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「エイジング―80歳以上の若者が暮らす島―」を読んだ感想・レビュー

エイジング―80歳以上の若者が暮らす島―
Ⓒエイジング―80歳以上の若者が暮らす島―

ドラゴンボール世代の僕としては、やたらめったら飛び交う「不老不死」というワードに惹かれたことは一度もないんだけど、大人になった今は「若返り」に関してはかなり興味があります。

ぶっちゃけ健康状態に不安しかなくて、このままだと80歳まで生きられる自信がないです。でも老人になってから若者に戻れるっていうのは夢のある話だなぁと。単に若返って何をするかっていう物語でもそこそこ楽しめそうなのに、ここにサスペンス要素が加わったらめちゃくちゃ面白そうな気がしました。

というわけで今回は、見た目は若者・中身は老人の男による復讐のサスペンス「エイジング―80歳以上の若者が暮らす島―(連載中)」を紹介します。

エイジング―80歳以上の若者が暮らす島―のあらすじ

日本政府は、20歳の頃の肉体に戻れる「若返り薬」の開発に成功。治験者(80歳以上限定)をある“島”に集め、再雇用のための試験運用を開始した。妻子殺害の冤罪で50年近くに及ぶ刑期を終えた八武崎瀧郎は、その“島”にいる真犯人に復讐するため、自らも20歳の肉体を手に入れ“島”に潜入するが……。

エイジング―80歳以上の若者が暮らす島―の見所をチェック!!

冤罪で逮捕され、長期の刑期を終えた男が主人公

エイジング―80歳以上の若者が暮らす島―
Ⓒエイジング―80歳以上の若者が暮らす島―

始まりはかなりアッサリしているんですが、内容はそこそこヘビーなものになっています。簡単に言うと「妻子を殺された主人公が冤罪で捕まり、懲役を終えて一般社会に戻ってきた頃には若返り薬が出来ていた」という流れ。

なんで冤罪で捕まってしまったのか的な部分は軽く流されていて、とりあえず「真犯人による陰謀なのでは?」くらいの感じを匂わされている程度です。この辺は少しずつ明らかになっていくんだろうけど、気になるというよりは謎が大きすぎて逆に気にならないくらいの感じ。

いずれにしても失った50年を取り返すというテーマにもそそられるし、なんで妻子を殺されなきゃいけなかったのかって部分も気になります。そして主人公が捕まったのも出来レースというか、誰によってこの絵が描かれているのかっていう部分にも注目です。

島に蔓延る不安材料と巨大な陰謀

エイジング―80歳以上の若者が暮らす島―
Ⓒエイジング―80歳以上の若者が暮らす島―

本作で描かれている若返り薬はまだ実験段階で、一般社会とは隔離されている島にて実験が行われています。若返りっていう要素があるから大抵のことが起こっても驚かないんですけど、普通にゾンビが出てきたり、若返ったはずの老人が元の姿に戻ってしまったり…。

若返りが元に戻ってしまうのには何かしらの法則がありそうで、若返り薬の副作用みたいなものも気になりつつ、裏で糸を引いている何者かの存在が気になってしまいます。これからますます加速していく高齢化社会に一石を投じる内容ながら、ちょっと陰謀めいた部分もあって非常に引き込まれる内容のサバイバル漫画と言っていいでしょう。

ちょっと可愛いギャルを助けるシーンにしても、このギャルも元々は80歳オーバーだったっていうのがチラついたりして、普通のサバイバルには無いシュールな雰囲気もマッチしていると思いました。これでギャグっぽくなっていないのは凄い。

事件の犯人がプロジェクトに関与している

エイジング―80歳以上の若者が暮らす島―
Ⓒエイジング―80歳以上の若者が暮らす島―

本作最大の見所は「主人公が人生を棒に振ることになった原因の真犯人が、この若返りプロジェクトに加担している」という部分です。主人公との巡りあわせは偶然なのか、それとも必然なのか…。

もともと警察の上層部に話をつけられるくらいの権力者って見方をすれば、こういう政府が絡んだ大規模なプロジェクトに参加していても全然おかしくないし、私利私欲のために色んなことをやっていてもおかしくないのかなぁと思ったり。

この真犯人は何者なのか、何の目的で主人公の妻子の命を奪ったのか、そしてこの若返りプロジェクトの目的は…。多くの真相が気になって仕方ない展開が待っています。

エイジング―80歳以上の若者が暮らす島― コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

コミックス1巻の時点では不明な点が多すぎて、何とも判断しがたい雰囲気があります。サスペンス調になってるんで、そこの辻褄をどう合わせてくるかによって評価は大きく変わりそうですし…。

とりあえず老人が若者になるっていうテーマはめちゃくちゃ面白いと思ったし、興味を惹かれました。ちょっとエロシーンが目立つ部分は余計な気がしないでもないものの、まぁ老人が若返ったらそんなもんかなぁと。

何と言っても、真相部分が気になって仕方ないサバイバル系漫画だと思います。50年もの月日が経っても風化していない恨みつらみという原動力も見応えがありそうです。パニックホラー方向にはいかずに、サスペンス強めで行ってほしいなぁ。

あとがき

記憶持越しでニューゲームしたいって発想はあったけど、還暦から二十歳に若返る系でもいいね。