言葉を喋るわけではありませんが、一緒に暮らしているとどこか通じ合えているような気がするという意味では、動物って不思議な存在ですよね。
見ているだけで癒される動物もいれば、身の毛がよだつほどの厳しい世界で生き抜いている動物もいます。そんな動物にスポットが当てられている動物漫画が面白くないわけがありません。
というわけで今回は、広い意味で動物が好きな人に贈りたい「動物が活躍する面白くておすすめの漫画」を集めてみたのでどうぞご覧ください。
犬が登場する動物漫画
世界の終わりに柴犬と
柴犬のハルさんとご主人による旅の様子を描いたコメディータッチの4コマ漫画。ハルさんは人間の言葉が喋れる設定になっているので、見た感じだとただの「見た目が柴犬なだけの人間」という感じがしなくもないんだけど、随所に見られる柴犬っぽさも笑いに繋がっています。
とにかくハルさんの行動すべてが愛くるしい!柴犬を飼っている人だけじゃなく、すべての動物好きを魅了するほどの魅力に溢れた動物漫画と言っても過言ではありません。
4コマ漫画で多くのエピソードが収録されているにもかかわらず、そのすべてが高クオリティで手抜きに感じるものは一切なし!テンポ良い笑いが楽しめるので柴犬の可愛い様子を楽しみたいという人は今すぐチェック!!
青沼さんちの犬は腹黒だ
ダックスフンドのジュラと、その飼い主である青沼一家の日常を描いた作品。愛犬にまつわる微笑ましいエピソードが多々収録されていて、タイトルにあるような腹黒というネガティブワードも誉め言葉のように感じます。
ダックスフンドを飼っているという方はもちろん、小型犬あるあるに浸りたいという人に。
いとしのムーコ(全17巻)
吹きガラス職人のこまつさんと愛犬ムーコのラブリーでランデブーな日々を描いた作品。お世辞にも絵は上手くないんだけど、それが逆に良い味出してると思います。こまつさんのことが好きすぎて、気持ちが空回りして怒られちゃうムーコの姿とか、もう説明要らないでしょ。
犬好きはもちろん猫派だという人も思わずほっこりしてしまうような魅力に溢れています。とにかくムーコが可愛い!こまつさんとの関係も羨ましいほどで、読んでるだけで幸福感が得られる動物漫画です。
優しい物語で老若男女問わずにおすすめ。ムーコのセリフは全部ひらがななので小っちゃい子も読めると思います。
織田シナモン信長(全10巻)
かの有名な戦国武将・織田信長が生まれ変わり、シナモンという名前の柴犬になったという設定の犬漫画です。散歩の途中でおしっこをする姿、お風呂で体を洗われている姿など、飼い犬の生活のワンシーンとして見たら普通のことでも中身が織田信長って考えると笑えてきます。
そしてドッグランへ向かうと伊達政宗や武田信玄などの戦国武将たちもそれぞれの犬へと生まれ変わっていて、時空を超えて(種族も超えて)の再会もめちゃくちゃ面白いです。
ただでさえ動物が人間っぽいことをするだけでも十分面白いのに、それが戦国武将の行動やセリフとリンクした時の破壊力は抜群と言っていいでしょう。犬好きにはもちろん、戦国時代が好きだという人も楽しめる動物漫画です。
星守る犬(全2巻)
犬好きのあなたにおすすめしたい至極の一作がこちら。いや、犬好きじゃなくてもボロボロ泣いちゃうくらい感情を揺さぶってくる物語だと思います。本当に涙なしでは読めない。
飼い主と飼い犬の物語がオムニバス形式で展開されてるだけかと思いきや、まさかまさかのどんでん返しに涙腺が崩壊してやまなかった読者が数多くいるんじゃないかと。小さい子に読ませるには悲しみポイントが高い気がするんでアレだけど、下手したら教科書に載せてもいいんじゃないかと思えるレベルの物語です。
