ワクワクするようなファンタジーに、ちょっとしたダークな雰囲気を加えるとめちゃくちゃ面白くなります。
というわけで今回は、数ある漫画のジャンルの中から面白くておすすめのダークファンタジー作品の紹介です。
パンプキン・シザーズ
長かった戦争が終わったものの、そこから一気に平和へ…とはならず。本作で描かれているのは、一般市民の間には飢餓や疫病が蔓延し、そんな弱り切った市民たちを食い物にしている麻薬売りがいたかと思えば、戦争時は兵隊だったけど行き場を無くして野盗になった人間も山ほどいるという状況下です。
そんな中、戦災復興を掲げた組織パンプキン・シザーズが誕生。パンプキン・シザーズは市民を守るために全力を尽くすんだけど、腐敗した上層部と衝突したり、一般市民から信頼を得るまでに時間がかかったりと、一筋縄ではいかない様子が描かれています。
単なるバトルものとしても面白いし、政治的な背景とかも絡んできてめちゃくちゃ奥深いストーリーです。これはおすすめ。
銀狼ブラッドボーン
主人公が70歳にもなるお爺ちゃん、そして使用する武器がハンマーという目新しさが光る作品。「王道は好きだけど、セオリー通りのファンタジーに飽き飽きしてきた」という読者には猛プッシュしたいです。
個人的には絵の雰囲気がどこか鋼の錬金術師に似ているような気がして、すごく見やすいように思うし、本作の世界観ともマッチしてると思います。
かつて英雄と呼ばれた男が衰えを隠せなくなった今、再び世界を救うことができるのか。個性的なキャラクターも光ってるし、ダークファンタジー好きには鉄板と言ってもいいかも。
魔女と野獣
魔女と野獣が旅をする話かと思いきや、棺桶を担ぐ男と魔女に強い恨みを持つ少女が繰り広げるダークファンタジー。魔女はあくまで敵です。魔女にかけられた呪いを解くことを目的にしてるってことで、色んな魔女との戦いをしながら主人公2人の過去が少しずつ明らかになっていくってカタチかと。
絵は細かくて綺麗なんだけど、ちょっと見にくい。ストーリーは王道のダークファンタジーなので、1巻を読んでみて世界観にハマったら手を出すのもアリだと思います。
怪物事変
けものと呼ばれる怪物と人間のハーフたちが活躍するダークファンタジーです。主人公は自分の親を探したいっていう目的があって、探偵事務所に拾われるっていう感じ。
探偵事務所内での人間関係なんかも熱そうだし、根本的なテーマが親子愛っていうこともあって、どっちかっていうとシリアスな雰囲気が強い作品ですね。特殊能力を使ったバトル作品として見ても面白いし、絵のクオリティも高くて読みやすいと思う。「蟲師」とかが好きなら文句無しにおすすめ。
羽人
中国を舞台にしたダークファンタジーで、皇帝が手にする「不老不死と引き換えの運命」がテーマになっています。この不老不死は完全なものではなく、自分以外の羽人を殺すことで完璧なものになるって感じのストーリー。
そして皇帝じゃない羽人っていうのが主人公で、この両者が因縁の運命に終止符を打つべく戦うという流れです。皇帝の座を狙った不届き者の存在とか、権力争いの醜い部分とか…。死ぬ必要のない人が次々と消されてしまう展開に何かを思わずにはいられません。
本格派の中華ファンタジーということで、所々に見られる中国的な雰囲気も大きな見所の1つです。
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終わりのセラフ
大人が死んでしまうというウイルスが蔓延し、残された子供たちが地下都市で吸血鬼に支配されている場面から始めるダークファンタジー。仲間が死んだり死ながらも外の世界に逃げることができた少年が主人公が、吸血鬼に復讐を誓うというもの。
心を開いていた仲間たちが殺されてしまい、自分の殻に閉じこもっているせいか自己中心的な主人公が、新たな仲間たちと一緒にどのように変わっていくのかが大きな見所です。
牙の旅商人
女旅商人とその商人に命を救われた1人の少年が繰り広げる旅の物語。すごくショッキングで重い世界観を持ったダークファンタジーで、同ジャンルで言ったら非常に王道の流れを汲んでいると思います。
