「どっちかっていうとあなたが舞妓さんなんじゃないの?」って言いたくなるような可愛らしい女の子が、舞妓さんたちのために料理を作るという感じの漫画です。家庭的な雰囲気が溢れていて、思わず実家を思い出してしまうという人が続出しそうな感じがします。
舞妓さんたちの食事を含めた私生活や人間ドラマに見応えがてんこ盛りの本作、きっと面白くないって言う人がいたとしても極々少数派と言っていいでしょう。というわけで今回は、温かな人間模様を描いた「舞妓さんちのまかないさん(連載中)」を紹介します。
舞妓さんちのまかないさんのあらすじ
ここは京都のど真ん中にある花街。舞妓さんたちが深夜、お仕事を終えたあと帰ってきて、共同生活を送っているのは、「屋形」と呼ばれるおうちです。とある屋形で「まかないさん」として舞妓さんたちに毎日の食事を作っているのは、なんと弱冠16歳の少女・キヨ。彼女がまかないさんになったのには、ある意外な理由があって――。華やかな花街の舞台裏、普通の日のごはんを通して、温かな人間模様が描かれます。
舞妓さんちのまかないさんの見所をチェック!!
舞妓さんたちに料理を振舞う主人公
タイトルをちゃんと読めば書いてあるんだけど本作は裏方さんの物語です。舞妓さんたちに料理を振る舞う女の子が主人公で、若干16歳の女の子が色んな料理を作っていく様子が描かれています。
普通はこういうのって舞妓さん側にスポットが当たって、舞妓さんの仕事とか生活の裏側みたいな部分を描くのがセオリーじゃないかと思うんだけど、まさかそんな舞妓さんたちに料理を作るまかないさんにスポットを当てるとは…。
しかもこういうのって給食のおばちゃんじゃないけどベテラン料理人みたいな人がやると思ってたから、可愛らしい女の子が主役っていうのも見ていて微笑ましいです。
舞妓さんの中のルール
あなたは実物の舞妓さんを見たことがありますか?僕は見たことがなかったので先ほどYouTubeでチラっと見てきたんだけど、まぁ京都の文化の一つ…なのかな。ぶっちゃけ舞妓さんのことはよく分かりません。
でも「カレーが禁止されている」って聞いたときは驚きました。家庭を思わせるものはダメって言われちゃうと味噌汁とかもダメなんじゃねーかって思ったりもするんだけど、確かに京都の古き良き街並みでカレーの匂いが漂ってきたら雰囲気が壊れちゃうような気がしないでもないですね。
ちなみに舞妓さんはコンビニにもそのままの姿で入っちゃいけないようで、意外とルールが厳しいんだなぁと思いました。舞妓さんのこと何にも知らないけど、こういう部分が見えてくると近付けたような気持ちになって面白いです。
舞妓さん側の人間ドラマ
本作の主人公も最初からまかないさんをやろうと思っていたわけではなく、そこにはちゃんと経緯があってのことでした。そして年の近い女の子で舞妓として活躍している子もいるようです。
この舞妓さんも決して華やかな舞台ばかりにいるわけじゃないので、裏では厳しい稽古なんかもしてるだろうし、何より精神的に落ち込むこともあるはず。そういう時に主人公が作る料理によって支えられたりするっていう展開は、間違いなく感情を揺さぶられると言っていいでしょう。
主人公は裏方ですが、表舞台の舞妓さんたちを支えているのも主人公のような裏方さんだし、その双方の人間ドラマを堪能できるという意味では「一度で二度美味しい漫画」と言っていいかも。
食欲をそそる数々の料理
若干16歳の女の子が作る料理っていうことで、ぶっちゃけるとプロが作るような料理ではありません。でもそれが悪いっていう意味ではなくて、むしろ良いと言っていいくらいのやつです。
家庭を思わせる料理はダメってことでカレーは作れないっていう縛りがあるようですが、主人公が作る料理はどれも家庭的なんですよね。パンを使ったちょっと洒落た料理も出てくるものの、良い意味で素朴というか変に飾っていない漢字の素敵な料理がたくさん登場します。
僕は本作の一番の見所は人間ドラマじゃないかと思ってるんだけど、それに負けず劣らず料理の要素も大きな見所と言って間違いありません。
舞妓さんちのまかないさん 序盤を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)
花街に行ってみたくなるほどに魅力的な漫画です。魅力的なキャラクターが多く、読んでいてほっこりするというか癒しを貰えるような優しい作風がたまりません。
主人公がなぜ16歳にしてまかないさんをやっているかっていう背景や、若くして舞妓さんとして活躍している子たちとの触れ合い、料理を通して紡がれていく思い…とにかく魅力がたっぷりの料理漫画だと思いました。
古き良き雰囲気も最高だし、グルメ漫画やヒューマンドラマが好きな人にはぜひとも読んでもらいたい作品です。特に洒落た料理じゃなくて家庭的な料理が好きだっていう人におすすめします。
あとがき
優しく、楽しい漫画です。