全2巻構成ですが下巻は星守る犬2巻というタイトルではなく、「続・星守る犬」というタイトルなので注意してください。
ワンルームワンコ(全4巻)
サモエドという白いふわふわの毛が特徴的な大型犬と、六畳一間のワンルームで生活をするというハートフルな物語。大型犬あるあるはもちろん、ペットあるあるとしても共感間違いなし。
大家さんが寛容というか、大家さんもそっちの人なんだろうね。中庭にドッグランもあって、犬好きには最適すぎるアパートっていうのも夢があってステキです。大型犬を飼ってるって人、大型犬を飼ってみたいって人なら、絶対に楽しめると思う。モフモフ感がたまんねーよぉ。
賢い犬リリエンタール(全4巻)
終始和やかムードで展開される、犬のリリエンタールときょうだいのちょっと不思議な日常。リリエンタールには不思議な能力があり、単なる日常漫画ではないという部分もポイント。ファンタジー要素を兼ね備えていて、ハートフルに仕上がっています。
見た目や物語の雰囲気的には子供向けって感じがするかもしれないけど、物語の本質の部分は大人の読者でも唸らされてしまうほどです。誰も傷付けない世界観も見事に再現されているので、犬が主人公のファンタジー作品が読みたいという人にはドンピシャの作品だと思います。
少年ジャンプで連載されていて短命で打ち切られてしまった過去があるんだけど、個人的には連載する雑誌が違ったらもっと続いたんじゃないかと。
大きい犬(全1巻)
全7編から構成されている短編集で、その中の代表作に「大きい犬」と「小さい犬」というエピソードがあります。ファンタジー要素が強い作品なので、一般的な犬好きの人が想定するような大きさではなく、まるで一軒家のようなサイズ感です。
そしてこの2つのエピソードに関しては、どこが面白いかを具体的に説明するのが難しいんですよね。大きい犬が日常に溶け込みすぎてて普通なんです。でも読み終わった後にほっこりできる雰囲気が優しくてクセになるという感じ。
その他のエピソードは動物に関係ないけど、どれも優しいエピソードなのでおすすめです。
猫が登場する動物漫画
鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン!
めちゃくちゃ笑える猫漫画です。「こんなに笑ったのは数年前のガキ使か本作か」ってくらい笑った。これまでに何回読んだかわからないくらい繰り返し読んでるし、今でも笑いたいなーって思う時は高頻度で手に取っています。
猫と触れ合う系の癒しがありながらも、笑い1000%のギャグ×猫漫画と言っていいでしょう。これで笑えなかったら、よほど猫が嫌いか病気のどっちかです。
僕は電子書籍でも買ったし、本も持ってます。落ち込んでいる友人に貸すとみんな喜んでくれるので、私生活で凹むようなことがあった人はぜひ読んでみては?
おじさまと猫
猫が好きで漫画も好きなら間違いなく押さえておいて欲しい作品。ルックスどうこうじゃなくて、すっげー可愛いネコが主人公です。Kindleのレビューも抜群に評価が高く、今もっとも勢いのある猫漫画と言っても過言じゃないと思う。だって、おもしれーもん。
話の大筋は飼い主と飼い猫の絆という感じで、感動6:笑い3:その他1って感じ。涙もろい人だったら、開始5ページで泣かされるかも。ちょっとだけご都合主義というか飼い猫側のセリフを良いようにとらえてるんじゃないか感はあるんだけど、大多数の素直に読める読者なら問題ないでしょう。
デキる猫は今日も憂鬱
