頭脳を使った盤上の戦争!!面白くておすすめの将棋漫画を紹介する

藤井総太さんのタイトル取得、羽生善治さんの永世七冠など、これまでに無いくらい大きな盛り上がりを見せている将棋界。Abema TVにもチャンネルがあるし、今まさに「将棋を始めよう!」と思っている人も多いんじゃないかと思います。

そんなわけで今回は、面白くておすすめの将棋漫画を集めてみました。将棋漫画が好きな人、対局の熱い展開が好きな人はぜひ参考にしてみてください。

3月のライオン

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Ⓒ 3月のライオン

主人公がプロ棋士の将棋漫画ではあるものの対局の様子ばかりを描いているというわけではなく、主人公が抱える苦悩やライバルとの関係性・人間ドラマなどにスポットが当たることが多い作品です。

俯瞰的なセリフというか、ナレーションのようなカタチで表現される文章がとにかく秀逸で、登場人物たちの心情を巧みに表現している部分はもはや芸術と言っても過言じゃありません。僕に語彙力がないからアレだけど、控えめに言って本作の心理描写はやばいです

「将棋のルールを全く知らないけど最近は将棋界も盛り上がってるし少し勉強してみようかな」という読者が読んでも楽しめるはず。プロ棋士の厳しさを表現しつつも物語自体はハートフル、そんな感じの将棋漫画です。

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それでも歩は寄せてくる

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Ⓒ それでも歩は寄せてくる

将棋漫画っていう括りにしちゃいけない気もするけど、将棋部を舞台にして展開されるラブコメ漫画で、将棋が好きな人でこのラブコメに惹かれない人はいないんじゃないかと思えるくらい、すごく幸せな気持ちになれる作品です。

男主人公の歩くんは、名前こそ歩だけど攻撃の火力は龍と言っても過言じゃないくらいだし、女主人公のうるしちゃんからすれば「それ二歩やんけ!」っていうような反則手も平気で繰り出してきます。「果たしてうるしちゃんの矢倉はこの怒涛の攻めに耐えきれるのか!?」みたいな感じ。

物語の序盤から既に両者の感情はハッキリしているので、恋愛の局面的には既に終盤のような気がしないでもないけど、アッと驚くような手で詰ませてほしいわー。

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永世乙女の戦い方

永世乙女の戦い方
Ⓒ 永世乙女の戦い方

女流棋士がテーマの作品。可愛らしくてビジュアルの整っている女の子が多数登場しますが、普段の姿と将棋を指している時の姿に大きなギャップがあって、この二面性に魅力を感じます。

棋譜にはあまり言及されていないけど精神的な弱みに付け込むとか、女流ならではの棋士との関係性、厳しい世界に身を置く覚悟などが力強く描かれていて絵に殺気を感じるレベル。

主人公の目標は棋士になるとかじゃなくて、将棋を始めるキッカケになった現役最強女流と対局することなんだけど、いつどんな形で実現するのか。早くも楽しみになる魅力で溢れている将棋漫画です。

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月下の棋士(全32巻)

Ⓒ 月下の棋士

僕の中で将棋漫画と言ったら本作。結構古い作品だけど今読んでも心に響いてくる魅力がある将棋漫画だと思います。確かV6の森田剛さんの主演で実写ドラマ化されてたはず。

現実世界の棋士の先生たちを見ているとすごくしっかりしている人が多くて、年下にも敬語を使っていたり対局に勝ってもガッツポーズなんかほとんどしないじゃないですか?本作の主人公はキャップ姿に片足を折って対局に臨むんですよね。

ちょっと無礼な主人公が奨励会員およびプロ棋士をバッタバッタと倒していく姿は、格闘技におけるビッグマウスな選手に通じる迫力を感じるし、まさに将棋界のカリスマって呼んでもいいくらいです。このアウトロー感にカッコ良さを感じない人はいないでしょう。

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ハチワンダイバー(全35巻)

Ⓒ ハチワンダイバー

賭け将棋を生業とする真剣師の姿を描いた作品。コミックス1巻だけを見るとメイドっぽい女の子が表紙だし、ハチワンダイバーってタイトルからも全然将棋っぽさを感じません。…が、実はタイトルには「9×9=81のマスに潜る」という意味が隠されているゆえのハチワンダイバーだし、表紙絵も秋葉原の女真剣師(メイド)がめちゃくちゃ強いって設定によるものです。

コメディーっぽい描写も多いけど将棋のシーンは熱量を感じるほど真剣。そのギャップが読者を惹き付けて、全35巻もの長編漫画になりました。将棋漫画は基本的に短命の作品が多いので、その中でも35巻まで連載されたのは控えめに言っても異常だし、なんならもうお化けと言っても過言ではありません。

リボーンの棋士(全7巻)