女商人が何を求めて旅をしているのか、主人公の少年が復讐に生きるのかどうかなど、先の展開がめちゃくちゃ気になる作品です。
DINER
殺し屋専門に料理を出す料理店の物語。主人公は闇稼業に手を染めて人身売買にかけられ、この料理店に雇われた女ウエイトレスです。
グルメ漫画という要素を、ダークファンタジー感で上塗りしているというような感じ。ぶっちゃけグルメ感はほとんどないし、どっちかっていうとエログロ要素で食欲はなくなるかも。
それでも客と料理にまつわるドラマがあったり、ちょっと考えさせられる部分があるのは秀逸です。
テラフォーマーズ
火星を人間が住める環境にするために苔とゴキブリを放ち、人間が済める環境になった段階でゴキブリを駆除しに行くという人間勝手で壮大なストーリー。
駆除に向かった人間は昆虫と人間の混合種で、それぞれ昆虫の特徴を兼ね備えた能力で現地のゴキブリと戦うんだけど、その発想が面白い。スズメバチとか胸熱。
途中からちょっと雲行きが怪しくなる感じはさて置き、ゴキブリの不気味な感じがしっかりと生きていて、バトル好きの人なら夢中になれる作品です。
鋼の錬金術師(全27巻)
人体錬成という禁忌を犯し、母親を生き返らせようとした兄弟の物語。母親を生き返らせるのに失敗した代償として兄は左足、弟は全身を失ってしまったという驚きの開幕に度肝を抜かれた読者も多いのでは?
結局、兄が自分の右腕を犠牲にして弟の魂を鎧に定着させてるんだけど、この錬金術が完璧すぎないのがメチャクチャ面白い!魔法じゃなくて「犠牲を払った対価」って設定は素晴らしいと思う。
終始ダークな雰囲気を纏いながらも、常に「結末はどうなるんだろう?」ってワクワク感もあるし、非常に人気のある至高の作品です。
チェンソーマン(全11巻)
チェンソーの悪魔と合体し、その能力を使って悪魔を倒すデビルハンターになった少年の物語。チェンソーの悪魔と合体することになった経緯にも見応えがあります。
チェンソーマンって聞くとダークヒーローっぽさを感じるかもしれないけど、今のところはそういう空気はなく、今後の展開次第では「ダークファンタジーって言うよりも普通のファンタジーじゃね?」って思うような気もしないでもない。
今後、色んな能力を持つ悪魔が出てくることが予想される中で、チェンソーの能力がどう昇華していくのかも楽しみです。
約束のネバーランド(全20巻)
孤児院で幸せそうに暮らしている子供たちが、あるタイミングで外の世界へと連れて行かれるんだけど、里親が見つかったのかと思いきや、実は外の世界にいる鬼の食用として出荷されているというストーリー。
主人公はタイプの違う三人の天才で、何とかして孤児院を脱走しようと試みます。当然ながら子供たちの親代わりでもあるママは、絶対に脱獄させないようにするわけで…。
緻密な計画と時には大胆な行動で心理戦を制し、何とかして外の世界に逃げようとする子供たちの姿に脱帽。迫りくるスリルといい、水面下での駆け引きといいめちゃくちゃ面白いです。
デスノート(全11巻)
名前を書いたら相手を殺せるというノートを手に入れた男と、その男を逮捕しようとした男の物語。社会的反響もめちゃくちゃ大きくて、誰しもが「もしデスノートを手に入れたら…」って想像を膨らませたんじゃないかと。
心理戦の描写が非常に巧みで、「名前を知りたい/どうやって人を殺しているのか証拠を掴まなきゃいけない」という思惑から、両者が接近していくあたりが超面白いです。
絵も綺麗だし、ノートのルールに沿って様々な応用を見出す主人公の思考力に脱帽すること間違いなし。読んだことがなければ今すぐに読んでみて欲しい作品の一つ。
ファイアパンチ(全8巻)
祝福者と呼ばれる特殊能力を持った人間がいる世界の話。主人公のアグニは再生能力の祝福者で、妹を殺した男の炎に焼かれながらも復讐を目論むというもの。
決して不死身というわけではなく、祝福者もそこまでチートじゃないというバランスが秀逸で、度々訪れるピンチの場面には胸が熱くなります。
普通はこういう能力系の漫画の場合、読んでて「祝福者になりてぇ」とか思うもんだけど、あまりそうは思わせないダークな世界観も大きな魅力です。
プラチナエンド(全14巻)
