心理戦や駆け引きってなんだかワクワクしませんか?色んな可能性を考えながら読み進めているのに、それでもなお斜め上から飛んでくる発想には驚きを禁じえません。
今回はギャンブルをする人もしない人も楽しめる、心理戦や頭脳戦を用いたギャンブル漫画の紹介です。
ジャンケットバンク
銀行がギャンブルの舞台になっていて、ギャンブラーに対して銀行員のパートナーが付くとか新感覚過ぎるギャンブル漫画です。新時代ギャンブルバトルを売りにしている作品なんだけど、新時代を先取りしすぎ。
相手に心理戦を仕掛ける様子や、イカサマを仕掛けてくる相手の更に上を行く感じがたまりません。銀行側もイカサマを黙認する部分があったり、資金が足りなくなったギャンブラーには命を担保に融資してくれたりと、色んな面で新感覚なギャンブル漫画だと思います。
嘘喰い(全49巻)
心理戦の複雑さで言えば本作が最高峰だと思います。僕が馬鹿なのもあってか「それってどういう意味?」って場面が多々あって、控えめに言ってもとにかく複雑です。
でも駆け引きはすごく見応えがあるし、理解した時のスッキリ感がクセになるんですよね。頭の良い人ならめちゃくちゃ楽しめると思います。頭が良くない人でも何度か読み直せばOK。僕は炸中で描かれているほとんどのギャンブルを1回読んだだけでは理解できなかったので何度も読み直しました。
その結果、意味が分かった時は超スッキリしたし、それと同時に「この作者、天才じゃね?」って思わされるっていうね。空気を賭けるとか発想が凄すぎ。あとババ抜きとかモスキート音とか…複雑な心理戦・頭脳戦が好きな人には文句無しにおすすめしたいギャンブル漫画です。
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賭ケグルイ
ギャンブルの強さで成績が決まる的な学校でのし上がっていく物語。主人公を始めとする女の子たちの絵が可愛い。ギャンブルをする人なら、どこかは必ずクレイジーな部分があると思うんだけど、本作で描かれている狂いっぷりは異常です。
通常のギャンブル漫画みたいに「勝つべくして勝っている」というわけではなく、主人公のキャラなのか「ギャンブルなんだから負けるのも一興」というマゾヒストな一面を好きになれるかどうかで、評価が大きく分かれそう。
賭ケグルイ 双
賭ケグルイのスピンオフ的な作品。本編に登場する別のキャラクターが主人公になってます。本編と違って、こっちは本人が「ギャンブルに負けたくない」と思っている分、通常のギャンブル漫画に近いという印象を受けました。
そのおかげで狂ってる感があまりないので、良くも悪くも本編とは作風が大きく異なっているような気がします。本編と同じで女の子たちの絵が可愛く、1コマ1コマが大きいから一瞬で読み終わるのが少し残念だけど、本編が好きならドハマりできるギャンブル漫画です。
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~
ギャンブル漫画とは少し違うんだけど、自分のメリットを放棄してまで譲れない何かを争っているという意味では、本作も立派なギャンブル漫画と言えるかも。
簡単に言えば、付き合ってやってもいいと考えている男女がお互いに「相手に告白させよう!」と考えてあれこれ仕掛けていくという感じの心理戦・頭脳戦漫画です。恋愛って本来理屈でするもんじゃないのに、ありとあらゆる部分に理屈が入り込んでいるのがめちゃくちゃ面白い!
本作にかかればトランプのババ抜きも高度な心理戦になります。それも相手にババを引かせるっていう意味ではなく、裏の裏をかいたりして最終的には「むしろ負けた方がいいのでは?」くらいのやつ。
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LIAR GAME(全19巻)
お金を賭けたゲームにひたすら挑戦していく物語。ゲームの内容はそこまで複雑じゃないけど、しっかりと駆け引きが生きていて面白い。
途中から「いかに第3の味方を取り入れるか」みたいな戦いになっちゃって、主人公たちがすごいというよりも「よく裏切られなかったな」的な感じになるところで、賛否両論ありそう。最初のお金の奪い合いとか少数決は、マジで面白かった!読んだことが無い人は、そこだけでも読んで欲しいです。
カイジシリーズ
賭博黙示録 カイジ(全13巻)
借金を返すために怪しい船に乗ってギャンブルをする物語。勝てば賞金、負ければ何をされるかわからないという状況で、色んなギャンブルに挑戦します。とにかく緊張感のすごいギャンブル漫画です。
鉄骨渡りは置いといて、ジャンケン対決とEカードはしっかりと心理戦やってるし、負けた時の恐怖感の煽りもすごい。藤原竜也さんの主演で実写化もされてるし、カイジシリーズの礎だって考えるとすごく偉大な漫画だと思います。
何よりギャンブル漫画の金字塔とも呼ばれるカイジを知るには本作から読まないと。人間の表の顔と裏の顔が覗けたり、ギャンブルでの心理戦ももちろん見応えがあって、間違いなく最高峰のギャンブル漫画と言っていいでしょう。
賭博破戒録 カイジ(全13巻)
借金が返せなくなって強制労働施設に送られてからの、カイジの逆転劇を描いた作品。前作のギャンブルで指と片耳を落としてるのに、それでもギャンブルに興じるなんて名実ともに狂ってます。
働いた給料を使ってのチンチロリン、地上に出て闇カジノで1玉4000円のパチンコ。勝ち目が薄いと思われるギャンブルで、ちゃんと勝ちの目を濃くしてから勝負するカイジがたまらなくカッコイイ!前作から遥かに成長したカイジが堪能できます。