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Ⓒ リボーンの棋士

プロ棋士を目指してたけど年齢制限で奨励会をやめた主人公が再び将棋に挑戦する物語。リボンの騎士とは関係はなく、リボーン(再生)する棋士っていう意味のタイトルみたいです。

将棋っていわば「静の競技」だと思うんだけど、プライドの削り合いは完全に「動の競技」。「一旦は諦めた将棋の道だけど諦めきれずに戻ってきた」って展開はボクサーとかでよく見る熱いやつでしょ。

「夢は諦めなければ叶う」的な展開になるのか「夢は叶わなくても、ちゃんと最後までやり切れば何かが残る」的な展開になるのか。どちらに転んでも楽しめると言っても間違いない、大人向けの将棋漫画です。

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りゅうおうのおしごと!(全10巻)

Ⓒ りゅうおうのおしごと!

史上最年少の16歳で竜王になった主人公の物語。ただの将棋漫画と大きく違うのが、幼女が弟子入りするという設定です。弟子は一つ屋根の下で一緒に暮らすということで、JSと一緒に暮らす大人の男って部分は倫理的もちょっとアレな部分はあるけど、弟子のおかげで大切な何かを取り戻すって展開は胸熱。

今めちゃくちゃ盛り上がっている将棋界を後押しする漫画といっても過言ではありません。囲碁を知らない読者が「ヒカルの碁」を読んで囲碁を知ったように、本作を読んで将棋を指してみようと思う人も増えるんじゃないかと。

個人的に「将棋の初心者が将棋に対して興味を持つキッカケになった漫画と言えば、本作か3月のライオンか」ってくらいに、初心者の参入障壁というかハードルを低くしてくれる将棋漫画だと思っています。

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3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代

3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代1
Ⓒ3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代

「3月のライオン」のスピンオフ作品で、日本将棋連盟会長の若かりし頃を描いた作品です。昭和時代が舞台になっているので、ちょっと懐かしさを感じる古き良き日本の雰囲気が堪能できます。

対局中の演出も派手な感じに仕上がっていて、個人的には遊戯王バトルのような印象を受けました。まさに灼熱の時代のバトル演出っぽくて、良くも悪くも3月のライオンっぽさは全くと言っていいほどありません。

本編のファンっていうだけで手に取ると微妙かも。全く違う将棋漫画、ヒューマンドラマとして考えるなら楽しめる作品だと思います。灼熱の時代を堪能したい人はどうぞ。

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ひらけ駒!(全8巻)

Ⓒ ひらけ駒!

将棋が大好きな小学四年生の男の子が主人公で、それを応援する母親との二人三脚の物語。小学四年生とは言え段位を持ってる実力で、趣味ってレベルはとうに越えている感じ。でも小学生だから安定性に欠け、ちょっとしたことで落ち込んでしまう豆腐なメンタルも。

もし僕に子供がいて将棋に興味を持っているんだとしたら、数ある将棋漫画の中で一番読ませたい作品です。母親の親バカぶりも楽しめる作品なので、親子で楽しむのもアリじゃないかと思います。

棋譜はあんまり登場せず「将棋初心者のお母さんに、あれこれ教えてあげる姿」みたいなのが多く見られるので、どちらかというと将棋初心者や「将棋好きの親子の日常漫画」というスタンスで読むのがベストです。

「ひらけ駒!」は全8巻で中途半端なカタチになって長かったですが、新たに「ひらけ駒!return」としてリスタートしました。

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宗桂~飛翔の譜~(全3巻)

宗桂~飛翔の譜~1
Ⓒ 宗桂~飛翔の譜~

過去に実在した将棋指しである宗桂を主人公に描かれている将棋漫画。賭け将棋に参戦する様子から描かれているんですが、現代の賭け将棋とは大きく異なる点が「下手すりゃ刀を抜かれる」っていう点です。

そういう時代背景にも面白味があって、将棋漫画全体を見渡してみても非常に斬新な作風になっています。アクション性を持たせているものの中途半端にはなっていないし、ただの伝記にもなっていません。ちゃんとした将棋漫画です。

全3巻でやや駆け足なのが気になりますが、エピソード後の棋譜と解説にもめちゃくちゃ見応えがあります。ちなみに渡辺明氏による監修で、解説はめちゃくちゃ読み応えあり。

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将棋指す獣(全4巻)

将棋指す獣3
Ⓒ 将棋指す獣

女性初のプロ棋士誕生ストーリーです。誕生した後の話じゃなくて、誕生するまでの軌跡みたいな物語(その後も続くかもしれないけど)なので、まだ誰も成しえていない奇跡の瞬間が見られるはず。

タイトルにもあるように非常に迫力を感じる将棋漫画で、内に秘めている獣が暴れまわっているかのような雰囲気がたまらないです。対局中の表現なんかも、まるで命を削っているかのような迫力を感じます。

