個人的にはヤクザという人に迷惑をかけられたこともなければ、むしろ「動いているヤクザを見たことがない」くらいの感じなので、漫画のギャグ要素として扱われるというイメージしかありません。
現実にはいじったりできないからこそ、ギャグ漫画の要素としては跳ねるんでしょう。本作も美少女同人作家の大ファンである若頭が大活躍します。そこまで怖がらなくても…って思うし、もっとフランクに接してあげたらいいのにって思いながらも、やっぱ本物のヤクザを目の当たりにしたら怖いもんなんでしょうか。
というわけで今回は、不遇の扱いを受ける若頭のギャップが面白い「美少女同人作家と若頭(全5巻完結済み)」を紹介します。
美少女同人作家と若頭 あらすじ
かけだしの同人作家『バナナウンコパクパク』が、初めて参加した同人誌即売会で、初めて本を買ってくれたのは『若頭』だった――。『魔王がブラック企業の社長になる漫画』『中年魔法少女』など、TwitterやPixivで数万RT・数万PVの漫画を多く発信するベニガシラが描いた話題作、描き下ろし大量追加で書籍化!
美少女同人作家と若頭の見所をチェック!!
若頭のギャップが魅力だらけ
まずヤクザって聞くと怖いイメージを持ってしまうのが普通です。ぶっちゃけ僕も「冗談とか通じるのかな?」って思っちゃうし、ギャグ漫画とか読んで笑ってるようなイメージが湧いてきません。
ヤクザと裁判官は笑わないんじゃないかってくらいに思ってるんだけど、本作に登場する若頭は「少なくとも悪い人ではなさそう」という印象を受けました。というのも所々に茶目っ気が感じられるというか、愛されキャラオーラみたいなものが出てるんです。このギャップがマジで魅力最大。
コテコテのギャグだけどそれがいい!
組って言われて「学校…じゃないよね」みたいな、割と使い古されたって言ったらアレだけど、話の展開そのものに新鮮味はあまりないです。ただ、同人誌に興味を持っているヤクザの若頭っていう構成がもう無敵というか、カウンタックで畑を走ってる違和感みたいなものを感じます。
組の名前も「同塵組」だし、ヤクザ要素は完全に笑いの方向に舵が切られていて、札束を出したりするとちょっとどよめく感じって言うんでしょうか。この辺はよく見る感じのやつです。でも若頭が勝負服(白装束)で売り子をするなんて展開はなかったし、この辺は同人作家とうまくコラボできていて唯一無二の作風になっています。
コテコテのギャグなんだけど、それがいいと思える作風です。変化球とかじゃなくてストレート。
美少女同人作家という設定
本作は設定上「美少女同人作家」となっていますが、ファーストインプレッションでそれを感じ取れる読者は皆無ではないかと思います。というのも、若頭相手に驚く顔は決して美人とは思えないし、そもそものペンネームが「バナナウ〇コパクパク」なんで、美少女要素は完全に視野の外でした。
でもお嬢さま学校に通っていて、しかも後輩からは「氷の女帝」と憧れられる存在らしいです。この要素が出てきた時、本作の魅力の扉がまた一つ開いたような気がします。
オタク気質を悟られないようにしている感じとか、後輩から変に勘違いされてしまうというすれ違いはもはやコントと言っていいです。この先、学生生活にもスポットが当たったりするのかなぁと思うだけでもワクワクします。
美少女同人作家と若頭 コミックス1巻を読んだ感想・レビュー
学生時代にヤクザキャラの友人がいたという人なら、必ず通ってきたような内容が描かれているギャグ漫画です。悪く言えば新鮮味がないというか捻られてないっていう言い方もできるかもしれないけど、個人的にはそのストレートな感じが刺さりました。
同人誌が好きな若頭っていう要素は今までになかったし、オリジナルの要素もしっかりしています。本作を読んだら若頭に惚れることは間違いないでしょう。それくらい魅力に溢れているキャラクターです。
個人的には主人公が若頭を怖がり過ぎていて、ちょっと可哀想に感じました。先生って慕ってくれてるんだから、もうちょっと心を開いてあげても…って思ったけど、この先少しずつ距離が縮まっていくのであればそっちの方がありかもって思ったり。
ヤクザネタ、極道ネタが好きな人や同人誌絡みの趣味があるという人におすすめのギャグ漫画です。
あとがき
若頭も高齢化か。