13人の神候補者たちによるバトルを描いた作品。
本来なら「999日間の行いによって神を決める」って言われたら、神になりたきゃそれなりの行動を心掛ける感じになると思うんだけど、その中には「他の候補者を全員殺せば自分が神になれる」っていう危うい思考を持った人間が出てくるって部分にダークファンタジー感を感じます。
刺した相手を自分に惚れさせる赤い矢、刺した相手を一瞬で殺せる白い矢、矢から逃げ切るほどのスピードを持つ翼っていう三種の神器も、じゃんけんのような心理戦を思わせる能力で奥深い。デスノートが好きならこちらも必見。
鬼滅の刃(全23巻)
歴史大ヒットを飛ばした少年ジャンプの代表作の一つで、世の中の少年たちが夢中になったダークファンタジーです。親・きょうだいを殺された少年が敵討ちのために旅をすると共に、鬼にされてしまった妹を元に戻す方法を探すという流れになっています。
忍術アクションバトルに近いようなバトルの押収は、和風な戦闘シーンが好きな人にはたまらないんじゃないでしょうか。それぞれのキャラに属性みたいなものがあって必殺技もカッコイイです。
ぶっちゃけここまでヒットすると、もはや面白いとか面白くないって言うことが野暮な気すらします。「流行るのが分かる」って人もいれば「なんで流行ったか分かんない」っていう人もいると思うんだけど、記憶にも記録にも残る名作と言っていいでしょう。
地獄楽(全13巻)
打ち首寸前のところで窮地を脱し、無罪放免を手に入れるために不老不死の薬を探し求めることになる抜け忍の物語。なんで打ち首になるようなことになっているのか、なんで忍者の里を抜けたのかみたいな背景がめちゃくちゃ気になる展開が続きます。
簡単に言うと主人公を含めた犯罪者集団が不老不死の薬を賭けたサバイバルをするみたいな話です。そして犯罪者には打ち首処刑人という専属のお目付け役が同行することになっていて、この関係性が徐々に変わっていくのもまた面白いんですよね。
大罪人だと思ってたら意外とそうでもないって思ったり、一緒に過ごす時間が長くなることで感情移入してしまったり…。本来ならライバルになるはずの犯罪者同士が手を組む展開も胸熱です。
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進撃の巨人(全34巻)
もはや説明不要だと思うけど、超が付くほどの人気を誇っている作品。アクションあり、シリアスあり…。
青年漫画のようにすら思えるほどのダークさや過激かつ残酷な描写、バトルの時の躍動感など、どれを取っても「そりゃ人気出るわ」って感じのクオリティ。文句無しです。
CRAYMORE(全27巻)
人間を喰らう妖魔に対抗すべく立ち上がったクレイモアという、半分人間で半分妖魔の女が主人公の物語。
男はクレイモアになれないらしく、クレイモアは全員女って設定もそうだし、一定の条件を満たすと「クレイモアも完全に妖魔になってしまう」という設定が、残酷だけど面白い。
フィナーレも本当に見事の一言。綺麗に伏線も回収されたし、終始文句無しのダークファンタジーです。
スモーキンパレヱド(全10巻)
人体移植が可能になった世界で、その人体移植者のうち0.2%の「移植が原因で変異してしまったバケモノ」と、それを駆逐する者たちが繰り広げるダークファンタジー。
足が切断されたりなどのグロいシーンが続くんだけど、いたずらにグロいだけじゃなくて雰囲気の演出がすごく秀逸な作品だと思います。絵もめちゃくちゃ綺麗。「交響詩篇エウレカセブン」や「デッドマン・ワンダーランド」が好きな人なら文句無しに楽しめるはず。
ぼくらの(全11巻)
ロボットに乗って敵を倒すアクションが特徴のSFファンタジー。なんでダークファンタジーにエントリしたかというと、物語の世界観がハンパ無く残酷で不条理だから。
大人ならまだしも、この物語の主人公たちが中学生くらいの子供たちって部分に、やるせなさを感じます。もしこんな世界が現実的にあったとして、やっぱ自分より若い世代が命を投げうっていくという光景に何も思わない読者はいないと思う。
