スポーツ漫画は持っている熱量こそが魅力だと思ってるんですが、そういう意味では本作の熱量に敵う漫画はそうそうありません。まさに最強クラスの熱量を持ったスポーツ漫画と言っていいでしょう。
今はもう見ないタイプの熱血教師と手が付けられないくらいの不良たちが絆で結ばれ、青春のすべてを野球に投じていく様子が描かれている野球漫画です。はっきり言って「こんなん面白くないわけがない!」ってくらいの作品ですから、まだ読んでいないという人はぜひともチェックしてみてください。
というわけで今回は、史上最強レベルの熱量を持っている野球漫画「ROOKIES(全14巻完結済み)」を紹介します(Kindle版は全14巻、単行本は全24巻となっています)。
ROOKIES(ルーキーズ) あらすじ
二子玉川学園高校にやってきた新任教師・川藤幸一! その熱血漢ぶりは、担任クラスでも好感を持って受け入れられる。やがて不良の巣窟となっていた野球部再建に着手するが、猛反発する部員から、川藤が前の学校で“暴力教師”として学校を辞めた事を暴露されてしまった…!!
ROOKIES(ルーキーズ)の見所をチェック!!
不良×野球の熱血漫画
本作を一言で表すと「不良たちが甲子園を目指す野球漫画」です。長髪、染髪、タバコ、喧嘩が当たり前の部員たちが高校野球を謳歌します。不良たちがスポーツに熱中するという熱い展開は、このルーキーズに始まったと言っても過言ではありません(厳密に言えばもっと前に似たようなコンセプトの作品があったかもしれないけど、明らかに火付け役となったのは本作)。
中には何人かの野球経験者がいるものの、ほとんどは野球ど素人の不良たちで、監督も野球のルールすら知らない初心者なのでROOKIES(ルーキーズ)というタイトルになっています。力を持て余している不良たちがサボりや喧嘩に明け暮れるのではなく、その情熱をすべて野球に捧げるという青春野球漫画です。
不良ならではの負けん気や根性、そして部員同士の衝突、さらには相手の挑発に乗りやすい未熟な部分も含めて、本作には見逃せない魅力がたっぷり詰まっています。
かつて暴力事件を起こした熱血教師が主人公
本作の主人公はとにかく熱い熱血教師です。他人の夢を笑うことは許さず、仮に教え子の1人が「アメリカの大統領になりたい」と言っても絶対にそれを笑ったりしない人間と言っていいでしょう。
過去に暴力事件で学校を辞めた経緯があり、新しく赴任してきたこの学校でも生徒に手を挙げてしまう場面があったりもするんだけど、殴られた側がそれを恨んだりしないという魔法の拳を持っています。今は「体罰=すべて悪」みたいな感じになってるけど、この先生の暴力は体罰には当たらないんじゃないかっていう感じ。
この先生が少しずつ部員たちの信頼を勝ち取っていく様子が、本作の最大の見所と言っても過言ではありません。この先生、監督あっての二子玉野球部の快進撃に注目です。
部員たちが一つになっていく様子
散り散りになっている部員たちが、少しずつまとまっていく様子は必見です。最初は「ワルぶってはいるけど心の底から野球を諦めきれていない部員」を引き込み、そこから1人ずつ野球部に復帰(入部)させていくという流れになっています。
まぁこれが計算だったら「この監督もなんだかんだでしたたかだなぁ」って思うところなんだけど、そういう計算をできるようなタイプじゃないっていうのが分かるから全然白々しくないっていうね。
生徒たちの信頼を勝ち取るまでのプロセスも損得勘定じゃないし、言うまでもなくめちゃくちゃ熱いです。部が出来上がっていく過程で衝突していた部員同士が少しずつ団結していく様子なんかは、涙なしには読むことができません。
ROOKIES(ルーキーズ) 全14巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)
非常にリアリティを感じるパワーバランスが秀逸な野球漫画です。物語をカッコ良くしようとしすぎて「初心者集団なんだけど強豪校をバッタバッタと倒していく」みたいなことがなく、言い方は悪いけどわきまえている感じが物語の雰囲気を盛り立てています。
どんなに感動的で熱い物語でも、そこにリアリティがなければ冷めてしまうという僕みたいな読者でも、最初から最後までばっちり楽しめる野球漫画でした。実写化されたのも頷けるクオリティと言っていいでしょう。
個人的には感動に寄せようとするあまり「ケガをおして頑張る選手の姿」みたいなものがフォーカスされている部分があまり好きじゃないんですけど、それでも初めて読んだときは軽くウルっときてしまったので、そこだけ何とかならないかなぁという感じ。それ以外には一切文句なし!
野球漫画としても、喧嘩シーンが見所じゃないヤンキー漫画としてもおすすめです。こんなに熱い野球漫画は今後出てこないんじゃないかってくらいに熱いので、心を震わせるスポーツ漫画が読みたいという人にもおすすめ。
あとがき
夢にときめけ!明日にきらめけ!