スリルを味わえるジャンルと言えば、一昔前はホラーだったけど、一気にデスゲームというジャンルが確立されたように思います。ハラハラする展開は病みつきになりますよね。
そこで今回は、生き残りを賭けたデスゲーム、サバイバル漫画の中から面白くておすすめの作品を紹介します。
ヒロインは絶望しました。
「ゲームに似た仮想世界に入り込んでしまい、その世界で死ねば現実世界に戻ってこれる」というループに足を踏み入れてしまったヒロインが、パートナーに協力してもらうことで死の螺旋から抜け出せるようになります。
ヒロインが実際に戦って、パートナーは裏でそれを操作するっていう格闘ゲームみたいな感じなんだけど、このパートナーっていうのがまぁゲス野郎で「助けてやる代わりにあれしろ、これしろ」みたいなことを言ってくるっていうね。生かさず殺さず的なエロい要求は、ヒロインを絶望させるに足る悪趣味なものばかりです。
この契約がいつまで続くのか、いつになったらこの絶望から脱することができるのかが気になって仕方がないデスゲーム漫画と言えるでしょう。
出会って5秒でバトル
タイトルがアレだったけど中身はめちゃくちゃ面白いです。男性読者なら5秒で〇〇って言葉に反応するかもしれないけど、全然いかがわしい内容じゃなかった!合体とかしなかった!!
特殊能力を使ったバトル漫画で、主人公の能力が「相手があなたの能力だと思った能力」ってのが斬新すぎる。使い方によっては無限の可能性を秘めてるのがいいですね。
いかに相手に舐められないようにするかも重要で、そのあたりの駆け引きも見応えアリ。「心理戦を絡めた特殊能力バトル」と聞いて心が躍る人ならぜひ押さえておくべし。
ダーウィンズゲーム
スマホで「ダーウィンズゲーム」という見知らぬアプリをダウンロードしてしまったことで、殺し合いに巻き込まれてしまうというストーリー。最近はこの手の漫画が本当に多いと思うんだけど、本作のクオリティは頭一つ抜けてるんじゃないかと。
絵の線が細かいから綺麗で読みやすいし、あと仲間の女の子が可愛いです。シギルと呼ばれる特殊能力がバトルに大きな幅を持たせていて、ちょっとした戦略的な部分も楽しめます。
トモダチゲーム
主人公を含む仲良し五人組が、このうちの誰かが借金している2000万円を返済させるためのゲームに挑戦する様子を描いた作品。
タイトルにもあるように単なる腹の探り合いや騙し合いというものではなく、あくまで友情がしっかりしていれば問題なくクリアできるという設定が面白いです。途中から主旨が変わってきたような気もするけど、狂気も見えてハラハラする展開は巧みに表現されていて楽しめます。
今際の国のアリス(全18巻)
ありふれた日常に飽きていた高校生の主人公が突如として非日常的な世界に巻き込まれ、その世界で命を賭けたげぇむを強制されるという展開のストーリーです。
このげぇむの内容が頭脳戦や心理戦を必要とするものばかりで、水面下での駆け引きが好きだっていう読者にはめちゃくちゃ刺さると思います。中には「鬼ごっこ」みたいな肉体面が重要なものもあるんだけど、根底には心理戦が重要だったりすることが少なくありません。
何より「誰が何の目的でこのような世界を作ったのか」みたいな部分までちゃんと描かれているので、最初から最後まで楽しめるデスゲーム漫画と言っていいでしょう。
なれの果ての僕ら(全8巻)
元クラスメートたちが、お互いを信頼できるかどうかという部分にスポットを当てたデスゲーム。全員が協調性を持っていれば助かる場面が多いという意味では、前項の「トモダチゲーム」に似ている部分があります。
でも「この中で不要だと思う人間の名前を書け」みたいな、トラブル不可避な展開も少なくありません。デスゲームだけどバンバン死んでいくという感じではなく、じわじわいたぶられるって感じ。
首謀者の他に黒幕がいるみたいな展開もあって、序盤を読んだ時点で結末がどうなるか楽しみな一作です。
BTOOOM!(全27巻)
BTOOOMと呼ばれるオンラインゲームに似たデスゲームに、何故か参加することになってしまったというストーリー。BTOOOMは、分かりやすく言うとリアルボンバーマンみたいな感じです。
色んな個性のある爆弾を使って生き残りを賭けて戦うんだけど、主人公が「オンラインゲームでは強かった」っていうのが面白い!マリオカートが速くてもゴーカートが速いわけじゃないからね。
