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「犬、バージンロードを歩く」を読んだ感想・レビュー

犬、バージンロードを歩く表紙
Ⓒ犬、バージンロードを歩く

死んでしまった家族の一員が犬や猫に転生して家族を見守り続けるという展開は、もうこれだけでハートフルなヒューマンドラマに繋がるんだろうなぁという感じがひしひしと伝わってくるわけですが…。

元々優しかったお父さん、あるいはお母さんが犬になるっていう展開なら分かるものの、嫌われ者でろくに育児もしなかったという父親代わりの男が飼い犬に転生するっていうのは斬新な展開ではないでしょうか。

というわけで今回は、犬の姿で娘の成長を見守るホームドラマ「 犬、バージンロードを歩く (連載中)」を紹介します。

犬、バージンロードを歩く あらすじ

冷徹非情なIT社長・犬山桜二郎は、従業員の恨みを買い、殺された。「娘の花嫁姿を見るまでは死ねない」そう念じた彼の意識は、気がつくと飼っているポメラニアンの中に! 犬の姿で、娘を守ることを決意するが…。笑って泣ける家族ドラマ、開幕!

犬、バージンロードを歩くの見所をチェック!!

冷徹非情な主人公が飼い犬に転生

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Ⓒ犬、バージンロードを歩く

本作の主人公は血も涙もないという表現がピッタリなIT社長で、亡くなってしまった姉の娘と一緒に暮らしています。とりあえずこの主人公は、姉の娘とは言え引き取ったという事実を疑いたくなるくらい嫌な奴です。

社員や家政婦に些細なミスがあればすぐクビにするし、注文通りじゃない物は遠慮なく捨てます。そんなんだから会社を乗っ取られ、挙句の果てには元社員に刺されてしまうっていうね。

で、飼い犬に生まれ変わって姪っ子を見守るという流れになっています。ぶっちゃけると「ずいぶん簡単に会社を乗っ取られたな!」とか「あんだけ血も涙もないキャラなのに姪っ子の花嫁姿を見ることには固執するんだな!」みたいな部分はあるけど、人間だった頃の性格が少しずつ良い方向に変わっていくことは間違いないでしょう。

主人公のいとこが娘を引き取る展開

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Ⓒ犬、バージンロードを歩く

姉の娘を引き取った主人公…から引き継いだ主人公のいとこってなると、この娘といとこの姉さんの関係って何になるのかは分からないけど、とりあえずこの子が気の毒なのと同時に良い人に引き取ってもらえたなぁという安心感から始まります。

いとこの女性は主人公がかつて社長をしていた会社の秘書で、かなり仕事ができる人物のようです。少なくとも主人公のところで育つよりは、こっちの方が教育上安心できるのではないかと思いました。

少なくとも家なき子のような「親代わりの人間にいびられて辛い日常生活を送る」っていう感じの物語ではないので、そういう展開が苦手な人は安心していいと思います。

犬になって初めて見える景色

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Ⓒ犬、バージンロードを歩く

主人公は人間だった頃は仕事一筋だったこともあり、家庭に目を向けたことはなかったんじゃないかと思います。手のかからない子供だと思っていたのが、実は「手がかからないよ思われるように努力していた」みたいなことに気付いたとき、もう何も言えなくなるような感情が巻き起こるんじゃないかと。

特に人間相手だと素直になれなかったり、あけすけに語ったりできないような秘密なんかも、飼い犬の前では素直になれるっていうケースも少なくないじゃないですか?そういう素の部分が見えてしまうので、元々感情が乏しい主人公にとっても色々と考えさせられる展開が続くんですよね。

この子が結婚するまで見守るとは言うものの、犬に出来ることってある程度限られているので、今後どのような展開を迎えるのかは大きな見所と言って間違いないでしょう。

犬、バージンロードを歩く 1巻を読んだ感想・レビュー(若干ネタバレあり)

タイトルにもあるように、これでさすがに「バージンロードを歩けませんでした!」みたいな展開にはならないでしょうから、いずれ娘が結婚することは間違いないんでしょうけど、小学生から始まってるんで結婚するまでそこそこ長尺の物語にする予定なのかなぁと。

ぶっちゃけ「元々嫌な奴だった主人公」という設定を残しつつ、本作を描き切るのは難しそうな気がします。かと言って普通の親目線になってしまうようだと他作品との差別化も難しいような気がするんで、どうやって展開していくのかが楽しみです。

主人公を刺殺した犯人が娘のところに謝りに来たり、主人公が脱税しているように仕組んだとか言う副社長等、ちょっと驚く展開は多いんだけどハートフルな展開になることは間違いないでしょう。今後の展開に期待しています。

あとがき

この犬はポメラニアン?