最近は色んなカタチのグルメ漫画が増えてきたように思いますが、その中でも本作の斬新さといったらハンパ無いです。早い話が「三十歳でバツイチの無職男が、居酒屋経営で一旗揚げよう」的な話なんだけど、僕はこのテーマで漫画が描かれているってことを知った時、メチャクチャ心が躍りました。
地元でこじんまりした所にある居酒屋って意外と美味しい料理を出すところが多いし、アットホームな所なら地元民が集まってきて、小規模ながらも楽しい空間を作ることができるんじゃないかなぁと。
というわけで、今回は「三十歳バツイチ無職、酒場はじめます。(全2巻完結済み)」を紹介します。
三十歳バツイチ無職、酒場はじめます。 あらすじ
勤めていた会社が倒産し、いつまでも就職先を見つけられない夫に愛想を尽かして妻は出て行ってしまった。残された無職の夫は新しい新居に友人を招き、引っ越し祝いを兼ねた簡単な決起会を開いていたところ、そこをお店と勘違いした地元民が訪れ、一気に新居は賑やかに。
即席ということでメニューに並んだのは「サキイカ」「ミックスナッツ」「缶詰類」などの簡単なつまみと発泡酒、冷酒、ウイスキーという心許ないラインナップであったが、お客さんの喜ぶ顔が見れたうえに2万円オーバーの利益を手にした。
三十歳、バツイチ、無職の太田信吾。ここに酒場を始めることを決意する。
三十歳バツイチ無職、酒場はじめます。の見所をチェック!!
アットホーム感漂う即席おつまみ
僕が好んで通っていた食堂はメニューに載ってない物も材料さえあれば快く作ってくれる所で、学生時代からもうずっと通ってるんだけど、漠然とした客の要望にパッと応えられる居酒屋ってポイントがすごく高いと思う。
特にそれが普段自分でも簡単にマネできるようなアイディア料理だったとしたら、そのお店の株も一気に上がるってもんです。本作で登場したのは「ツナ缶のアヒージョ」でした。
僕もすぐさまマネしたけど、ただツナ缶を食べるよりも断然美味しかったし、この先も何回かお世話になると思う。そういうアイディアがこの先もでてくるんじゃないかって楽しみに溢れています。
お店を開く前に…
まぁ飲食店を実際に経営している人からしたら当たり前なんだろうけど、ド素人が簡単な居酒屋とか喫茶店とか開こうとしたときも守らなきゃいけない決まりってのが幾つかあるわけで、食品衛生責任者を立てたり、保健所から許可を取ったり…。
ちなみに食品衛生責任者は都道府県がやっている講習会を受けるだけで資格が貰えるらしいです。受講料1万円取られるらしいけど…(お金と引き換えに貰えるとか、こんなんばっかだな)。でも義務教育で教えてくれるようなことではないし、知らなかったじゃ済まされないようなことだし。そういう知識が得られるってのも本作の魅力の1つです。
経営のノウハウが楽しく学べる
即席で始めた居酒屋が毎日2万円ほどの利益を生んでくれたのも束の間、物珍しさで来店してくれていた人たちがいなくなると、一気に閑古鳥が鳴き始めるという事態に。
そこで新規客の獲得に乗り出す一歩として、お客さんの目を引く看板を出してみたり、看板メニューを作ってみたり、極めつけはお店の外観に可愛らしいイラストを描いたりなど、お客さんが入りやすいお店作りに取り掛かる様子を見ることができます。
何回も行ってて空気感の分かってる居酒屋さんとかならね、料理が美味しいとか雰囲気がいいとか魅力があればリピーターは付いてくるだろうけど、リピーターを生むためにはまず一見さんに来てもらわないと。そのための試行錯誤、創意工夫が面白いです。
コミックス1巻を読んだ感想・レビュー
ちょこちょこマネしたくなるようなメニューも登場してきて、おつまみ好きが読むグルメ漫画としてはまぁまぁ良作だと思う。まぁまぁと表現したのは「本作が純粋なグルメ漫画じゃないから」という点で、単純におつまみを真似したいだけなら他にもっと適した漫画がいくらでもあります。
やっぱ本作の醍醐味は「素人が色々と工夫して、いかに自分の店を流行らせるか」って部分じゃないかと。そういう意味では、色んな場所からヒントを得て少しずつ良いお店になっているのが見てとれるので、この調子で続いていってくれたらなぁと思いますね。
個人的なことを言わせてもらえれば、第1巻時点では順風満帆すぎるのでこの先の展開で「居酒屋の経営はそんなに甘くないんだよ」って部分も見せてくれることを期待します。
あとがき
居酒屋経営シミュレーションゲームとかスマホアプリで出したら、結構流行りそうじゃない?
飯テロ上等!!面白くておすすめのグルメ漫画、料理漫画を紹介する
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