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「JIN―仁―」を読んだ感想・レビュー

JIN―仁―
ⒸJIN―仁―

タイムスリップ系漫画と言えば、料理人が過去にタイムスリップするケースもあったりして、ここの初期設定でもしのぎを削ってる感を感じるんだけど、本作はタイムスリップ×医者のパイオニア的作品と言ってもいいのでは?

内容もめちゃくちゃ面白いし、今後医者が過去にタイムスリップするようなことがあれば「JINのパクりじゃね?」って言われてしまうんだろうなぁ。というわけで今回は、幕末にタイムスリップしてしまった脳外科医の物語「JIN―仁―(全13巻完結済み)」を紹介します。

JIN―仁―のあらすじ

南方仁は東都大学附属病院に勤める脳外科医である。ある日、彼が頭部裂傷の緊急手術を執刀した患者が、病院を脱走しようとする。患者と揉みあう内に仁はなんと幕末の1862年にタイムスリップしてしまった。電気も消毒薬も抗生物質もない世界で、医師南方仁の戦いが始まる。

JIN―仁―の見所をチェック!!

現代の脳外科医が幕末にタイムスリップ

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タイムスリップ系漫画にも様々な設定を持つ作品が増えてきました。単なる一般人がタイムスリップするよりも、何かに秀でた人物がタイムスリップすれば面白くなるだろう…ということで、本作は脳外科医が約150年ほど前にタイムスリップすることになります。

医学の発展はめまぐるしいものがあるので、10年や20年でも急速に進化するじゃないですか?だから江戸時代なんかと比べたらとんでもないくらい技術に差があるわけで、当時は絶対に治せなかったっていう病気も問題なく治せることが予想されます。

ただし適切な道具や適切な薬があってこその医療技術ってことを考えると、そんなに上手くいかないような気も。果たして主人公は自分が持っている技術を駆使して、人々の命を救うことができるのでしょうか。

道具も薬もない中で手術を行う様子

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いくら医者としての知識や技術が優れていたとしても、電気も消毒薬も抗生物質もない世界で人の命を救うことってムリゲーのような気がします。でも現代から持ち込みに成功したちょっとした道具を使ったり、なんとか現地で用意できる物を駆使して手術をする姿は見応えたっぷりです。

そしてタイムスリップ系の漫画には付き物の歴史改変なんかもテーマになっていて、当時の医療技術じゃ絶対に助からないような人を助けてしまうことが、もしかすると時代を変えることになってしまうかもしれないっていうね。

とは言っても医者として目の前の人を助けるという本分を無視していいのか等、主人公が揺れ動く部分にも色々と考えさせられるし、その結果どういう判断をするのかっていう部分にも注目です。

謎の奇病と戦う時代背景

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これまでに世界中で色んな流行病が猛威を振るってきた歴史があります。今では大したことがないと言われている病気も、流行りだした当時はとんでもない奇病として恐れられてきた例が少なくありません。

ここでは麻疹について取り上げられてるんだけど、そりゃこれくらいの時代だったら謎の神頼みもするだろうなぁと。村の厄災から逃れるために人質を祭壇に捧げるような時代があったと言われてるくらいですから、お札を貼ったりしてるのも本人たちはマジでやってるからね。

ちょっとアホくさいと思いながらも現地の人たちはマジなやつだし、それを茶化してるようでは正しい対処法も届かないので、とにかく必死になっている主人公の姿は見所がたっぷりです。

主人公が医者としての尊厳を賭けて戦う

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病気に対する知識はあっても道具とか薬がないっていうことで悪戦苦闘するっていうのは、病気に対する知識がないよりも辛い側面もあるんじゃないかと思います。何も知らなければ「謎の奇病で死んでいく」っていう絶望が大きすぎるからアレだけど、「あれさえあれば…」ってなっちゃうのは相当しんどいはず。

はっきり言ってこれは現代の脳外科医が、全身全霊を賭けて挑戦する様子を描いたヒューマンドラマといっても過言ではありません。今と違って誰もが栄養のある食事を摂れるわけでもないだろうし、そういうのもあって免疫力とか病気に対する抵抗力という面でも難しいことだらけだと思います。

そんな中で全力を尽くす主人公の姿は必見の価値ありです。通常の医療漫画以上に、主人公を応援したくなる作品と言っていいでしょう。

JIN―仁― 全13巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

時代劇漫画・歴史漫画としても見応えがあるし、医療漫画としても見所がたっぷりです。まぁ実写ドラマ(大沢たかおさん、中谷美紀さん、綾瀬はるかさんらが出演)がめちゃくちゃ流行ったってこともあって、本作を知らないって人はそんなにいないんじゃないかと思うけど。

個人的にはこれこそが大人が読んで楽しめる漫画という印象を受けました。知識や技術があっても、道具や薬がないせいで苦戦を強いられてしまう歯がゆさみたいなものが、読んでいるこっちにも痛いくらい伝わってくるんですよね。

そして医者としてどういう行動をとっていくのか、最終的に元の時代に戻ることができるのか等、気になる部分が多すぎて一度読み始めたら止められないってくらいの魅力ある作品だと思います。日本史を題材にした漫画、医療漫画、タイムスリップ系の漫画が好きな人には文句なしにおすすめです。

実写版のJIN―仁―もおすすめ

JIN―仁―

評判の良い漫画作品が実写化されると大コケしてしまう作品も珍しくないんですけど、本作は漫画も実写度ドラマもめちゃくちゃ評判の良い作品だったと言っていいでしょう。キャストも良かったし言うことなし!

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本ページの情報は2021年9月時点のものです。作品によっては公開を終了している可能性もあるため、最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

あとがき

子供の頃って江戸時代ってはるか昔のことだと思ってたけど、大人になった今思うと案外近い気がする。