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「菌と鉄」を読んだ感想・レビュー

菌と鉄
Ⓒ菌と鉄

漫画が大好きで色んな漫画を片っ端から読み漁っている身としては「誰々がおすすめしているなら間違いない」っていう基準があったりします。それこそ仲の良い友達だったり、評論家だったり、立場には色々あるものの漫画家さんがその才能を後押ししているってことがあった興味を持たずにはいられません。

本作は「進撃の巨人を描いた諫山創氏が惚れ込んだ」とアナウンスされているんですよね。「あの!?進撃の巨人の!?」じゃないですか。これは読まなきゃ損でしょ。

ということで今回は、諫山創が惚れ込んだ絶望と抵抗の物語「菌と鉄(連載中)」を紹介します。

菌と鉄のあらすじ

人類はキノコに支配されていた。脳に寄生することで自由を奪い、思考を奪い、菌類は徹底した管理社会を築き上げた。しかし、ここにイレギュラーが存在する。最強の兵士・ダンテは、ひとりの少女との出会いをきっかけに、この世界の理を覆す決意をした。『進撃の巨人』諫山創が惚れ込んだ、新たなる“絶望”と“抵抗”の物語。人類はキノコに支配されていた。脳に寄生することで自由を奪い、思考を奪い、菌類は徹底した管理社会を築き上げた。しかし、ここにイレギュラーが存在する。最強の兵士・ダンテは、ひとりの少女との出会いをきっかけに、この世界の理を覆す決意をした。さあ。絶望の底から、叛逆をはじめよう。

菌と鉄の見所をチェック!!

政府による情報操作などが蔓延るディストピア

菌と鉄
Ⓒ菌と鉄

本作はジョージ・オーウェルの1984をモチーフにした作品のようです。元ネタを知らないから何とも言えないけど、キノコに支配されたディストピアにて、政府から洗脳されていない唯一の人間が主人公という設定。

洗脳されていないから政府による情報操作の影響も受けないし、外の世界を知りたいとも思うわけで…。そんな主人公がこのディストピアから外の世界に飛び出したとき、物語は急速に進んでいきます。

井の中の蛙じゃないけど、狭い世界しか知らなかった主人公の視野が広がるっていう展開はRPGにも似たわくわく感があって、これが嫌いっていう読者はいないでしょう。政府によって都合良く事実が作られているというディストピア感も、狂気を感じさせる雰囲気があって良き。

政府軍 vs 反乱組織

菌と鉄
Ⓒ菌と鉄

洗脳されているなら自分たちこそが正義と思うわけで、敵対組織がいるならそれを悪と感じてしまうのは節理です。しかしそれが洗脳されていない人間同士の出会いになったらどうでしょう。

主人公は文字が読めないというマイナス能力を帳消しにするくらいの身体能力の持ち主であり、当然ながら戦闘能力も高いことが予想されます。本来なら「洗脳できない=処分する」ってなりそうなもんだけど、自分たちの大きな戦力になりそうだと判断されて生かされているのかも。

そこで反乱組織と相まみえたとき、どっちの志に正義があるかを判断するのは洗脳されていない主人公本人となるわけで、ここから徐々に主人公 vs 政府というスケールの大きな戦いが始まったらわくわくしませんか?

食物連鎖の頂点はキノコ

菌と鉄
Ⓒ菌と鉄

タイトルにもあるように本作の大きなテーマの一つがキノコです。政府はキノコを使った洗脳を行っていて、この設定がディストピア感を強めています。今まで外に出たことがなかった主人公。その主人公が外の世界に触れて、何を思い、どう行動していくのは必見です。

個人的には本作は分類上「バトル要素強めのダークファンタジー」になるんじゃないかって思ってるんですが、キノコがなぜここまで力を持っているのかの謎だったり、政府が男性のみで構成されている謎など、徐々に解き明かされていくという楽しみも存在しています。

というかキノコって付け合わせというか、あまりメインにならない存在というイメージがあるので、本作におけるキノコがどれだけ重要なポジションになっているのかが大きな見所と言えるでしょう。

菌と鉄 コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

1巻時点では多くの謎に包まれていて、とにかく気になることだらけという印象です。とりあえず端的に言えば「政府に洗脳されなかった主人公が、恋の力を原動力にして『もしかして政府が間違ってんじゃね?』という思いを糧に行動していく物語」って感じでしょうか。知らんけど。

ディストピアを題材にした作品ってもっと気持ち悪い世界観を持ったものが多くて、そういうのと比較すると本作のディストピア感はやや控えめという印象です。狂ってる世界を壊すっていう分かりやすい展開なら、元の世界が狂っていれば狂っているほど面白いと思うので、そういう分かりやすい展開じゃないのかなぁと思ったりもしています。

バトルシーンが多い割にバトルの描写に躍動感があまり感じられず、ちょっと勿体ないような気も。徐々に上達するのかもしれないし、躍動感こそなくても不気味な雰囲気はあるので、そういう意味では問題ありません。

あとがき

アミガサ万歳!