まるで着ぐるみをきたお母さんのような猫と共同生活をするアラサー女子の日常コメディー。料理、掃除、洗濯などなど…すべての家事をパーフェクトにこなしてくれる猫は、もはや人間の理想を超越していると言っていいでしょう。
主人公の女子(飼い主)があまりにもズボラなおかげで、その世話に追われる猫の憂鬱な日常が描かれているんだけど、その憂鬱さを楽しんでいるという作風なので、むしろ癒しが得られる動物漫画です。
個人的には「ドラえもんよりこっち!」って言いたくなるほど魅力的な猫が登場するので、猫が好きな人の中で特に「猫が飼いたいけど諸事情で飼えない」みたいな人におすすめします。
夜廻り猫
タイトル通り猫が夜廻りをするという作品で、涙の匂いを嗅ぎつけた猫がその涙に寄り添うという感じの非常にハートフルな作品です。序盤を読んだ感じでは泣くほどでもなく、爆笑できるっていうわけでもなく…良い意味ですごくリアルな作品だと感じました。
「擬人化した猫が出てくるのにリアルってどういうことだよ」って思うかもしれないけど、ちょっとした喜びとかちょっとした切なさの表現がめちゃくちゃ上手くて、グッと引き込まれてしまう感じがたまりません。
ちょっと字が読みにくく感じちゃうからアレだけど、入り込んでくるとそれすらも味に思えてくると思います。8コマで進行される独特なテンポも良いし、猫目線から見える一般的な人間の生活のわびさびみたいなものが楽しみたいという人や、日常漫画でほっこりしたいという人におすすめです。
スーと鯛ちゃん
老猫と子猫の掛け合いが見事な猫漫画です。子猫は飼われたのではなく、飼い主の友人から預かったお客様という設定で、既に飼い猫として君臨している老猫とのコントラストがめちゃくちゃ微笑ましい一作。
後述しているチーズスイートホームを描いた作者さんの作品で、完全アニメタッチな子猫の無邪気な雰囲気が可愛らしく、それを窘める老猫が本物の親のように見えて非常にハートフルな物語と言っていいでしょう。
興味津々な子猫は様々な奇行によって飼い主を困らせるものですが、安全圏から読み進めるぶんには面白いし笑えるってもんです。猫の親子のやり取りみたいな展開が好きな人なら鉄板。
プ~ねこ
タイトルのプ~ねことは、定職を持たない猫のことだそうです。つまりほとんどの猫がプ~猫なんだけど、本作によると夏目漱石の小説に出てくるような猫は該当しないらしい…。
このような説明にもあるように、ペットとしての可愛らしい猫を描いた作品というわけではなく、ある種の猫社会の様子を描いた作品と思った方がいいかも。ギャグ要素が強いけどシュールな笑いで、構成も短編と4コマという目新しさが目を引く作品です。
猫暮らしのゲーマーさん(全8巻)
アラサーOLでゲームが趣味の主人公が、会社の駐車場にいたという子猫を飼うことになり、猫好きにはたまらない日常生活を送ることになったという感じの漫画です。
タイトルにもあるように主人公はゲーマーなので、ゲームで遊んでいる時に悪戯をしてくる子猫の様子や、通販で購入したゲームが入っていた段ボールに入る子猫の様子など、とにかくハートフルな世界観となっています。
会社では常に定時あがりで同僚とも必要以上のコミュニケーションを取らない主人公が、SNSでは親バカぶりを気取っていたり等、コメディー要素も抜かりない猫漫画と言っていいでしょう。
つまねこ~妻とねこの話~(全4巻)
漫画家の作者と、その嫁と、アメリカンショートヘアー3歳によるドタバタ日常コメディーです。奥様が猫様をとんでもなく愛しているのに、その愛情に対する返答は噛みで行われるというちょっと悲しい物語。
