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「パンティストッキングのような空の下」を読んだ感想・レビュー

パンティストッキングのような空の下表紙
Ⓒパンティストッキングのような空の下

〇〇みたいな形の雲なら何度も見たことがあるんだけど、こういう感じのタイトルって小説っぽいというか教科書に載ってそうな感じがしませんか?個人的には「本作を面白いって言う人はマンガ通」みたいなイメージを持つ作品です。

僕からすれば一部の層に刺さるのは分かるけど、これが「このマンガがすごい!」でランクインするとは驚きました。というわけで今回は、タイトルからは内容が全く想像できない短編集「パンティストッキングのような空の下(全1巻完結済み)」を紹介します。

パンティストッキングのような空の下のあらすじ

時は21世紀初め、高校生の三上とひろしは待ち望んでいた。平凡で幸福な人生と、テポドンの襲来を…! (パンティストッキングのような空)12年後、ヘイトとポリティカルコレクトネス蔓延る現代日本で、おっさんとなった三上とひろしは今度こそ平凡で幸福な人生をつかむことが出来るのか!?

  • パンティストッキングのような空
  • 平成の大飢饉予告編
  • 学級崩壊
  • 渡辺くんのいる風景
  • いつ果てるとも知れぬ夏の日
  • 未来世紀シブーヤ
  • メンデル
  • 朝まだき
  • 唯一者たち

以上の9編が収録された短編集です。作者のうめざわしゅん氏は「ピンキーは二度ベルを鳴らす」や「ユートピアズ」などが有名。

ちなみにKindle Unlimited登録者なら無料で読めるのでぜひ読んでみてください(本記事執筆時点で全巻対象です)。

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本作は電子書籍のプラットフォームによって1巻完結と全2巻構成になっている2パターンが存在します。

パンティストッキングのような空の下の見所をチェック!!

パンティストッキングのような空の下

パンティストッキングのような空の下1
Ⓒパンティストッキングのような空の下

本短編集の表題にもなっているエピソードで、なぜこのタイトルになったかっていう部分は読者によって感じ方が変わるのではないかと思いました。そして内容についてもそれと同じで、とくにコレと言った分かりやすいテーマはありません。

ただ漠然と青春時代に身を置いている高校生の生きにくさみたいなものにスポットが当たっていて、その日常を何者かによって破壊してほしい感情が一人歩きしている感じっていうのかな。若くて時間を持て余してるときって日常に退屈して「明日、世界が滅亡しないかな…」みたいなことを考えたことってありませんか?

本作はそういう若さを持て余している高校生の日常を描いた青春譚と言っていいでしょう。恋愛とか友情とかそういう分かりやすいやつじゃなくて、ちょっと屈折してるくらいのやつです。

平成の大飢饉予告編

パンティストッキングのような空の下2
Ⓒパンティストッキングのような空の下

ずっと童貞だった主人公が愛に目覚めて、遂にパートナーができたかと思ったら少しずつきな臭い流れになっていきます。本作にもコレと言った分かりやすいテーマはなく、感じ方が読み手に委ねられるような展開の物語です。

全部を一括りにするのも難しいと思うけど看板を掲げて抗議活動をする集団がいたとして、それが過激派じゃない例ってどれくらいあるんだろうか。個人的には抗議活動をしたことが一切ないし、もし進行先でそんなんやってたら迂回してでも近付かないようにするけど。

カルト集団も始まりは些細なことだと思うし、愛国心を掲げる人間すべてが立派な人間とも限りません。中には信用ならない奴もいるよなぁと。そういう連中を前にして「自分が一番可愛い」って言えることの素晴らしさよな。

読んでて意味が全く分からないと思います。でも僕の頭じゃ本作の本質を見抜くまでには至りませんでした。

学級崩壊

パンティストッキングのような空の下3
Ⓒパンティストッキングのような空の下

タイトルの通りの学級崩壊なんだけど、色んな意味で凄かったエピソードです。まず学級崩壊って言われて、多くの人がイメージする学級崩壊があると思います。本作はそれじゃないです。

で、すかさず「あ、そっちの方?」って思うんじゃないかと思うんですが恐らくそれでもありません。「こんな形で学級崩壊することなんかあんの?」って感じの衝撃を受けること間違いなし!

ぶっちゃけ大きな出来事が起こるときなんて前触れなく起きることがほとんどだろうし、そう考えると直前までは日常なわけで…。でも日常過ぎて驚かずにはいられないでしょう。そして終わりがとてつもなく斬新でした。

パンティストッキングのような空の下を読んだ感想・レビュー

「青春」みたいなことを描いているのは分かるんだけど、僕の持ってる辞書にはあまり載ってないタイプの青春で、ネタバレせずに紹介するのがめちゃくちゃ難しい漫画という印象です。

ぶっちゃけ面白いか面白くないかを聞かれて、僕にとって真っ先に「面白い!」って即答できるような感じではありませんでした。終始ふわふわしている感じというか、不思議な作品であることは間違いないんだけど…。ちなみにこのマンガがすごい!2017〈オトコ編〉第4位の作品なので、一般的には超支持されている作品です。

この独特な雰囲気は文学作品をコミカライズした感じに近いかも。それもなるだけ分かりにくく、核心を突かないように表現したらこうなりそうな気がします。とりあえず本作の魅力は読んでから判断してみてください。

あとがき

マンガ通に愛されそうな漫画というイメージ。