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「カルト村で生まれました。」を読んだ感想・レビュー

 

法律上「宗教の自由」ってのがあるくらいですから、個人的には「好きにすればいいんじゃね?」とは思いながらも、どうしても興味が湧くのが「カルト系」のお話です。

そういうのを信じて、そういう生活をしている人には申し訳ないけど、やっぱ僕みたいな信心深さの欠片も無い人間からすると、どうしても怖いとか気持ち悪いって思っちゃう。それと同時に「それって本当に自主的にやってんの?」って思ったりする部分も。

というわけで今回は、カルト村で生まれ育った作者による実録コミックエッセイ「カルト村で生まれました。(全1巻完結済み)」を紹介します。

 

 

カルト村で生まれました。 あらすじ

 

「平成の話とは思えない!」「こんな村があるなんて!」と、WEB連載時から大反響を受けた実録コミックエッセイ。

一般人からすると、その実態がよく分からない「カルト村のすべて」が載っている本作は、良くも悪くも衝撃的な事実を教えてくれるだろう。

両親と離され、労働、空腹、体罰が当たり前の暮らしに、本作の主人公である作者は一体何を想ったのだろうか。

 

カルト村で生まれました。の見所をチェック!!

文字がたっぷりで読み応え抜群

 

コミックエッセイということもあり、とにかく文章がびっちり詰め込まれています。コマ割りも非常に細かいので、全1巻とは言いながらもコミックス1巻とは思えないほどの読み応えです。

漫画が好きな人の中には「文章ばかりを読むのが辛いから漫画が好き」「小説なんかを読むと頭が痛くなってくる」という人もいるんじゃないかと思いますが、そういう人でも読みやすいバランスです。

絵がすごくふんわりした優しい感じなので個人的には文字の多さも気にならず、むしろ読み応えがあるという長所として捉えました。

 

衝撃の食事事情

 

食事事情と言ったら各家庭でも衝撃を受けることがあるんじゃないでしょうか。

例えば僕の場合は、仲の良い友達が夜ご飯を18時に食べるっていうのが凄く衝撃的で、ウチはいつも19:30~21:00くらいが普通だったから「そんなに早いの!?」って驚いた記憶があります。それから学生時代は「朝ご飯を食べるのが当たり前」だと思っていたんで、まさか朝ご飯を食べていない人も多いとは夢にも思いませんでした。

それらの衝撃が屁のように霞むほどの衝撃が、カルト村にはあります。作者の方も「平成の時代の話ですよ!」と念を押すほどの衝撃ぶりです。僕は高校時代にインドネシアからの留学生が断食をしている姿を見て「こいつマジでやってんのかよ」って思ったけど、マジな人もいればそうでない人もいるということがわかって、ちょっとだけ安心しました。

 

衝撃の遊び事情

スマホやらテレビゲームやらが溢れまくっている昨今、さすがに「ゲームの類は一切禁止!」という教育方針の家はあんまりないんじゃないかと思います。ちなみにカルト村は完全にアナログな感じの遊びでした(とは言っても幼少期の話だけど)。

ただ、年齢的に逆算すると、世の中ではスーパーファミコンが流行りまくっていた時代と予想されるので、幼少期でもキツイことには変わりなさそうですね。ベーゴマとかお手玉とかやったことないし、なんなら僕の父親世代の遊びじゃないかと思ったくらい。

 

小さい子の楽しみとは思えない楽しみ

 

みなさんの小さい頃のお楽しみって何でした?僕は家族で焼肉を食べに行くこととか、お年玉で好きなゲームを買える瞬間とかでしたかね。ちなみにこの作者さんの楽しみはスケート…の時のお昼ご飯で食べられるカップ麺だそうです。…全然子供っぽくねぇ!!

確かに僕もカップ麺は大好きだけど、それを楽しみにしている子供って不憫で仕方ないんだけど。てか、普段の食事がどんだけ質素なのよって話もあります。

ちなみに「スケートと台風=カップ麺」という思考回路になっているそうで、それが楽しみなんだとか。なんか色々とスケールの違いに驚かされてしまいますね。

 

カルト村で生まれました。 コミックス全1巻を読んだ感想・レビュー

僕の友達にも親が宗教に入っている関係で宗教の教えに従っている子がいたんだけど、その子は「お父さんとお母さんがそうしなさいって言ってるから」という、完全に洗脳されてる感じでした。

なんか食べていいものと食べちゃいけないものがあったんじゃなかったかな?ある時「食べてみたいって思わないの?」って聞いたら「食べてみたいとは思うけど、お父さんとお母さんに怒られるから食べれない」って言っていたのを覚えています。

 

そんな感じで、多くの人は「それが当たり前だと思って生きてきたんじゃないか?」という疑問があるんで、村単位でそういうことになっていると「不満にすら思わない」という一種のマインドコントロールが発動してるんじゃないかって思ったんです。

でも本作の作者の方は不満があったみたいで、結局そのカルト村とは決別する道を選んでいるので、個人的には「あー、まともな人もいるんだなぁ」って少しだけ安心しました。…まぁ「まとも」って言っちゃったら、ちょっと語弊があるけど。

いずれにしても非常に衝撃的な作品であることは間違いありません。カルト村という普段あまり知ることのできない世界を覗くことができて、非常に勉強にもなりました。自分の知らない世界を覗いてみたいという願望のある人には、文句無しにおすすめです。

 

あとがき

思ってたよりもずっと衝撃的だった。

 

 

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