しかしながらその悲しみを補って余るだけの愛くるしさ、そして幸せが溢れている作品と言っていいでしょう。猫を飼うことの大変さがぎっしり詰まっているんだけど、そんな日常が羨ましく感じるっていうのはマジですごい。
片桐くん家に猫がいる(全7巻)
お爺ちゃんの忘れ形見でもある猫3匹+1匹と一緒に暮らす片桐くんの日常を描いた作品。あくまで日常を描いた作品で、ウケ狙いの描写が多いわけでも無ければ感動する方向に寄せているわけでもないので、猫のありのままを楽しめると思います。
猫あるあるはもちろん、この1冊で猫にも色々な個性があるということも分かるので、猫を飼ってみたいけど事情があって飼えないって人には文句無し。
ねこったけ(全7巻)
「猫好きに悪い人はいない!」と言いたくなるような世界観の爽快・猫コメディー。個人的には本作に登場するデフォルメされていない感じの猫がすごく好きです。
猫拳道の使い手でもある猫マスターに弟子入り志願した時はとんでもないギャグ漫画になってしまうんじゃないかと心配したけど、笑いと猫の可愛さがしっかり両立できていると思います。
楽しく読み進めながら猫のなんたるかを知ることもできるし、ネコ好きにはたまらない一作です。
チーズスイートホーム(全12巻)
迷子の猫を拾って帰り、家族の一員として一緒に暮らす様子を描いた作品。
最初は「人ん家の飼い猫だったらどうするの?」って思いながら読んでいたのに、気付いたらあまりにもの可愛さに魅了されていました。そして最終話が近付くに連れて現実に引き戻されるという…。
個人的には結末だけが少し残念。でも可愛らしさと感動が詰まった全12巻です。一般的に猫はマイペースで犬と比べると懐かないって思われてるけど、そんなことはないんだよって思っている猫派におすすめ。
トラさん(全3巻)
売れない漫画家(しかもお酒とギャンブル好き)のお父さんが、お母さんのお腹に新しい生命を残したまま他界してしまうというスタートを切るんだけど、なぜか猫に生まれ変わって、自分の娘に拾われる話。
物語の根底には「自分の行いを振り返って、結果によっては復活できる」という1年間の猶予が与えられています。死後の世界を覗けるっていうタブーと、自分がどれだけ家族に愛されていたかを実感するハートフルな感じが両立してて早くも結末が気になる感じ。
「なんで自分はもっと家族を大事にしなかったんだろう」って後悔をしたこともあって、猫の姿を存分に生かして、自分と同じ後悔をする人を増やさないためにあれこれ奮闘する姿も感情を揺さぶってきます。
NYANKEES(全6巻)
純粋な猫漫画ではなく、猫×ヤンキーの世界を描いた漫画。不良漫画さながらの縄張り争いや勢力争いなんかがあるので、穏やかな平和主義の猫好き読者にはおすすめしないけど猫の強い部分が好きって人におすすめ。
ライオンって猫のままでいられなかったから牙と爪を持ったわけじゃないですか?「そんなことをしなくても生きてこられた猫の方が強くね?」「猫最強!」という人はぜひ読んでみて欲しいです。
犬・猫以外が登場する動物漫画
雨と君と
擬人化っていうレベルではないんだけど、フリップ芸ができるので簡単な会話によるコミュニケーションが可能な「犬」との日常コメディーを描いた作品です。まぁ見た目は犬というかタヌキ、もしくはアライグマっていう感じなんだけど、本人(ヒトじゃないけど)が犬って言ってるから犬ってことにしておきます。
すごく可愛らしくて賢い犬なので、日常生活を覗いているだけでもめちゃくちゃ面白いです。散歩に行くにしても、家でご飯を食べるにしても、動物病院に行くにしても…何をするにしても動物っぽくない愛嬌の良さにメロメロになってしまうこと間違いなし!
