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「麻雀放浪記」を読んだ感想・レビュー

麻雀放浪記表紙
Ⓒ麻雀放浪記

嶺岸信明氏の絵がめちゃくちゃ好きで、それこそ長編になった麻雀漫画「天牌」は昔から読んでいます。で、たまたまアプリで読める無料作品の中に、その作画と阿佐田哲也の文字を発見。

阿佐田哲也なんて架空の人物だと思っていたので衝撃を受けたし、絵と世界観がめちゃくちゃマッチしている麻雀漫画だと思いました。というわけで今回は、雀聖と謳われた阿佐田哲也の傑作小説・麻雀放浪記を劇画化した作品「麻雀放浪記(全10巻完結済み)」を紹介します。

麻雀放浪記のあらすじ

雀聖と謳われた阿佐田哲也の傑作小説「麻雀放浪記」を、当代随一の麻雀劇画家の嶺岸信明が劇画化。退役軍人の息子として生まれ、苦労せず育った哲也は、勤労動員で博打の味を憶える。終戦後、父の恩給が途絶え、一家の大黒柱として家計を支えるべく哲也は、チンチロや麻雀の世界へ飛び込んで行く――。

ちなみにKindle Unlimited登録者なら無料で読めるのでぜひ読んでみてください(本記事執筆時点で全巻対象です)。

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本ページの情報は2021年9月時点のものです。作品によってはKindle Unlimitedから除外されている可能性もあるため、最新の配信状況はAmazonにてご確認ください。

麻雀放浪記の見所をチェック!!

生活費を稼いでいくための博打

麻雀放浪記1
Ⓒ麻雀放浪記

本作は終戦直後が舞台となっていて、これから復興に向けて動き出していく激動の時代とは言え、まだ世の中には仕事もなければ食べる物にも困るという状況です。本作の主人公もまだ学生なのにもかかわらず、一家の家計を支えなければなりません。

いずれ雀聖と呼ばれるこの青年も学生時代はグレていて、ちょっと可愛げのあるチンピラって感じ。その延長で賭け事をやるようになり、センスもあって一気に博打にのめり込んでいくっていう流れになっています。…にしても家族の生活を支えるために博打ってすげーな。

恥ずかしながら僕は阿佐田哲也って言われて「哲也~雀聖と呼ばれた男~」を思い出し、完全にその漫画によって作られた人物の話だと思っていたので、実在する人だとは夢にも思っていませんでした。

「哲也~雀聖と呼ばれた男~」はリアリティよりも派手な技を応酬するファンタジー麻雀でしたが、本作はリアリティのある人間ドラマ麻雀という感じです。この人間ドラマ部分に見所がたくさん用意されています。

チンチロリンをする賭場の異様な空気

麻雀放浪記2
Ⓒ麻雀放浪記

僕はチンチロリンを実際にやったことはないし、漫画やゲーム(龍が如く)でしか見たことがありません。漫画もパット思い浮かぶのは「賭博破戒録 カイジ」の地下労働施設のやつとか「ジョジョの奇妙な冒険 第4部」くらいしか思いつかないです。

いずれにしても麻雀ほど技術の入る余地がなく、突き詰めていくほど確率勝負になってくるし、必勝法があるとすればイカサマしかありません。そして本作は場の空気やツキの流れを読むということをしながらも、ここぞという場面でイカサマをするというような流れになっています。

この時に勝負できる状況がくるまでひたすら待つという行為が、すごくリアリティがあって面白いと思いました。タネ銭がないから下手に勝負できないっていうのもあるんだろうけど、素人感覚には理解できないような雰囲気が感じられます。何よりこの健全じゃない賭場の雰囲気が最高です。

チンチロリンで勝ち続けるための技とは?

麻雀放浪記3
Ⓒ麻雀放浪記

平べったいマージャン卓の上でサイコロを滑らすみたいなことが難しいチンチロリンにおいて、狙った目を出すっていうのはイカサマでもなければ無理筋です。後に雀聖と呼ばれる阿佐田哲也からすれば、そんな確率だけのギャンブルにも勝ち続ける方法が3つあるとのこと。

個人的にはデータをどう応用するのかって部分が気になったけど、確かに「連勝できるのはせいぜい四連勝まで」みたいなことが分かってくれば、誰かが四連勝した後は落ち目っていう見方もできるんでしょう。こういう観点はめちゃくちゃ面白いです。

あとは何より場を観察するってことの重要性ね。カイジの時もそうだったけど、やっぱここぞという時に強い出目を出す奴って絶対になんかやってますから。こういう部分の観察眼も見ていて面白いと思いました。

ヒリつく展開が多い麻雀の世界へ

麻雀放浪記4
Ⓒ麻雀放浪記

やはり本作の一番の見所は麻雀シーンでしょう。終戦直後に米兵を相手にギャンブルをするっていうのは、割と典型的な「危険な橋を渡る」っていう例じゃないかと思います。

本作もそこに正面から突っ込んで行って序盤から大きなピンチを迎えたりもするんだけど、そこに生きては帰れないような危険な香りを感じました。銃を向けられたわけでもなければ、刃物を突き付けられたわけでもないのに。

そしてここでもまた勝つための技術、必要に応じて利用するイカサマ等の必勝法を確立していくという流れです。生活のために仕方なく始めたギャンブルとは言え、ここまで研究熱心にやるとなればもはや尊敬しかありません。

麻雀放浪記 1巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

麻雀漫画というよりは人間ドラマっていう感じがする作品でしたが、阿佐田哲也を題材に描かれた漫画としては「哲也~雀聖と呼ばれた男~」よりもリアリティがあるので、小説っぽい漫画が読みたいという人には最適だと思います。

絵も上手いから賭場の独特の空気管みたいなものも再現されているし、そこにいる人たちの狂気じみた感じみたいなのもハッキリと伝わってきました。手に汗握る感じっていうのはこういうことを言うんでしょう。

麻雀を知らなくても麻雀の世界を覗くのに最適な作風だし、なんと言ってもキンドルアンリミテッドに加入していれば全10巻が無料で読めるので、興味のある人はぜひ読んでみてください。

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あとがき

チンチロで勝ち続ける方法 最後の1つはイカサマだ。