ちなみに物語は全25巻で、最終巻がAとBで2種類用意されているという面白い構成になっているので全27巻。
リアルアカウント(全24巻)
リアルアカウントと呼ばれるSNS上で繰り広げられるデスゲームの様子を描いた作品。「インスタもTwitterもやってません」って人だと全然面白くないかも。
ゲームをクリアするうえでの駆け引きは結構面白いけど、モヤっと感の残るギミックも多い印象です。あれこれ言いたくなる人よりもサラッと読める人におすすめします。
嘘喰い(全49巻)
ベースはギャンブルだけど、負けたら死ぬという意味ではデスゲーム寄り。特に「命の賭かったギャンブル」は手に汗握る緊張感がたまらないです。
しかも死に方に注文が付けられていて、水の入った水槽の中で空気を賭けて戦ってみたり、拷問器具の中で燃やされる時間を賭けて戦ってみたり…。狂気じみてる感じの表現がとにかく秀逸な作品だと思います。
所々にバトル要素も入ってきて、そのシーンの迫力は純粋なバトル漫画と比較しても負けてないどことか、むしろ勝ってるくらいのレベル。ジワジワと死が迫ってくる恐怖感は本作ならではの魅力です。デスゲームだけじゃなく、心理戦や頭脳戦が好きな人にもおすすめします。
天空侵犯(全21巻)
高層ビルの集合体のような場所でデスゲームが行われていて地上に降りることを許されず、肉体的にも精神的にも追い込まれた人間は飛び降りてしまうという恐怖がまとわりつくサバイバル漫画。仮面を被った人間(人間かどうかも怪しいけど)に追い回される恐怖感がすごいです。
目的が「最後の1人になること」というような分かりやすい内容でもなく、なぜこのような世界に入り込んでしまったのか、主催者の目的は何なのか等の謎が気になって仕方ありません。
仮面男や仮面女も怖いけど、一番怖いのは同じ境遇にいる人間だったりして。後半のインフレと急展開が少し残念ですが、続編も出ていて初期設定が秀逸なデスゲーム作品だと思います。
神さまの言うとおり 弐(全21巻)
「神さまに言うとおり」の続編。他誌連載になったという大人の事情から、前作からのファンは困惑するスタートだったんじゃないかと。逆に言えば、前作は読まなくても全然OK。
内容は「理不尽なゲームに挑戦しながら何とかして生き残る」というもので、想像以上にガンガン人が死んでいきます。所々にGANTZっぽい描写も出てくるしどこかで見たことある感は付きまとうけど、デスゲームが好きな人なら楽しめるはず。
モンキーピーク(全12巻)
社内レクリエーションで登山をすることになったものの、そこで得体の知れない山猿に襲われてサバイバルをすることになったというストーリー。人間の醜さとか争いなんかも描かれていて、綺麗事ばかりじゃなくて鬼気迫る感じが結構好きです。「敵は猿か、それとも行動を共にする人間か!?」みたいな。
「山猿の正体は?」みたいな感じの含みを持たせている部分もあって、結末次第では大きく駄作になりそうな危険性もあるけど、序盤からどうなるかすごく楽しみな作品です。特に「この中に裏切り者がいる!?」みたいな展開は問答無用で熱いし、そこからの仲間割れとかは見所たっぷりと言えるでしょう。
物語は全12巻で一応完結。続編として「モンキーピーク the Rock」へと続くのと、スピンオフ作品の「モンキーサークル」はYouTuberと猿の共演で本編とテイストは違うものの全2巻でサクッと読めます。
神アプリ(全27巻)
スマホのアプリで神の力を手に入れ、それを使って色んなことをするというストーリー。犯罪者を捕まえたり私利私欲のために使ったり、本当になんでもアリでびっくりするくらい結構ゲスいです。そしてドラえもんの道具に匹敵するくらいのチート感が面白い。
絵には躍動感が全く無くてバトルシーンに迫力はないけど、主人公がゲーマーということでその場に適したアプリを使う頭脳戦は見応えがあると思います。
食糧人類(全7巻)
人間を育成する施設のような場所に拉致されるところから始まる物語。得体の知れない生物に人間をエサとして与えていた場面を目撃し、そこからの脱走を試みるという流れです。
脱獄って聞くとワクワクするっていう人が一定数いるんじゃないかと思うんだけど、まさにそんな感じのスリルが味わえるサバイバル漫画だと思います。相手が不透明な感じとか強大な組織感はワクワクさせてくれるでしょう。
