アンダーグラウンドな世界を覗いてみたいっていう欲求がある人には、割と見応えがあるんじゃないかというのがこちら。なんとクレイジージャーニーでも有名な丸山ゴンザレス氏が原作のサスペンス漫画です。
些細なことがきっかけで道を踏み外してしまう人の日常を描いた作品で、すぐ近くに似たような境遇の人がいそうな感じがたまりません。ちなみに序盤は「こんな人生は絶対嫌だの表題は盛りすぎでは?」って思うけど、徐々にペースを合わせてくれるんじゃないかと。
というわけで今回は、ありふれた日常から一挙に転落する惨劇サスペンス「こんな人生は絶対嫌だ(連載中)」を紹介します。
こんな人生は絶対嫌だのあらすじ
平凡な女子高生の紗希は勉強をがんばる地味な毎日を送っていた。悩みは親との関係がうまくいっていないこと。両親が不仲でその八つ当たりを紗希が受けていた。ある日、高校の不良集団に目をつけられた紗希は恐怖するが、たった1本のタバコの喫煙を受け入れたことで、なぜだか不良たちと紗希は居心地のいい関係を築いていく。親との関係に悩む紗希の心は、不良たちとの時間にときめいた。それが惨劇のはじまりだった。紗希の人生はどうなってしまうのか!? ありふれた日常から一挙に転落する惨劇サスペンス!
こんな人生は絶対嫌だの見所をチェック!!
道を外すきっかけは些細なもの
中学生とか高校生くらいの頃に道を踏み外す人って、たまに「この親にしてこの子あり」みたいな親子二代の典型的なやつを見たりもするけど、基本的には「些細なことがきっかけで不良の道に進んでしまった」という人が多いんじゃないかと思います。
それこそ「タバコ」なんてもんは典型的なそれで、僕も未成年の頃に吸っていました。今は「吸ってる=カッコイイ」っていう感じでもないからアレだけど、結構前はタバコを吸ってる横顔がカッコイイみたいなことを言われる時代もあったんですよね。
ぶっちゃけこれくらいの時期って少し悪いくらいの奴がモテたりしてたんで、モテたくてやってただけで自分の中では不良でも何でもないっていう人がほとんどなんじゃないかと思います。ただ、それが少しずつエスカレートしていくっていうのは本当に怖いし、本作を読むことで痛感することになるでしょう。
家庭環境と素行不良の関係
子供が非行に走るかどうかっていう部分に、親との関係性っていうのがあるんじゃないかと思います。ぶっちゃけ親との関係性が上手くいっている親子関係があれば、子供が非行に走るってケースはかなり少なくなりそうじゃないですか?
で、今思えば「親父がめちゃくちゃ怖い」っていうのはすっげー効果的だなぁって思ってます。僕は高校生でタバコこそ吸ってたけど、万引きとかはしたことがないし、他人をケガさせて警察沙汰になったみたいなこともありません。これはたぶん親父にバレた時のことが怖かったからだと思ってます。
ちなみに本作の場合は父親が家に寄り付かず、母親がそれを不満に思って娘に愚痴るっていう…。一応、家族というテイは成しているものの、内部的には崩壊しているって感じなのかな。いずれにしても親が未成年の子供に愚痴っちゃうような家庭は健全とは言い難いような気がしました。
つるむ相手が裏では犯罪行為を行っている
結構前に「オヤジ狩り」なんて言葉が取り沙汰されて、最近そのワードは聞かなくなったけど似たようなことはあるのかな。いずれにしても若者が詐欺とか美人局とかで、大人の弱みを握る系の犯罪ですよね。
大人側も結局は「家族にばれて離婚なんてことになったら慰謝料でボロボロになってしまう」みたいな部分もあって、だったら悪ガキどもに数十万払った方がマシってなるのも分からんでもないです。
そしてこういう犯罪に手を染める少年・少女たちもまた、初めてタバコを吸うときは「大丈夫かな?バレないかな?」とか震えていたような子たちだと思ったら、自分とそこまで離れてる存在とも思えません。
「自分は大丈夫」ではなく、「もしかしたら自分がそうなってたかも…」くらいの気持ちで読めるので、スリルっていうわけじゃないけどハラハラ感がたまらないのが本作の魅力の一つです。
いよいよ犯罪行為に加担してしまう主人公
最初は仲間内でも「あいつはどんくさいからまだ仕事は早い」みたいになってたのかもしれないけど、いよいよ仲間として一緒にいる以上は遊ぶ金を稼ぐ必要が出てくる…みたいな流れです。
本作の主人公は高校生になるまでたぶん悪いことを一切したことがないような女の子で、本当に真面目に生きてきたんじゃないかと思います。それがたまたま不良たちがタバコを吸ってる所を目撃したってだけで、数ヶ月後にはもう犯罪グループの仲間入りっていうね。
15年~16年間ちゃんとしてきても悪事に染まるのには数ヶ月で事足りるっていうのが、今思うとすっげー怖いなぁって思いました。僕の場合、こういう漫画を見るともう親目線の方で読んじゃう感じになってるけど、この後の展開はただ辛いばかりになりそうです。
こんな人生は絶対嫌だ 1巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)
本作は原作を担当したのが丸山ゴンザレス氏です。前にダウンタウンの松本さんがやってたクレイジージャーニーに出演していた方で、スラムとか地下組織とか半グレみたいなアンダーグラウンドな世界に精通している人というイメージがあります。
ここで描かれているエピソードが実話に基づくものなのかどうかは定かじゃないものの、かなりリアリティのある転落サスペンス漫画だと思いました。黒髪眼鏡で真面目そうに見える女子高生も、本当に些細なことがきっかけで犯罪グループに加担してしまうっていう…。
いずれにしても結構ヘビーでシリアスな展開のある漫画なので、闇社会の暗い世界観が好きな人にはたまらない作品じゃないかと思います。ちなみに本記事で紹介した女子高生編が終わるとホームレス編へと続くので、こちらも期待です。
あとがき
そこまで絶対嫌だって感じでもないってことは、僕の人生も結構きてるかも。