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「リバーエンド・カフェ」を読んだ感想・レビュー

リバーエンド・カフェ表紙
Ⓒリバーエンド・カフェ

東日本大震災から10年以上が経過しました。若い人や震災の当事者からすれば長かったと感じるのかもしれませんが、僕の中ではあっという間の10年でした。そして地震が起きた瞬間のことを今でも鮮明に覚えています。

本作は宮城県石巻が故郷というたなか亜希夫氏が、その故郷を舞台に描き上げる作品です。というわけで今回は、不思議なカフェを舞台に巻き起こるドラマ「リバーエンド・カフェ(連載中)」を紹介します。

リバーエンド・カフェ あらすじ

宮城県石巻。あの震災から数年が経ったこの地に住む高校2年生・入江サキはある夜、謎の男と出会う。不埒な輩に絡まれていたところを助けられたサキ。北上川の中瀬に灯る明かりに誘われ、少女は不思議なカフェへと辿りつく。そこで出されるコーヒーには、人生の楽しさや悲哀が入り混じっていた――。

リバーエンド・カフェの見所をチェック!!

ある一言がきっかけでいじめられるようになった主人公

リバーエンド・カフェ2
Ⓒリバーエンド・カフェ

本作の主人公は中学生の頃のある一言がきっかけで、同級生にいじめられることになってしまいます。個人的には「え、そのくらいのことで?」って思ったんだけど、もしかしたらストーリーが進んでいくに連れて詳しい状況が見えてくるかもしれません。

ちなみに本作の舞台になっているのは宮城県石巻で、まさしく3.11で震災の被害を受けた町です。本作を描いているたなか亜希夫にとって石巻は故郷らしく、震災後の故郷という目線で本作を描いているとのこと。かの大震災から10年以上が経過しましたが未だに完全に復興したとは言えず、大きな爪痕を残したままです。

そんな石巻を舞台にして、いじめられっ子の女子高生がどのような人生を歩んでいくのか。いじめから解放されるかどうかっていうのもそうだし、何か生きがいのようなものが見つかるのかどうかが大きな見所と言えるでしょう。

離れにあるカフェと謎の男

リバーエンド・カフェ1
Ⓒリバーエンド・カフェ

主人公は夏祭り(花火大会?)の時に真っ暗な中の明かりを見つけ、導かれるようにそこに向かうと一軒の建物がありました。これこそがタイトルにもあるリバーエンド・カフェです。中を覗いた時に出てきたのは夏祭りの時に自分を助けてくれた男性で、物語はここから少しずつ動き始めていきます。

中学生の頃から4年間いじめられ続けても、大した反抗もできずに我慢し続けているような主人公にとって、このリバーエンド・カフェで巻き起こる様々な出来事が支えになっていくのかもしれません。

オーナーは清潔感のない暴力的な雰囲気すらある中年男性なんだけど、その男性の強引な部分に迷惑をかけられながらも、それに心地良さのようなものを感じていく主人公…という縮図です。

リバーエンド・カフェが憩いの場に変わっていく

リバーエンド・カフェ3
Ⓒリバーエンド・カフェ

はっきり言っていじめられるキッカケなんて、当事者以外からしたら大したことがなかったりもします。現にカフェのマスターに相談すると声高らかに笑われてしまうっていうね。この時のアドバイスの感じといい、この人物は見た目こそ怖いものの悪い人ではなさそうです。

そして学校に居場所のない主人公にとっても、このリバーサイド・カフェが憩いの場に変わっていきます。カフェを訪れるお客さんとの交流や、場合によっては探し物をしたり…マスターと過ごしていく日々が充実した日常に変わっていくんですよね。

このカフェで過ごす日々によって強さや優しさを手に入れた主人公なら、いじめられている現状を打破することができるようになるかもしれません。

リバーエンド・カフェ 1巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

たなか亜希夫氏と言えば「軍鶏」が大好きでした。そして本作は故郷をテーマに描くということで、さすがに大災害から復興を目指している故郷をテーマにしてダークな物語は描かないんじゃないかと思います。

それでもいじめられている女子高生が主人公だったり、ちょっと不気味で不思議な男がカフェのマスターだったりで、ダークとは言わないまでも掟破りの設定というか少しアウトローな雰囲気に興味をそそられました。

1巻時点ではまだまだ物語の多くが謎に包まれていて、ちょっとオカルトチックな展開なんかもありつつ、この物語がどういう流れになっていくのかを予想することすら難しいという感じです。いずれ主人公がいじめに立ち向かっていけるような流れになることを期待しています。

あとがき

僕も「絆」って言葉の安売りはあまり好きじゃないです。

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