何よりパチンコ「沼」を攻略するための布石が熱すぎ。これを見て胸が熱くならないギャンブラーはいません。すべてのギャンブル好きに読んでもらいたい作品です。
賭博堕天録 カイジ(全13巻)
なんとか人並みの生活に戻ったカイジが今度は仲間の誘いに乗って麻雀対決をすることに。「仲間がイカサマで勝たせてくれるというからやったんだけど…なんか思ってたのとちがーう!!」的な作品です。
自分がハメたと思ったら実はハメられていて、それを逆手にとってやり返すまでの流れが秀逸。相手の必勝攻略を防ぐことが難しく、かと言ってヒラに持っていっても勝つのが難しいという状況から突破口を見つけるという熱い展開が超面白いです。
話はメチャクチャ面白いんだけど、麻雀がわからないと面白みが半減してしまうのが残念。こういうのはカイジじゃなくてアカギとかでやってくれよって気もするけど、麻雀を知ってるなら文句なしに楽しめます。
賭博堕天録 カイジ 和也編(全10巻)
前作の賭博堕天録カイジの続編的な立ち位置だけど全く新しい物語です。帝愛グループのトップ・兵藤和尊の息子・和也と戦う前の前哨戦みたいな感じ。
タイトルにカイジの名前が入ってますが、本作においてカイジは主役にあらず。これまでのストーリーに全く関係のない3人がゲームしているのを周りで見ているカイジと和也がワーワー言ってるという流れです。
ゲーム自体は体内時計や友情がちゃんとしていれば、ちょっとした工夫でクリアできる内容で面白いと思います。でもゲームやってる3人がカイジに縁もゆかりもないからなんだかなぁ…。個人的にはあんまり好きじゃないですが、今後の展開を楽しむには避けて通れない部分です。
賭博堕天録 カイジ ワン・ポーカー編(全16巻)
前作である意味主役を務めた和也とカイジのポーカー対決です。和也の親父がすごすぎて和也自体の噛ませ犬感がハンパ無いけど、敵としてはかなり手ごわい感じ。
ポーカーとは言ってもHIGH&LOWみたいなゲームで数字の高い方が勝ちというゲーム。ただし手元のカードがHIGHなのかLOWなのかが相手に筒抜けというルールのため、そこに心理戦の要素があります。これもゲーム自体は面白いです。
でも最初の3作と比較すると「結局、それかよ」感が否めないので、これまでのカイジの駆け引きを期待していると痛い目に遭うかも。Kindle版のレビューを見てもらったらわかるけど、最後はとにかく引き延ばしてる感がすごい。「かめはめ波を撃つまでに10ページ」みたいな感じが露骨で、個人的にはあまりおすすめはしないです。
銀と金(全11巻)
ヤクザの事務所に殺人鬼を監禁したり、金持ちの後継者争いに巻き込まれたりして、ギャンブル以外のインパクトも強いけど、ちゃんとギャンブル要素もあって見応えある心理戦漫画です。
暗い部屋で本物の絵を当てる対決は、うまくできてるなぁと感心しました。競馬のレースを作るギャンブルの結末は、驚かない人はいないと思う。他にも青天井ポーカーとか麻雀対決なんかもあって、ギャンブル好きにはたまらない内容です。
個人的には福本作品の中で断トツ好きな漫画なので、ギャンブル漫画が好きな人で本作を面白くないという人の気持ちが理解できません。まだ読んでいないという人はぜひどうぞ。
関連記事「銀と金」を読んだ感想・レビュー
カジノグイ(全5巻)
裏カジノのディーラー目線から描かれているギャンブル漫画。普通は裏カジノが舞台であってもプレイヤー目線で描かれることがほとんどなんだけど、ディーラー側から客を搾り取る様子が楽しめる作品です。
裏カジノというだけあって当然ながら健全じゃないし、当たり前のようにイカサマをしてボロ稼ぎしていくんだけど、バレた時のリスクなんかを考え始めたら心臓の鼓動が大きくなっているのに気付くはず。裏カジノなんか経営者側はもちろんだけど参加してる奴もやばいからね。
主人公が闇カジノで働かなければならなくなったドラマの部分も含め、イカサマの仕掛け方なんかにも大きな見所が用意されています。裏社会のダークな雰囲気を感じたいという人におすすめ。
メイのメイデン(全4巻)
デリヘルとカジノが融合した風俗店に勤務している最強のギャンブラーの物語。ギャンブルに勝てばデリヘルとしてのお代がタダになり、賭け額によってはとんでもない内容のプレイも要求できるというもの。
客は当然のようにイカサマを仕掛けてくるものの、それらを見抜いて撃退するというギャンブル漫画の醍醐味が味わえます。ただ、ゲーム的なワクワク感はやや弱めで、その分が女の子の可愛さとかエログロ的な要素に持っていかれてる感があるかも。
ギャンブラーズパレード(全4巻)
ギャンブルを憎む高校教師が主人公の世直しギャンブルバトルです。どのカップにコインを隠したかっていう分かりやすいギャンブルから、酸素を奪い合うルーレット等の少し凝ったギャンブルまで様々なギャンブルが登場します。
個人的には「酸素を賭ける」っていう発想が嘘喰いのエアポーカーと被って引っかかってしまったんだけど、それがなければ狂気を感じられるギャンブル漫画として楽しめるんじゃないかと。絵とか世界観とか、どことなくダンガンロンパっぽい感じも堪能できます。
ヒロインが全くギャンブルの才能がないのに、主人公一味に加入する展開にもドラマが用意されているので、ギャンブルシーンだけじゃなくてストーリーの中にも見所ありです。
あとがき
金は命より重いっ!!