とは言え展開が「養豚場とか養鶏場が人にすり替わっただけ」なこともあるし、最近流行りなのかなぁって思った部分もあるうえにKindleレビューにも辛辣な評価が少なくありません。個人的には結構好きで、既視感こそあるけど中々楽しめてます。
渋谷金魚(全11巻)
あるタイミングで、渋谷に人を食う金魚が大量発生したという内容のデスゲーム。渋谷が水に沈んだというわけでもなければ渋谷だけが金魚鉢で覆われてしまい、外に出られなくなってしまったという感じの設定。なお、金魚は空を飛び回って呼吸もします。
でも嗅覚で物事を察知するとか変温動物だっていう概念は残っていて、それを生かしてのバトルも大きな見所と言えるでしょう。Kindleレビューを見る限りではあまり評価されてないみたいだけど、個人的には結構好きな作品です。
アポカリプスの砦(全10巻)
「ウォーキングデッド」とか「バイオハザード」を連想させるような世界観で、主人公が殺人の冤罪で逮捕されて少年院のような所に放り込まれている間に、全世界にゾンビが蔓延していたというような流れになっています。
主人公が収監された施設は関東中のワルが集まっているらしく、物語序盤の衝突はお約束。そんな中で仲違いをしながらもゾンビたちに対抗するために、協力して絆を育んでいくという友情が熱いです。
個人的には主人公が冤罪で捕まったって部分に絶対何かしらの陰謀があると思ってたから、最後に拍子抜けした感はあったけどテンポは良いし、ずっと生き残りの人類VSゾンビってだけじゃない点も新鮮で良かったと思います。
カラダ探し(全17巻)
校内に散らばっているクラスメートのカラダのパーツを集めるという設定のサバイバルホラー。探している最中に「赤い人」と呼ばれる小っちゃい女の子の幽霊みたいなのが邪魔しに来て、掴まれると殺されちゃうっていう分かりやすい感じです。
主人公たちは6人の男女で、もし全員が赤い人に殺されたら「死ぬまでの記憶と既に集めたパーツだけを残して、そのまま前日からやり直し」っていうタイムリープ要素も秀逸だと思います。僕は割とホラー耐性ある方だけど、本作は結構怖いと思いました。「ホラーが苦手な人は読めないんじゃね?」ってくらい怖いです。
結末に関しては賛否両論あるような感じで、個人的には「幽霊を殴る蹴るするんじゃなくて、もうちょっと…ほら」って感はあるけど、作品全体で見たら概ね満足。続編として物語は「カラダ探し 解」に繋がります。
バトル・ロワイアル(全15巻)
僕の中では今のデスゲームというジャンルを作り上げたのはこの作品だと思う。政府の決まりかなんかで、中学生がクラス単位で殺し合いをするという物語です。初期設定を今聞いても何も思わないのは恐らく似たような作品が多くなってきたからだと思うけど、当時は「何だ!その設定はッ!?」って思いました。
殺し合いの描写は至って普通。あとは「お前、中学生じゃねーだろ!」って奴が何人も出てきて面白い。面白くておすすめというよりは「デスゲームのパイオニア的な作品だから押さえておいて」くらいの感じです。
悪の教典(全9巻)
英語教師が生徒を相手に繰り広げるデスゲームです。デスゲームというか教師が殺人鬼だった的な話。教師が勝つか、生徒たちが勝つか…ちなみに教師はショットガンを持っているので戦力的には圧倒的に優位となっています。
殺人鬼が本性を隠している部分もそうだけど、クソみたいな教師や生徒間の人間関係のしがらみなんかが序盤に描かれていて、後半の殺戮に向かう序章としては盛り上げ方がハンパ無いです。
健全とは言い難い殺戮漫画が好きなら絶対に楽しめると思います。ただしショットガン持って学校をウロチョロしたりするのでリアリティはありません。
エンバンメイズ(全6巻)
心理戦に重きを置いたダーツ漫画なんだけど、対戦相手が死んだりするなどのダークな部分があるので、あながちデスゲームと言っても間違いじゃないと思いました。最初は「ダーツの漫画が流行るかなぁ」っていう否定的な見方をしてたんですが3話くらい読んだらもうハマっちゃったし、ダーツとかやったことなくても楽しめます。
登場人物たちが、常識のレベルを振り切っているダーツの腕の持ち主だから、それ以外の部分(例えば、ルールの盲点を突くとか)で勝敗が決するっていうのが面白いです。全6巻で一気に駆け抜けてくれるので、一気読みできる面白い漫画という意味でもおすすめ。
煉獄ゲーム(全6巻)
