「神様がうそをつく。」を読んだ感想・レビュー

神様がうそをつく。表紙
Ⓒ神様がうそをつく。

小学校の時はしょうもない嘘をたくさんついていました。でもここぞっていう場面の嘘は後ろめたさが勝って本当のことを言ってたし、この時期に大人につかれた嘘って今でも覚えていたりします。

そうやって考えると神様の嘘なんかとんでもないと思うわけで、そんなタイトルの作品がどういう結末を迎えるのかは表紙の時点から気になって仕方ないのでは?というわけで今回は、小学校最後の夏のひそやかな冒険「神様がうそをつく。(全1巻完結済み)」を紹介します。

著:尾崎かおり
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神様がうそをつく。のあらすじ

転校先の学校で、同級生・理生の秘密を知ったなつる。少年と少女の、幼い恋と冒険の物語。――七尾(ななお)なつるは東京から転校してきた小学6年生。クラスの女子に無視され、サッカーチームの新任コーチともソリが合わない。そんな時、大人びたクラスメイト・鈴村理生(すずむら・りお)の、誰にも言えない秘密を知ることに……。夕立、お祭り、「とうふ」という名の白い猫。小学校最後の夏。ふたりの、ひそやかな冒険が始まる。

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ある女の子との秘密の物語

神様がうそをつく。2
Ⓒ神様がうそをつく。

本作には思春期的な要素がふんだんに詰まってるんだけど、ざっくり表現するなら「主人公とある女の子の秘密の物語」っていう感じです。その秘密が何なのかっていうのは実際に本作を読んで確認してもらうとして、想像以上に暗いというか残酷というか…感動っていうのともまた違う不思議な感情になりました。

というか小学生の頃って、ちょっとした秘密を共有するだけでも仲良くなったりするじゃないですか?好きな人の名前とかでも割と友情が深まったりするのに、もしこれが犬・猫を拾ったとかならとんでもない秘密を共有するわけで、一気に親密になるってことは間違いないでしょう。

少なくともありきたりな展開ではないし、タイトルの意味も含めて色々と考えさせられる夏の物語です。

子供ながらに「嫌だなぁ」と感じる雰囲気

神様がうそをつく。1
Ⓒ神様がうそをつく。

本作は表紙が結構爽やかなのにタイトルが「神様がうそをつく。」っていう少しネガティブな感じになっていて、内容が上手く掴めないのではないかと思います。ぶっちゃけ爽やかさというよりも少しシリアスな感じすらあって、何気なく読んだのに心を打たれているという感じの作品です。

まず小学生の頃って割とあっけらかんとしていて、ちょっとずつ繊細な部分が出てくるもののまだまだ子供だったっていう人が多いはず。でも「あ、こいつとは合わない」っていう奴が出てくるのも、確かこの頃だったような気がするんだろうなぁ。

いずれにしても片親の主人公に対してデリカシーのない言葉を吐く新任のコーチがいたり、家庭が貧乏なことを指摘してくるクラスメイトがいたり…。単に殴る蹴るみたいな明らかないじめじゃなく、もっと心をえぐってくるようなやつ。こういう心理描写がめちゃくちゃ上手いです。

小学生男子の女子との距離感

神様がうそをつく。3
Ⓒ神様がうそをつく。

僕が小学生の頃はめちゃくちゃシャイだったこともあって、女子と一緒に学校から帰ったりするようなことはなかったし、プライベートで一緒に出掛けたり遊んだりしたっていう経験もほとんどありませんでした。

とは言え学校では普通に喋ってたし、そこまで目の敵にされたりっていう人もいなくて割とみんな仲良くしていたような気がするんだけど、本作ではクラスの姫的な存在のプライドを傷付けてしまったってこともあり、主人公がちょっと無視されているような感じなんですよね。

まぁそれなりに女子同士の結託とか派閥なんかもあるのかな。思春期真っ只中で無視をされてしまうっていうのは結構つらいことなんじゃないかと思うけど、この関係性がどう変わっていくのか、あるいは変わらなくてもやっていけるのかどうかに注目です。

神様がうそをつく。を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

読了後の正直な感想としては「あー、そういう方向の嘘か」っていう感じ。読む前に僕が勝手に想像していた方向性とはまったく違う物語でした。で、その嘘が良いか悪いかは別にしてめちゃくちゃ面白い漫画だったと思います。

まず本作に対する感想としては「切ない」とか「胸を打つ」っていう表現が適切だと思っていて、恋愛っちゃ恋愛なんだけど一般的な小学生同士のそれでもなければ、色恋沙汰っていう感じではないんですよね。

それでいてあからさまないじめっていうのもまた違って、でも人の心を傷つけるには十分すぎるほどの材料もあって、とにかくただただ切ないという表現がぴったりの全一巻でした。

内容は割とヘビーな感じだし、あんまり爽やかな青春時代っていう感じはしないけど、読めて良かったと思える作品であることは間違いないでしょう。

あとがき

子供目線が巧みに描かれています。

著:尾崎かおり
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