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「賭博堕天録カイジ」を読んだ感想・レビュー

賭博堕天録カイジ表紙

 

ギャンブルに限らず勝負事は何でもそうですが、イカサマや八百長をして自分の勝ちを疑っていないような状況で足元をすくわれてしまうと、そこから立ち直るのは相当に難しいです。

これまでのカイジは不利な状態、孤立無援の状態から天才的な閃きによって運を引っ張ってくるという展開が多かったんだけど、本作は有利な状態から始まって叩き落されるカイジの姿が見られます。

というわけで今回は、衝撃的な結末が待っている特殊ルールの麻雀を描いた「賭博堕天録カイジ(全13巻)」を紹介します。

 

 

賭博堕天録カイジ あらすじ

「沼」での死闘から半年後。地下から脱出し借金を完済したカイジは、かつてギャンブルで共闘した坂崎の家に居候し、働かず堕落した日々を送っていた。そんなカイジに愛想を尽かした坂崎は手切れ金として300万円を渡し、追い出そうとする。その時カイジは地下で仲間だった三好・前田と再会し、彼らが勤める裏カジノの社長・村岡から大金を騙し取る計画を持ちかけられる。カイジは必ず返すと約束して坂崎から300万円を受け取り、村岡が考案した変則麻雀「17歩」で勝負する。

 

賭博堕天録カイジの見所をチェック!!

「十七歩」と呼ばれる特殊ルールの麻雀

賭博堕天録カイジ1

 

本作で描かれているギャンブルは「十七歩」と呼ばれる特殊麻雀です。十七歩はテンパイから始まる2人麻雀で、本来の麻雀ほど実力が不要で運の要素が大きくなっています。

カイジを描いている福本氏は、天やアカギを始めとする麻雀漫画も数多く輩出していますが、ここにきてカイジにも麻雀要素を取り入れてきたという感じでしょうか(そういえば「銀と金」にも麻雀のエピソードがありましたね)。

カイジと言えば色んなギャンブルを取り扱っていて、誰にも分かりやすい内容のギャンブルが高度な心理戦になるという魅力があったものの、本作は麻雀のルールを知らない読者が読んでも楽しむのが難しいので、麻雀ネタは別の漫画でやって欲しかったなぁと思ったり思わなかったり(ちなみに十七歩は麻雀のルールがわかってればめちゃくちゃ面白いです)。

 

勝てると確信していた矢先の不穏な空気

賭博堕天録カイジ2

 

本作のカイジが過去作と大きく違う点は「かつての戦友が味方である」という点です。その味方とグルになって相手をハメるという算段があるので、カイジとしては必勝を約束されたと言っても過言ではありません。

これまでは絶対的に不利な状況からギャンブルが始まって、相手のイカサマを見抜いてからそれを逆手に取るっていう作業が必要でした。だからこそ面白かったんですが、今回は楽勝の匂いがプンプンしてくるので読者としては少し物足りないような気がします。

…と思いきや、何やら流れる不穏な空気。そうこれこれ!これこそがカイジの醍醐味です。

 

勝つまでの布石が完璧

賭博堕天録カイジ3

 

今回の十七歩における勝利までの流れは、前作や前々作と比較しても見劣りしないどころかそれを超えたと言っても過言ではないくらい鮮やかです。前作のパチンコ「沼」攻略もすごかったけど、今回も相当な高レベルの攻略だと言えるでしょう。

本作のすごい部分は、火のない所に煙を立たせたというような流れです。麻雀が得意な人でも今回カイジがやったような攻略法は見つけることはできないだろうし、普通の人だとまず考えもしないような手を使います。これは麻雀好きには絶対に見てほしい!

 

賭博堕天録カイジ コミックス全13巻を読んだ感想・レビュー

これまでのカイジシリーズを読んできたという場合は、過去の戦友が登場する展開に胸が熱くなった人も多いはず。そして楽勝ムードから徐々に不穏な空気へと変わっていき、完全に牙の抜けていたカイジが爪を研ぎ始める展開は目が離せません。

ただ、これは麻雀の基本的なルールを理解していないと楽しめないのがネックです。沼の攻略はパチンコをやったことがない人でも気軽に楽しめるものでしたが、本作は変則とはいっても基本的に麻雀なので、麻雀がわからないと楽しめないと思います。

麻雀が好きな人には文句なしにおすすめ。ちなみに本作は十七歩のバトル自体は綺麗に完結しますが、新たなギャンブルの場へ向かう途中で完結するという形になっていて、続編「賭博堕天録カイジ 和也編」へと続きます。

 

あとがき

空虚…!

 

 

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