僕のこれまでの人生で双子と接してきたことは何度もあったけど、三つ子は一度も見たことがありません。というか三つ子とか四つ子って一度に生まれてくるわけでしょ?それって凄くないですか?
そして本作は五つ子の美少女たちを相手に展開されるラブコメディーです。最初から最後まで多くの読者に絶賛された、面白さ500%のラブコメ漫画と言っても過言ではないでしょう。というわけで今回は、五つ子の美人姉妹の家庭教師をしながら絆を深めていく「五等分の花嫁(全14巻完結済み)」を紹介します。
五等分の花嫁 あらすじ
貧乏な生活を送る高校2年生・上杉風太郎のもとに、好条件の家庭教師アルバイトの話が舞い込む。ところが教え子はなんと同級生!! しかも五つ子だった!! 全員美少女、だけど「落第寸前」「勉強嫌い」の問題児! 最初の課題は姉妹からの信頼を勝ち取ること…!? 毎日がお祭り騒ぎ! 中野家の五つ子が贈る、かわいさ500%の五人五色ラブコメ開演!!
五等分の花嫁の見所をチェック!!
五つ子の姉妹を相手に家庭教師をする物語
本作を簡単に言うと「五つ子の姉妹を相手に家庭教師をするという設定のラブコメディー」です。5人とも成績が良くないから家庭教師を付けようってことで、あることがきっかけで主人公がその大役に抜擢されます。
主人公は勉強も得意な同級生ってことでまさに適任ではあるんだけど、五つ子姉妹にも色んな考えがあるから全員が全員協力的じゃないっていうね。「なんで同級生から教わらなきゃいけないの!?」みたいになったりもするし、最初は敵視されているものの徐々に仲良くなるって感じになっています。
美少女5人相手の家庭教師って言われると役得な感じがめちゃくちゃするし、このアルバイトは時給も超優遇されてるんだけど、心のどこかで「大変そうだな…」って気の毒になる部分もあるんですよね。このコントラストが不思議で、本作の魅力のひとつと言っていいでしょう。
五つ子姉妹と距離を詰めていくサクセスストーリー
個人的にはこの主人公と五つ子姉妹の関係性が、GTOの先生と生徒たちのような関係性に近いんじゃないかと思えました。最初なんか「ここまで敵視する!?」くらいの感じだし、それが色んな出来事を経て少しずつ柔らかくなっていくという感じ。
本作の場合は家庭教師と教わる側っていう立場の関係性なんだけど力関係は微妙ですよね。教わる側とは言いながらも雇用主だし、学校に行けばそこではもう同級生だし。
とは言いながらも主人公には「貧乏生活をしていてようやく舞い込んできた時給の良い美味しい仕事」っていう部分もあって、どっちかって言えば主人公の方が立場的には弱いっていう…。もちろん主人公にもプライドがあるから、あまりにも敵視されるようであればしがみつく理由もないわけで。
何度もピンチが訪れる関係性なんだけど、その都度その都度で絆を深くしていく感じがたまりません。
ハーレム環境ならではのトラブルが多発
五つ子姉妹の勉強を主人公1人で見なければならない展開ですから、それ相応のハプニングが多発します。主人公の意図しないところでのハプニングで、ひとつ屋根の下展開のラブコメでよく見る感じのやつです。
バランスを崩して床ドンとかお風呂系統はもう鉄板と言っていいでしょう。でも本作は少年漫画の部類になるので、表現自体は非常にマイルドで何なら「少年漫画にしてもマイルドすぎる!」と言ってもいいくらい。
例えばパンチラしそうな場面はあってもそれを上手くスカートで隠していたりするし、あくまで「エロ要素じゃなく、ラブコメ要素や恋愛要素で勝負する」っていう感が感じられる作品だと思いました。ハプニングは多発するんで読者の期待は裏切ってないし、それでいて読者の評価は抜群に高いわけですから、エロで引っ張ってない純粋な面白さとしての評価だと思っていいと思います。
最後に誰と結婚するのか
本作は既に主人公と五つ子の誰かが結婚したという結果ありきで語られています。いわば物語全体が回想シーンのようになっている感じなので、物語の序盤の段階で「あー、主人公はこの五つ子の誰かと結婚したんだろうなぁ」というのが明らかになっていると言っても過言ではありません。
度々登場する花嫁衣裳についても、五つ子だから見分けが付かないっていうね。ここは作中でも「〇〇が△△に変装する」みたいな感じでコメディーチックになってるんだけど、五つ子っていう要素を存分に発揮しているシーンだと思いました。
最初に五等分の花嫁ってタイトルを聞いた時に「5人の嫁を貰うハーレム展開なのかな?」って思った人も少なくないのでは?でも本作はそんなゲスい物語じゃありません(じゃないと思いたい)。最終的に主人公が五つ子のうちの誰と結ばれるのかにも注目です。
五等分の花嫁を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)
コミックス3巻まで読んだ感想・レビュー
主人公と五つ子の衝突がとにかくすごくて主人公が気の毒になってくるほどですが、最初に落ちるとこまで落ちた方が後半のジャンプが楽しみになるんで、とりあえず主人公を応援したくなる序盤という印象でした。
この時点で所々に結婚式のシーンが出てくるので最終的な結果は見えていて、あとは「このうちの誰と結ばれるのか」っていうミステリー的な要素も楽しみになってくるラブコメと言っていいでしょう。ハーレム要素のあるラブコメが好きな人には文句なしだし、ミステリー要素が好きな人にもおすすめです。
コミックス全14巻を読んだ感想・レビュー
途中まではすごく面白かったんですが、所々に散りばめられた伏線をすべて回収することなく終わっているような気がします。読了後に「あれは何だったの?」って思うことが多々ありました。
ただのラブコメならそこまで引っかからなかったんですけど、ミステリー要素(主人公は誰を選ぶか)を餌に読者を引っ張ってきたところがあるので、その犯人をチラつかせたシーンの整合性はちゃんとしておいて欲しかったというのが僕の感想です。「読者に考察させようと思って意図的にそうした」って言われたら終わりだけど、個人的には張った伏線の回収し忘れにしか思えないんだよなぁ…。
ちなみに読者の評価はめちゃくちゃ高い!僕みたいな不満を持っているのは少数派なのかもしれないし、僕も面白くなかったと言っているわけではないので、気になる人はぜひ読んでみてもらえたらと思います。
あとがき
五人の花嫁を貰う話じゃなくて本当に良かった。