本作を初めて読んだ時の率直な感想は「ジャンルが何か分からないけど超おもしれー!!」でした。スパイファミリーというタイトルにもあるように、主人公がスパイで家族を持つことになったというのが大まかなストーリーなんだけど、レトロ感満載のドタバタホームコメディみたいですごくほっこりできるんです。
なのに時代背景は結構残酷だし、身近に殺し屋よか諜報員がわんさかいたりして…。この不気味な温度差も、本作にかかれば優美なエッセンスになるっていうね。というわけで今回は、非の打ち所のないホームコメディ「SPY×FAMILY(連載中)」を紹介します。
SPY×FAMILY(スパイファミリー)のあらすじ
本作の主人公「黄昏」は、超が付くほど優秀な西国のスパイである。現状、この国は東西平和に不安を抱えており、黄昏は不穏分子である国家統一党総裁の動きを探ることを命じられた。
しかしターゲットは、ほぼ表舞台に姿を現さない。姿を現す可能性が極めて高い場として「息子が通っている超名門校の懇親会」が挙げられた。黄昏は急遽、ターゲットの息子と同い年の子供をこさえることになったのだが、その子がなんと超能力者だったのである。
そして名門校に入学する為の試験の場にて、三者面談が必須条件となっていた。そして巡り合った母親候補の女性は、なんと殺し屋だったのだ。今、スパイ×殺し屋×超能力者という、極めて異色な家族によるホームコメディが幕を開ける。
SPY×FAMILY(スパイファミリー)の見所をチェック!!
人並みの幸せをとうに諦めた主人公の今後
本作の主人公は超優秀なスパイであり、任務を遂行するためには手段を選びません。利用できるものは全て利用し、上からの命令に対して忠実に任務を遂行します。
もしターゲットに近付くために恋愛感情などを利用した方が手っ取り早い場合などは、ターゲットの娘を上手く利用して任務が終われば用済みです。そんな冷酷とも思える男が家族を持つことになります。
「情が移ることは無い」というニュアンスの言葉を度々口にしていますが、徐々に感情が変わっていくことは十分に予想されるでしょう。スパイになった時に人並みの幸せを諦めた男が、任務のために必要だからということで仕方なく築いた家族。その家族とどのように成長していくのか必見です。
愛すべき数々のキャラクター
スパイ、殺し屋、超能力者…。設定だけを見たら滅茶苦茶クセが強いんだけど、ふと見せる場面場面はまさに幸せそうな家族そのものです。
もちろん夫婦間ではお互いに正体がバレないような水面下での駆け引きがあったりして、エスパーの娘にはそれら全てが筒抜けになっているっていう設定は、色々とツッコミどころが満載となっています。
サクッと序盤を読んだだけでも魅力に溢れているキャラクターばかりなので、読んでてワクワクする読者が続出してるはず。「もしキャラクター人気投票があったらガチで誰に入れようか迷う！」というワクワク感を感じたのは、マジで久々な気がします。魅力的なキャラ多すぎ。
イラっとするシーンも可愛さと面白さで上書き
ターゲットに近付くために名門校に入学するという設定があるので、娘が普段から接することになる子供たちの中には、ターゲットの息子がいて、その息子の取り巻きがいます。
主人公の家族が変わり者ということもあって、何かとバカにされたりするシーンもありつつ、ちょっとでも胸糞悪いシーンがあるとどんよりしちゃう僕は不安になったりもするんだけど、その心配は一切ないです。
たまに悪ガキに絡まれても、それを上回る可愛さと笑いで嫌なイメージを払拭してくれます。娘のキャラは実際にいたら生意気に映る部分もあるんだろうけど、とにかく可愛く感じられるんですよね。
笑わそう！っていう感じのコテコテのギャグじゃないにも関わらず、思わずクスッとさせられちゃう場面が多いのも、本作の大きな見所の一つ。
SPY×FAMILY(スパイファミリー) 1巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)
僕はリアルタイムでジャンプを読んでいたわけでなく、友人から「面白い漫画あるんだけど読んでる？」と聞かれて本作に出会いました。
それ以降、発売日に単行本を購入しています。「最初は面白かったけど、徐々に失速した漫画」は数多くある中で、本作に関しては「つまらなくなるということが1mmも想像できないレベル」で面白いと感じました。
コミックス1巻の時点で既に笑いあり、涙ありの最高峰を予感させてくれます。個人的には「これをつまらないって言う人、いるの？」くらいの感じ。早く続きが読みてーよ。この家族には幸せになってもらいてーよ。これマジで。
あとがき
これはスパイブームがくるな。
