそういう感情を呼び戻し、童心に戻ってワクワクできる作品と言っていいでしょう。
というわけで今回は、誰もがワクワクする脳内アドベンチャー「映像研には手を出すな(連載中)」を紹介します。
映像研には手を出すなのあらすじ
アニメは「設定が命」の浅草みどり、カリスマ読者モでアニメーター志望の水崎ツバメ、金儲けが大好きな美脚の金森さやか。ダンジョンへ、戦場へ、宇宙へ--想像の翼を広げて、電撃3人娘が「最強の世界(映像)」を創り出す!
映像研には手を出すなの見所をチェック!!
脳内アドベンチャー的な最強の世界
本作はオタク女子三人組が映像系の部活を作って、それぞれが考える最強の世界を再現するという物語です。本当はアニメ研を作ろうと思ったんだけど既に実在するということで、映像研ってのを立ち上げるもののやってることはアニメ研と変わらないっていうね。
でも世界観の見せ方がすごく斬新で個人的には新しい観点から描かれている漫画のように感じ、とてつもない衝撃を受けました。クリエイターの脳内を具現化しているというか「物を作り出す人たちの脳内ってこうなってるのかな?」というような世界観がすごいです。
例えばタケコプター的なものを思いついたら、それを実際に使用して冒険に出るシーンに突入します。町に風車を立てて、風を表現するために建物を壊して滝を作って…みたいなことをやるんだけど、それらは彼女たちの脳内で展開されていることであって、それを漫画化しているというような感じ。
世界観が深すぎて言葉で上手く説明できないんだけど、たぶんクリエイターの人たちが日頃から見てる世界ってこんな感じなんじゃないかなぁって思うし、そういうセンスが全くない自分にとっては新しい世界を覗けて楽しさが止まらないです。
ワクワクさせられる設計図
設計図というか設定集というか説明的な漫画を読むのって楽しくないですか?(セリフが説明的とかだと嫌だけど)例えば飛行船とか戦闘ロボットとか細かい設計図を見るのも楽しいし、それを考えた人が「ここで燃料が自動生成されて、一定量になるとビームが出る」みたいな設定を説明してくれるのも聞いてるだけでワクワクしてきます。
本作にはそういう場面が多く、少年の心をバリバリに揺さぶってくるような世界観の連続と言っても過言ではありません。個人的には「これでワクワクしない人っているの?」くらいの感じ。何より本人たちによる「私が考える最強の設定」だから、語ってる本人たちが楽しそうだし、それを見ているこっちも楽しい気持ちになります。
映像研(アニメ研)としての裏側を解説
子供の頃にアニメ動く仕組みを知ったとき、衝撃を受けませんでしたか?僕は「パラパラ漫画みたいにして絵を動かしている」と知ったとき、めちゃくちゃ衝撃を受けました。「こんな綺麗で細かい絵を何枚も描いてるの!?」と。
そして効果音についても、例を挙げると「草原を走っている音を再現するのに、カセットテープやビデオテープのテープ部分を引っ張り出して踏んだ音を使う」とか、まさに目をキラキラさせていたのを覚えています。
本作においても「私が考えた最強の世界をどう再現するか」という部分にスポットが当たっていて、脳内アドベンチャーでキャッキャしているだけでなく、映像研(アニメ研)としてのリアルもしっかり描かれています。予算的なもの、効率的なものもちゃんと考えられているので、思わず「ふーん」と言わされてしまう感じがすごい。
ぶっちゃけ本作の影響でアニメ界に憧れる読者が多発するんじゃないかと思ってます。それくらい読者を惹きつける魅力に溢れた作品です。
映像研には手を出すな 1巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)
このワクワク感は久々に感じました。やっていることや考えることは少年・少女のそれなんだけど、大人が読んで唸らされてしまう漫画って言うんでしょうか。
子供の頃は発想力が豊かなので「靴から火が出てダッシュしたり、空を飛んだりする」みたいなことは考えられても、燃料とか負荷の問題まで頭が回らず、想像して終わりって感じだったじゃないですか?それを「燃料は背中にタンクを積んで…」みたいなことを真剣に掘り下げていくワクワク感がたまりません。
ちょっとクセが強いっていうのは分かるし、読む人を選びそうだなっていう要素はひしひしと感じます。でも刺さる人にはめちゃくちゃ刺さる漫画です。アニメを見て疑問が湧く人や「この設定どうやって思いつくの!?」とか考えてしまう人には文句なしにおすすめ。
アニメ版の映像研には手を出すな!もおすすめ
本作は漫画の細かい線で描かれた世界観を堪能するのも良いんだけど、アニメの色鮮やかな感じも見応えたっぷりです。女子高生が考える最強の世界はアニメの世界でも最強!
さらに本作は乃木坂46の齋藤飛鳥さん、山下美月さん、梅澤美波さんの三人による実写ドラマ化もされており、こちらもU-NEXTで視聴可能です。
U-NEXTは「31日間無料トライアルキャンペーン」を実施しています。興味のある方はぜひアニメ版もお楽しみください。
本ページの情報は2021年8月時点のものです。作品によっては公開を終了している可能性もあるため、最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
あとがき
この映像研には手も足も出ない。