実際に競馬場に行くほどじゃないけど、幼少の頃からダービースタリオンとかウイニングポストなどの競馬シミュレーションゲームで遊んできた僕にとって、すごく思い出深い競馬漫画がこちら。
ぶっちゃけ絵がかなり下品で少年誌特有のギャグ漫画かと思いきや、意外と中身はちゃんとした競馬ストーリーになってるんですよね。競馬が好きな人はもちろん、動物を題材にしたマンガがすきな人にはぜひおすすめしたい作品です。
というわけで今回は、少年ジャンプが誇る名作競馬漫画「みどりのマキバオー(全10巻完結済み)」を紹介します。
みどりのマキバオー あらすじ
1994年から1998年頃まで少年ジャンプで連載され、その後に打ち切りになるも赤丸ジャンプで見事完結した、競馬をテーマにした少年漫画。競馬学校やジョッキーにスポットを当てた作品は幾つかあるが、競馬をテーマにした少年漫画というのは非常に珍しく、お世辞にも絵は上手いとは言えない。そして話の流れにも下品なものが多い。
それでもアニメ化されるほどの人気を誇っており、競走馬が調教師や騎手と対等の立場で関係を強めていくという作風は、大きなドラマを生むこととなる。デビュー~有馬記念までを第一部、海外遠征を第二部、そして完結までを第三部とする三部構成で、続編として「たいようのマキバオー」へと続くが本作は綺麗に完結するので心配いらない。
みどりのマキバオーの登場人物
ミドリマキバオー(たれ蔵)
本作の主人公。馬とは思えないフォルムをしているが、まぎれもなく競走馬で能力は非常に高い。キンタマくさ男、うんこたれ蔵という別名を持ち、前代未聞の白い珍獣とも呼ばれている。
チュウ兵衛
たれ蔵が絶対的な信頼を置いているネズミ。通称、親分。ミドリマキバオー陣営における絶対的な存在と言っても過言ではないl。
山本 菅助
ミドリマキバオーの主戦騎手。落馬事故により自身が怪我をしただけでなく愛馬を失ったことで自信喪失していたが、たれ蔵との出逢いをキッカケに再び騎手として立ち上がる。
カスケード
たれ蔵のライバルで同世代最強馬との呼び声も高い。非常にストイックな競走馬で、たれ蔵と一緒に成長していく。
みどりのマキバオーの見所をチェック!!
仲間たちとの絆
競走馬がレースで勝つ為には競走馬自身の能力はもちろん、調教師や騎手などのチカラも必要になってくるんだけど、そのあたりの絆の深さが非常に大きな見所です。
こっちからしたらチュウ兵衛なんか重荷でしかないと思うのに、チュウ兵衛がいるのといないのとではメンタル面での影響が大きいっていうね。誰かが誰かの弱点を補って全員一丸となってレースに臨んでいく姿は、競馬漫画とは言えどスポーツ漫画のような熱さを兼ね備えていると思います。
魅力あふれる個性的なライバル馬たち
本作には個性あふれるライバル馬が数多く登場し、どれもが人間と対等な立場で描かれているため、まるで人間同士さながらの掛け合いが堪能できます。
バトル漫画で言えば必殺技を教えてもらう的なノリもあったりして、ライバル馬と共にお互いを高め合って少しずつ成長していくマキバオーの姿は必見の価値ありです。
シビアな戦績
個人的にはダービーが好きなんだけど、全部が全部マキバオーとカスケードの一騎打ちってわけでもないし、マキバオーもカスケードも普通に負けるって部分が地味に凄いと思いました。
これがスポーツ漫画とかバトル漫画なんかだと、大体主人公が勝つってのが相場だから冷めた目で見ている自分も居たりして、ふと冷静になった時に寂しくなったりしませんか?
本作はそういうのが一切なくて、マキバオーが勝てるかどうか最後まで不安だから読んでて「がんばれマキバオー!」ってなるんだよね。こんな絵なのにって言ったらアレだけどマキバオー超カッコイイ。
みどりのマキバオー 全10巻を読んだ感想・レビュー
楽しめるマンガの大事な要素として絵の雰囲気っていうのは重要な要素だと思うし、実際に僕も「絵が好みじゃない」っていう理由で読まず嫌いをしていた時期があります。でも本作は絵で読まず嫌いをしてしまうのは勿体無いと思える最たる例だと思いました。
ただでさえ絵がアレなのに競走馬が主人公っていうので、更に読者を選ぶような感じにはなってるけど、競馬が好きじゃなくても動物愛がある人なら楽しめるんじゃないかと。今読んでも何で打ち切りになったのかわからないってくらいの名作です。競馬が好きな人はもちろん、動物たちの触れ合いが好きだという人はぜひ。
ちょっと前の競馬界が舞台になっているため、今で言う3歳が4歳になっているなどの点は注意。
作者のつの丸氏は「サバイビー」というミツバチを主人公にした動物漫画、サバイバル漫画も描いているんだけど、こっちもめちゃくちゃおすすめです。
マキバオーのように友情や感動の要素もふんだんに入っていて、シリアスな展開がありながらも一生懸命に生きるミツバチの姿に胸を打たれること間違いなし!こっちは全3巻で読みやすいので、マキバオーが気に入った人にはぜひ読んでもらいたいし、こっちを読んで面白ければマキバオーっていうのもありだと思います。
あとがき
競馬漫画としては最高峰の作品。とは言っても他に似たような競馬漫画を知らないけど。