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「四方遊戯 遠藤達哉短編集」を読んだ感想・レビュー

四方遊戯表紙

 

短編集ってなると中には幾つかの物語が入ってるわけで、いわばアーティストの音楽アルバムのように「この曲はあんまり好きなじゃい」みたいな、自分にとってイマイチな評価の作品が入っているケースが普通です。

しかしこの短編集は4つの物語がすべて王道ファンタジーとして高いレベルにあるので、イマイチな物語はないんじゃないかと思います。バトルファンタジーが好きな人からしたら超が付くほど堪能できる短編集と言っていいでしょう。

というわけで今回は、めちゃくちゃ完成度の高い4つの王道ファンタジーが収録された短編集「四方遊戯 遠藤達哉短編集(全1巻完結済み)」を紹介します。

 

 

四方遊戯 あらすじ

暗く荒んだ砂の大地で賞金稼ぎになると決めた少女は!? 本当の強さの意味を知る物語「西部遊戯」等、己の信じる道を突き進む少女たちの生き様は、力強く美しい。珠玉の読切4作品を収録した待望の短編集登場!!

  1. 西部遊戯
  2. 月華美刃
  3. WITCH CRAZE
  4. PMG-0

以上の4編が収録された短編集です。作者の遠藤達哉氏は「SPY×FAMILY」や「TISTA」などが有名。

 

四方遊戯の見所をチェック!!

西部遊戯

四方遊戯1

 

素人の賞金稼ぎがトラブルを起こすことが増えたため、賞金稼ぎを免許制にしたことによって作られた賞金稼ぎ養成学校の物語。主人公はかなり腕の立つ女の子です。保安官の息子が虎の威を借ったようなカタチの嫌がらせをしてくるため、それをどうにかこうにかしていくという感じの物語となっています。

タイトルからも連想されるようにブルースリーの死亡遊戯をもじった作品らしく、西部劇っぽい世界観が特徴的です。なんと遠藤達哉氏のデビュー作とのこと。

 

月華美刃

竹取物語を近代ファンタジーにしたような感じの作品で、ジャンルはバトルアクションだと思います。遠藤達哉氏にとってジャンプに初めて読み切りとして掲載された作品みたいです。

線が細かい迫力あるバトルが展開されるんですが、絵の細かさがマジでやばい。悪く言えば「絵も細かいしセリフも多くて直感的に読みにくい」とも言えるんだけど、初心者目線でも才能がほとばしってるように感じます。

本作中でも「続編を描いてみたい作品」と言っていた通り、2010年~2012年までジャンプSQにて連載されていて、こっちは全5巻のボリュームで出版されています。

 

WITCH CRAZE

魔女狩りから着想を得たという、魔女を主役としたダークファンタジーです。世間一般では魔女は凶悪な存在と言われているものの、そうじゃない魔女もいるし、魔女を狩る立場のハンターにも色々いるって感じの物語。

主人公は魔女とハンターの2人で、本来なら戦い合う存在の2人が行動を共にしているという部分が、非常に興味深いダークファンタジーと言えるでしょう。

 

PMG-0

四方遊戯2

 

フランスの小説「三銃士」をネタにしたバトルアクション漫画です。絵の綺麗さは言うまでもありませんが、三銃士を知っている人も知らない人も楽しめる作風に仕上がっていると思います。

定評のある女主人公ですが、これまでのエピソードの主人公たちの誰よりも少年漫画の主人公っぽく、ちょっとした茶目っ気みたいなものを持っている魅力的な主人公と言えるでしょう。

ちなみに軽く調べた感じでは、本短編集に収録されている4つの中で1番人気が高そうでした。

 

四方遊戯を読んだ感想・レビュー

相変わらず絵はめちゃくちゃ上手くて、バトルシーンの線の細かさとかはもうヤバイくらいです。王道のバトルファンタジー4作品が収録されているので、このジャンルが好きな人にはたまらないと思います。

ですが、SPY×FAMILYが好きで手に取ったっていう人だとギャグ要素の少なさにがっかりしてしまうかも。個人的にも似たような話ばかりのように感じてしまったので、箸休めが欲しかったというような感じ(バトルファンタジー以外のジャンルも楽しみたかった…)。

個人的にはどれも甲乙つけがたいくらい面白かったですし、王道のファンタジー漫画を求めている人には超おすすめ。もちろん遠藤達哉氏のファンにも文句なしにおすすめです。

 

あとがき

バトルファンタジー好きには最高の短編集です。

 

 

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