残念ながら全4巻で完結扱いの打ち切り。しかし作者さんは描きたいことが途中で終わってしまったということで、個人配信で続きを描いてくれるとのこと。

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ものの歩(全5巻)

Ⓒ ものの歩

勉強もだめ&運動もだめだけど、初めて指した将棋で溢れんばかりの才能を見出した男子高校生が主人公の将棋漫画。将棋好きの人からしたら「中学生棋士が登場するようなご時世に、将棋のルールも知らない高校生が思い付きでプロ棋士を目指すなんて…」って思う読者もいるかも。

でも、本作の主人公は隠れた才能で無双するってわけでもないし、簡単にプロになって終わりって展開でもないから「そこまで目くじら立てんでも」って思うような気がしないでもない。ただし、将棋の戦略とか棋譜に力は入れられてないので、将棋を題材に描かれた少年漫画って距離感で手に取ることをおすすめします。

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紅葉の棋節(全2巻)

紅葉の棋節
Ⓒ紅葉の棋節

天才棋士の兄を持つ、落ちこぼれの弟が主人公の将棋漫画です。落ちこぼれとは言っても全国レベルで強いし、センスは抜群の主人公っていう設定になっており、まだ奨励会にも入っていない状態で「竜王になる!」と野望を語っているという感じ。

ちなみに天才棋士の兄は竜王戦の最中に倒れて亡くなってしまっていて、その弟子が女性初のプロ棋士。で、その女性プロ棋士に主人公が弟子入りするという流れになっています。攻め将棋の天才である兄と対局しまくってたから、受け将棋の天才になっていたっていう設定も面白いし、それなのに兄のような攻め将棋をやってたから結果が出なかったっていう設定も面白いと思いました。

ただし、残念ながら全2巻という短いボリュームで完結です。さすがに奨励会にも入っていない少年が全2巻で竜王になれるかどうかっていうのは、どっちに転んでも評価が難しかったと言わざるを得ません。

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PRICE 女流棋士飛翔伝

Ⓒ PRICE 女流棋士飛翔伝

女流であって女流でない、女性プロ棋士が活躍する様子を描いた作品。

一流のプロ棋士である広瀬章人さんの完全監修ではあるんだけど、PRICE(価値)ってタイトルにもあるように所々の表現が結構過激で、主人公もかなり悪役な感じがする部分に違和感しかありません(普通プロ棋士監修だったら、棋士を目指したくなる的な温かい作風になるような気がしたもんで)。

女性プロ棋士が同時に2人も誕生してその2人が陰と陽で高め合っていく物語かと思いきや、実は陰と陰だった的な流れは個人的には嫌いじゃないし、好き嫌いは分かれるだろうけどダークヒーローとしての魅力って意味では斬新です。

将棋の渡辺くん

Ⓒ 将棋の渡辺くん

将棋に興味を持って勉強するようになると、棋士の人たちの凄さに気付くようになります。その棋士たちの中でも「この人いつも勝ってない?」って人が出てきたりして、僕の中ではそれが本作の主人公でもある渡辺明さんでした。

最初は対局中いつもしかめっ面をしてるから「根っからの堅物なんだろうなぁ」って思ってたけど、やっぱ家では普通のお父さんっぽいですね。ちょっと安心。そして良い意味でやばい。言葉を選ばずに言うなら「天才と変人は紙一重なんだなぁ」っていうのがめちゃくちゃ伝わってきます。

将棋に興味を持ちすぎて「棋士って対局のない日は何してるんだろう?」とか考えてしまう人には文句無しにおすすめ。あ、ちなみに奥さんが描いた漫画なので説得力抜群です。

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将棋めし(全6巻)

Ⓒ 将棋めし

将棋漫画っていうよりはグルメ漫画。棋士の人が対局中に摂る食事にスポットが当てられていて、絵も綺麗だから単純に料理が美味しそうです。実際に将棋の対局を見ていると、誰が何を頼んだとかデザートは何だったかみたいなことが発表されるので、そういう意味では着眼点がめちゃくちゃ良い漫画だと思いました。

本作では「本当は天丼が食べたかったけど、対局相手に先に選ばれてしまってカブりを気にする様子」とか「うな丼(梅)を頼んだら対局相手がうな丼(竹)を選んできたことによる葛藤」などが将棋ネタを駆使して面白おかしく描かれています。

グルメ漫画が好きな人にもおすすめだし、棋士ならではの言葉選びが面白いのでコメディーが好きな人も楽しめるでしょう。将棋界に限らずどの世界でもそうだと思うけど、確かに師匠や兄弟子よりも高価な物は頼みづらいだろうなぁ…。

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あとがき

将棋界は今まさにブーム到来の大チャンス。