野球は今と昔で大きく変わったスポーツの1つです。というか今と昔で変わってないスポーツの方が珍しいと思うんだけど、野球と言えば日本では国民的スポーツの代表格ですからね。
特に今、テレビでプロ野球を解説している元プロ野球選手たちも、今ではあり得ないと言われているトレーニングを経験してきたんじゃないかと。ここ20年くらいでもそうなんですから、60年前って言ったらもう時代錯誤もすごいだろうなぁ。
というわけで今回は、60年前にタイムスリップする野球漫画「アノナツ-1959-(全3巻完結済み)」を紹介します。
アノナツ-1959- あらすじ
前代未聞のタイムスリップ野球漫画第1巻!現代の高校生投手VS.1959年の野球!!!歴史漫画の実力派作家が描く、未だ嘗てない野球漫画がここに開幕!!!
甲子園を懸けた試合の最中、落雷に遭った主人公・拝郷ナツ。目覚めると…なんと、1959年にタイムスリップしていた!!!何もかもが現代と異なる60年前の日本で甲子園優勝を目指す戦いが始まる…!!
アノナツ-1959-の見所をチェック!!
祖父から孫に紡がれる高校野球の歴史
本作は60年前に甲子園初出場にして初優勝を遂げた伝説的投手の孫が、1年生エースとして甲子園に行けるかどうかっていうところから始まる高校野球漫画です。
じいちゃんの時は部員が9人っていう事情もあるし初出場で初優勝をしているわけですから、地元で一定の年齢になっている人からすれば知らない人はいないってレベルの有名人なのかもしれません。
そんな有名人の孫が再び法宮高校を甲子園に導くかもしれないということで、マスコミもOBも賑わっているという状況なんだけど、そこで大きな波乱が巻き起こります。こういう場合の波乱って野球的なことが相場じゃないですか?でも本作でいうところのそれは「タイムスリップ」です。
60年前にタイムスリップして高校野球の舞台へ
甲子園地区予選大会の決勝戦にて、急な落雷から60年前にタイムスリップしてしまった主人公。奇しくも60年前は自分の祖父が甲子園の優勝投手になった時代です。
野球の技術的には紛れもなく通用するものの、野球ボールを始めとする道具にも大きな違いがあって、当時の野球に上手く適応できない主人公の様子が描かれています。というか昔の高校野球って木製バットだったんか。
そして練習も科学的なことよりも精神面に重きが置かれているので、主人公からしてみれば間違ったトレーニング法と体罰の嵐に驚きを隠せないっていうね。得てしてスポーツ科学とかスポーツ医学っていうのは、この前まで当たり前だと言われていたようなことが急に間違いになったりもするんで仕方ないんだけど…ここまでくると何かを思わずにはいられません。
じいちゃんと共に甲子園を目指す!?
元の時代に戻る方法も見つからずに困っていた主人公は、じいちゃんの勘違いによって生き別れになった弟ということになり、2人で野球部を盛り立てていくことになります。
しかし主人公がこの時代に来てしまったことによって、じいちゃんの未来が大きく変わってしまうっていう流れになって、現代から持ってきた当時の新聞記事の内容が変わってしまう(じいちゃんが甲子園の優勝投手じゃなくなってしまう)という展開に。
果たして元の時代の流れを取り戻せるかっていう部分や、主人公は無事に現代に戻ることができるのかっていう部分が大きな見所です。あ、そして現代に戻れるんだとしたら甲子園に行けるかどうかって部分も気になるところでしょう。
アノナツ-1959- コミックス全3巻を読んだ感想・レビュー
よくある俺TUEEE系のチート作品とは違って、60年間の歴史によるアドバンテージっていうのが面白いです。スポーツ科学に裏付けされた正しい知識を武器に戦うっていう展開はワクワクします。
想像に容易い当時の過酷な精神論や練習方法もしっかりと描かれていて、部活動で水を飲めなかった世代の読者には響く部分があるんじゃないかと思いました。逆に水分補給を推奨されている世代の読者からすると、暴力的な表現が誇張しているようにすら見えてしまうかも。
野球×タイムスリップという発想は面白かったんですが、全3巻ということでかなり駆け足気味になっていて、1つ1つのテーマが深く掘り下げられていないのが残念だったように思います。もっと歴史が細かく変わっていく様子も見たかったし、じいちゃんと孫の友情物語みたいなのも見れたら良かったなぁ。
あとがき
9人で甲子園に行ける時代か。
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