よくある感じのデスゲームなんだけど、最初は「この作者の人はGANTZが好きなのかな?」とか思うくらい、全体的な雰囲気が似ている作品です。所々に見え隠れする雰囲気が結構似てると思いました。
内容は謎かけを出されて、それに対して正しい答えを出せないと死んでしまうというもの。僕としてはギミックが明かされてもスッキリしないのが気になったけど、理不尽な感じはしっかり再現できているように思います。
生贄投票(全7巻)
クラスで生贄を選ぶ投票をして、選ばれた人には社会的な死が待っているという設定のデスゲーム漫画です。普通は「死」っていうパターンが多いところ「社会的死」ってなっている部分が興味深いと思いました。そしてペナルティを回避する方法も用意されているのがポイント。
ただ作中では「社会的死=みんなに知られたくないような秘密をバラされる」というだけの話で、特殊な性癖やらその手の類の話がバラされるというだけの話なので、そういう秘密を持っているかどうかで本作に対する評価は大きく分かれるのではないかと思います。
そして「このアプリはどうやって作ったの?」とかそういうことを考えてしまう人には向かない作品です。人に知られたくない秘密がある人や細かい設定抜きに投票系デスゲームが楽しみたいという人におすすめ。
王様ゲーム(全5巻)
合コンのお約束的な王様ゲームとデスゲームが融合した作品で、元々ケータイ小説のような立ち位置だったものがコミカライズされたもの。ゲスい命令ばかりでちょっと不健全な感じが嫌いじゃなかったんだけど、あまりにもそういうのが多くて飽きてくる感は否めないです。
学生読者からすれば「もし自分の身にも同じことが起こったら、同じクラスのあの子と〇〇できるかも!」みたいな感じの興奮はあるかもしれません。そういう不健全な楽しみ方ができるなら結構楽しめるんじゃないかと思います。
今でこそケータイ電話(スマホ)を使ったデスゲームみたいなのが溢れてるから目新しさはないものの、当時は斬新だったし初期設定は面白いです。ただし個人的には結末が残念だったので、結末だけ何とかしてくれたら評価も大きく変わるんじゃないかと。
ライフ・イズ・マネー(全3巻)
妹の手術代を稼ぐために1億円を手に入れるか死ぬかのナイトメアゲームに参加する男の姿を描いた作品。
サイコロを振って、出た目に対応した五感を失うという設定は面白いと思いました。あとメンバー同士の間がそこまでギスギスしていないのも取っ付きやすいです。精神崩壊を表現しているのか、ぐちゃぐちゃなタッチになる絵は好きになれなかったけど。
投票げぇむ(全3巻)
投票ゲームをして得票数が少なかった人が死んでしまうというデスゲーム。上の方で紹介した「生贄投票」は社会的な死だったけど、こっちは普通の死です。
事の発端が人気投票という「女子の品定め」みたいな感じなのは男の僕から見てても気分の良いものじゃなかったから、女性読者はまず好意的には受け取らないと思います。あまりにもあっさり死んでしまって、死ぬ間際の醜い争いみたいなものがないのも物足りないというか少し残念でした。
異骸 -THE PLAY DEAD/ALIVE-(全9巻)
よくある学園モノとゾンビホラーの融合で、かつての友人とか片想いの相手が正気を失っていく感じが迫力満点で描かれているサバイバルホラー。
一風変わっているのが「ゾンビは時間帯によって正気に戻る」という点で、それが人間側にも殺すのを躊躇わせているという部分が面白いです。人間vsゾンビって縮図はもちろん、ゾンビにどう対応するかっていう人間vs人間の縮図も見所あり。
殺戮モルフ(全4巻)
刃物を片手に無差別通り魔事件を引き起こした人間が、取り調べ中にも関わらず外では犯行を重ねているという設定のスプラッタホラー。
逮捕されたはずの犯人が未だに外では目撃もされていて、さらに犯行を重ねている様子は奇妙で仕方ないです。幽体離脱的な話なのか、それともドッペルゲンガー的な話なのか…。
リアリティに乏しいせいか恐怖は感じないんだけど、残酷な描写が次から次へと出てきて結構グロい。色んな伏線をどうやって回収するのか楽しみです。
全4巻で第一部完という形で一旦終了。続編があるなら話は変わってくるけど、万が一ここで終わるようなことがあったら伏線の回収も行われてないし酷いことになると思います。
あとがき
ほとんどの作品でグロ耐性、エロ耐性必須。