物語の流れも秀逸で、最初は「俺ってカッコイイ!」っていう子供らしさから、徐々に自分たちの運命を悟っていくっていう空気感も見事です。本作の核心に迫るまでは、パラパラ読みながら「エヴァのパクリかよ」とか思ってたけど、そんな僕を誰か殴ってくれ。
亜人(全17巻)
知られているだけでも全世界に50件弱の例しか確認されていない「亜人」。亜人は寿命以外で死ぬことが確認されておらず、切断された腕や足が再生したり、基本的に人権が認められていません。
で、死なないってだけで別にそこまで戦闘能力も高くないので、裏ルートで人身売買の標的にされたり、何なら政府の某機関が率先して亜人を捕獲し、人体実験に勤しんでいるくらい。
そんな亜人が人間と衝突する物語です。亜人の中には人間と手を組む者もいるし、人間を心底恨んでいる者もいるわけで…。どちらの言い分も理解できる争いなだけに、どのような展開が待っているのかがめちゃくちゃ気になる作品です。
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東京喰種 トーキョーグール(全14巻)
人間を捕食するグールと呼ばれる存在が、人間社会に溶け込んだ世界を描いたダークファンタジー。主人公はグールに追われていたところで何とか一命を取り留めたものの、手違いなのか何なのかグールの臓器を移植されてしまい、人間とグールのハーフになってしまった青年です。
人間を食べなきゃ生きていけないんだけど、人間としての本能がそれを受け入れることができず…。でも人間の食べ物は受け付けないし、喰種対策局と呼ばれるところからマークされたりしてとにかく生きづらそうな様子がテンコ盛り。
「ここまで人間じゃない方に肩入れしたくなるのも珍しいな…」と思わされてしまうほど、色んなことを考えさせられるダークファンタジーと言っていいでしょう。物語は続編「東京喰種トーキョーグール:re」へと続きます。
デビルズライン(全14巻)
ヒトと吸血鬼が一緒に暮らしている世界を描いたダークファンタジー。
普通、吸血鬼モノって住んでる世界が違ったり、日中は活動できないみたいなのがデフォだと思うんだけど、本作に出てくる吸血鬼は普通に暮らしてたりします。血を見たときだけ本性が剥き出しになるって部分は、不発弾を抱えているような緊張感があっていいですね。
主人公は吸血鬼と人間のハーフで、普通の吸血鬼とは同じく括れないってところも大きな魅力。女性ウケも高そうな危険な恋愛も見所です。
ベルセルク(未完)
1989年から連載が開始されたという長い歴史を持つダークファンタジー。「ダークファンタジーと言えば?」と聞かれたら本作の名前を挙げる人も多い、まさに金字塔的な存在。
狂戦士(ベルセルク)の名の通り、残酷で暗い雰囲気を持っているので読む人は選ぶと思うけど、ハマったら最後。復讐劇が好きなら是非ともおすすめです。難点はペースが遅いことかな…コンスタントに物語が進んでくれるとありがたいんですけど。
作者である三浦氏の訃報により、未完となっています。
欲鬼(全9巻)
誰しも「〇〇欲」ってあると思うんだけど、その欲に支配されてしまった人間が鬼と化して襲ってくる世界で、それらの鬼を正義欲にて裁く1人の欲鬼が主人公の物語。
どんな欲に支配されてるかって部分がハンターハンターで言う念、ジョジョで言うスタンドみたいな感じで、すごく見応えがあります。そして絵がとにかく綺麗で線も細かいので、絵の綺麗なマンガを探しているという人はぜひ手に取ってみては?
ヒメノスピア(全8巻)
いじめられっ子が蜂の能力を身に付け、針で刺した相手(女性に限る)を仲間にできるという能力を持つという物語。Kindle版ではインセクト・サスペンスって紹介されてるけど、ダークファンタジー感があるのでここで紹介します。
「胸糞悪い系→百合モノ?成り上がり?→心理戦→てんやわんやのサスペンス→???」という目まぐるしい展開があって、蜂とか蟻の生態に興味がある人なら一気に読めるんじゃないかと。後半、映画の24かってくらい、物語があっち行ったりこっち行ったりするけど、その辺も含めて楽しめる作品です。
オキテネムル(全9巻)
謎の寄生生物が人間に寄生し、世界を混乱の渦に巻き込んでいる様子を描いたパニックホラーかな?
