本作を初めて読んだとき、深く大きな衝撃を受けました。ホラー漫画には残虐性っていう直接的な恐怖も必要だけど、それだけだとただグロい漫画になるわけで…。幽霊やら怪奇現象やらの得体の知れない不気味さみたいな要素も必要だなぁと。
本作はそのどちらも問題なくクリアしています。いや、クリアどころか求めていた水準を遥かに超えてきたと言っても過言ではありません。というわけで今回は、新感覚な残虐ホラー「メイコの遊び場(全3巻完結済み)」を紹介します。
メイコの遊び場 あらすじ
学校に通ったことがないメイコはいろんなことをよく知りません。だけど最近は昼間にいろんな遊びを教えてもらっています。夜はお父ちゃんに頼まれて、知らないおじさんを壊す仕事をします。左目の眼帯を外して……。1973年の大阪を舞台に、眼帯少女が男を壊して壊しまくる残虐エンタテインメント!!
メイコの遊び場の見所をチェック!!
ミステリアスな眼帯少女(殺し屋?)
本作の主人公は左眼に眼帯をしている女の子で、父親と2人で暮らしています。ガラの悪い男と行動を共にしており、1人あたり5000円でターゲットを壊すという仕事をしているようです。それは主にメイコの左眼によってもたらされ、狙われた人物は軒並み廃人と化してしまうという…。
これが普遍的なものであれば良いのですが、メイコはまだ幼い少女ということもあり、能力にムラがあるという見方もできます。そしてガラの悪い男にとって1人あたり5000円という金額は、もうちょっと安くなるに越したことはないという金額。
お金を渋りだすという展開も予想されますし、もっと言えばメイコの能力が消えてしまったり、依頼された仕事を失敗してしまう時がくるかもしれません。「もう嫌だ!」ってすべてを投げ出すかも。その時にこの親子はどうなってしまうのか…みたいな緊張感を持って読むとめちゃくちゃ面白いです。
自分の世界に引きずり込んで抹殺する
メイコの左眼には不思議な能力があります。メイコはこの能力を使って、父親から指示されてターゲットを廃人にしているのですが、その内容がまぁエグい。
まずは夢のような世界にターゲットを引きずり込みます。その世界は非常に独特で、メイコは自由自在に何でもできるという無敵状態になるという設定です。ハサミや鎌などの刃物も簡単に用意できるし、人の頭くらいの大きさはありそうな石を剛速球で投げることも可能。
そしてその世界でメイコに殺されてしまうと、現実世界では廃人になってしまうという…。善悪の区別がないのか、メイコはとにかく残酷な方法でターゲットを始末するし、その作業を楽しむわけでもなく淡々と行っているように見えるので、それがまた恐怖心を煽り立てます。
抹殺方法は友達との遊びの内容
メイコがターゲットを殺す方法にはルールがあって、それは友達と一緒に遊んだ内容が反映するというもの。本作を初めて読んだ時、これがめちゃくちゃ衝撃的でした。
子供っていうのは純真な部分もあれば、それゆえに残酷な一面も持っています。誰もが幼少の頃にやったような残酷な遊びの内容を、ターゲットにそのまま反映させるという展開がやばいです。
例えばカエルとかトンボに対して行う残虐行為で有名なのがいくつかありますが、それをそのまま人間にやるという感じ。爆竹を使ったり、首を稼働限界以上に回したり…。「コーラは骨が溶ける」みたいな話から、硫酸かってくらいのコーラに沈めたり等、とにかく恐怖しかないです。
これをただ描くだけだと単なるグロなんですが、遊びの内容が反映するっていう部分に謎めいた恐怖感が残るので、ただグロいだけじゃない恐怖が付きまといます。
メイコの遊び場 コミックス全3巻を読んだ感想・レビュー
ホラーとしてめちゃくちゃ良くできた作品だと思います。いたずらに怖がらせようとしてこないし、作り手側の「ね?怖いでしょ?」みたいなのを一切感じません。
そして読者の多くが目を背けてしまうような残虐行為を平気で行う少女っていう…。表情がなくて無機質な世界観っていうのもあって、無表情な感じが超怖いです。やられる方も怯えるわけでもなく、悲鳴を上げるわけでもないのにこの怖さ。
内容的にまだまだ描けただろうけど、「同じことの繰り返し」みたいに言われる前にスパッとやめたような見切りの速さにも驚きました。全3巻でスピーディーな展開が楽しめる良質なホラー漫画と言えるでしょう。
ちなみにKindle Unlimited登録者なら、全3巻が無料で読めるのでぜひ読んでみてください。
あとがき
子供の頃、アリに対して酷いことをしてたのを思い出した。
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