主人公はオキテネムルと呼ばれる「寄生生物を見つけることができる能力者」で、オキテネムルは寄生生物を、寄生生物はオキテネムルを探すという内容です(デスノートのライトとエルみたいな感じ)。
所々に実在する寄生生物の豆知識みたいなのも出てきて、結構楽しい。絵は綺麗だけど、グロい要素がテンコ盛りだから苦手な人だと厳しいかも。
君死ニタマフ事ナカレ(全10巻)
石油資源の枯渇が引き金となり、世界規模の紛争が起きているという設定で、特殊能力を持った少年&少女が戦地へと駆り出されている様子を描いたダークファンタジー。
日本国憲法という概念はあるらしく、そのせいで戦争行為ができないから能力者である子供を派遣しているらしんだけど、ここには「設定に無理がある」って意見も多々。
それでも絵は綺麗だし、ダークさもなかなか。たまにセリフが大きくなったりする演出が好きです。
リビドーズ(全7巻)
性欲が特殊能力にリンクしているという設定のダークファンタジー。主人公はエロいことを考えると、身体の一部が肥大化するという能力を持っています。似たような能力を持っている怪物が溢れている街の中で、主人公は友人や想いを寄せる幼馴染と行動を共にし、果たして生き残れるかどうか…みたいな感じ。
SM好きの奴が縄の能力を持っていたりするんで、そのうち蝋燭の能力とかピストルの能力とか出てきそう。マニアックなものほど強いとかなら面白い。
ふたりぼっち戦争(全3巻)
一方こちらは人間が遠隔操作できる生体兵器を使って、地球の平和を守るというストーリーのダークファンタジーです。主人公は足の不自由な少年とその少年を支えるお姉さんの2人。「ふたりぼっち戦争」っていうタイトル名と、足の不自由な人間がどうやって世界を守るのかって部分に注目したら、勘の良い人は気付くんじゃないかと。
ありきたりと言えばありきたりだけど家族愛を冷めた感じで見れる読者ってそういないと思うんで、分かっていても感情を揺さぶられると思います。全3巻で残念ながら回収されていない伏線なんかがあるのが気になるけど、個人的にはすごく好きな空気感を持っているダークファンタジーです。
BLACK BOARD(全3巻)
懸賞金を懸けられた少女と、少女を確保するも懸賞金以上の金で買収された男が繰り広げる復讐の物語。少女が抱えている暗い過去の真相や男の正体など、とにかく見所に溢れている全3巻と言っていいでしょう。
ストーリー自体はダークファンタジーとしては王道なんだけど、バトルの躍動感もさることながら世界観を壊さない程度の笑いもあって、お得感がある作品じゃないかと。
しのびがたき(全5巻)
復讐をテーマに描かれている和風ダークファンタジー。主人公は侍で、世の中の忍者を皆殺しにすることを目的としています。とにかく絵が綺麗で、バトルシーンの迫力がハンパ無い。侍vs忍者という俊敏性がモノを言いそうな戦いも、非常に見やすく迫力満点で再現されていると思う。
時代モノで復讐をテーマにした作品は少なくないけど、和風ダークファンタジーって括りにできるような作品はそんなに無い気がするので、今後の展開に期待です。
五時間目の戦争(全4巻)
離島に住む中学生たちが、本土に出兵することを余儀なくされる作品。戦争がテーマだけど、銃を乱射して戦うシーンとかはありません。
絵が可愛らしいのに、世界観は残酷そのもの。相手の正体不明感がエヴァを思わせるけど、こっちは敵の存在がちゃんと明かされるし、真相もしっくり来ると思う。全4巻で、終始駆け足で進んだ感が残念かも。全5巻~全10巻くらいのボリュームに掘り下げてくれたら…と、心から思う作品です。
レッドスプライト(全2巻)
電力を得るための発電機として作られた、奴隷人間みたいな概念のあるダークファンタジー。本作の主人公もそんな奴隷の1人なんだけど、発電のために植え付けられたパワーを逆手にとって、仲間たちの救出と同胞たちのための国家設立を目論みます。
テーマは非常に壮大でワクワクするのですが、残念ながら打ち切り作品のため後半は駆け足です。あと少年漫画ということもあってか復讐モノなのにダークさはマイルドになっています。でも「これが打ち切り?」と思わずにはいられないくらいのクオリティ。
あとがき
ワクワクするファンタジー要素にちょっとした闇のエッセンスが加わると、ちびるほど面白い。