本作を読んだらタヌキとかめっちゃ飼いたくなるけど、野生のタヌキを見ても近寄らないように注意してください。あ、でももしフリップ芸やってたら近づいてOKです。
マグメル深海水族館
水族館は水族館でも、推進200mにあって深海生物が中心の水族館を舞台にした物語。そこで清掃員のアルバイトをしている主人公は、命と触れ合うことで成長していくストーリーが描かれています。
そもそも深海がテーマになっているってだけでも神秘的だし、面白くないわけがないって思いませんか?色んな深海生物が登場して、ちょっとした勉強になるという要素も本作の魅力の1つ。
あとは深海生物との触れ合いを通じて幾つものドラマが生まれるんだけど、これが良い話すぎてやばい。ストーリーも海に負けないくらい深いし、そこに光が差すっていう展開も劇的。こんなん面白くないわけがないです。
BENJIE
高校卒業後、どんなアルバイトも長続きしなかった主人公が動物園の飼育士として生きていく様子を描いた作品。
いくら動物が好きでも、エサのために生きたひよこを捌けるかと言ったらまた別問題だったりするわけで…。小さい頃からずっと飼育してきたライオンに襲われたりもするわけで…。
動物園の光も影も見せてくれる作品になってくれるんじゃないかという期待と、主人公が動物たちと触れ合っていくことでどう成長していくかが序盤から楽しみで仕方ない動物漫画です。
天地創造デザイン部
動物漫画っていう括りにしていいのかどうかは微妙なんだけど、めちゃくちゃ面白い生物コメディーです。初めて読んだとき「こんな視点があったのか!」と思わず度肝を抜かれました。
簡単に言うと神様から依頼がくるので、その依頼通りの生物をあーでもないこーでもないって言いながら考えるっていう流れを描いた作品です。「高いところの葉っぱが食べられる動物」って言われてキリンを生み出すみたいな感じ。
ここで単に馬やら鹿やらを巨大化させるっていう発想に行き着くと「脳に血液を送るための心臓が大きくなりすぎて大変なことになる」みたいなことを大人たちが真剣に話し合っている様子が面白い!楽しいだけじゃなくて学びも得られる素敵な作品です。
ダーウィン事変
こちらも動物漫画という括りにしていいのかが微妙なんですが、人間とチンパンジーの間に生まれたヒューマンジーの物語です。ちなみにハーフでありながらも多くの人が想像するより断然人間っぽいだろうし、むしろ知能は人間よりも上で身体能力はチンパンジーよりも上ってことになってます。
見た目は猿っぽいのにずっとずっと人間味があって、かと思いきや人間っぽい何かが欠落していて、読んでいて不思議な感覚に襲われるんですよね。誰が何の目的でヒューマンジーを生み出したのか、人種差別や命の価値に対する問題提起のようなものもあり、とにかく壮大な作風となっています。
マンガ大賞2022に輝いた作品でもあり、テーマとしては難しいんだけどグングン引き込まれるという意味では取っつきやすさもあり、とにかく新感覚な面白い漫画という印象です。
とりぱん
鳥にあげるパンから「とりぱん」と名付けられた、主に野鳥と接する時間を中心に描かれる日常生活です。
解説書のような感じではなく、あくまで「庭に置いた餌箱にくる野鳥を眺めている様子」のようなものが描かれていて、漫画を読みながらもゆったりとした時間を過ごしている気にさせてくれます。
基本的には4コマで笑えるものが多いけど、最後のシメは良い感じの言葉で締められてるのでそこにも注目。
アフリカのサラリーマン
ライオン、オニオオハシ、トカゲが擬人化していて、サラリーマンを演じているショートコメディー。キャッチコピーに社畜ってワードが使われてるけど社畜感はゼロ。
元々がWEB漫画ということもあって、コマ割りが単調なせいかちょっと刺激が足りない感は否定できないです。ただ、その動物ならではのネタとか笑えるポイントは多いと思います。某ゲームをパロってるのも面白かったけど、第3巻のザ・ワールドはワロタ。
恋するシロクマ
北極圏に住んでいるシロクマがアザラシに恋をするという物語。純白のラブストーリーってキャッチフレーズらしいけど、どっちも♂っていうBL的な要素が気になります。
シロクマはアザラシを恋愛対象者として見ていて、でもアザラシは「捕食対象者として見られてるんじゃないか?」というすれ違いが面白い。コメディータッチで進んで、たまにシリアスな感じもGOOD。個人的には♂同士ってのがなければもっと楽しめたような気も…。
しっぽの声(全13巻)
動物と一緒に過ごしたり動物と触れ合うことは素敵なことだけど、それと同時に責任も付きまとうっていうことを痛いほど表現している動物漫画で、個人的にはこれから動物を飼おうと思っている全ての人に意識してもらいたいことが、すべて詰まっているような作品だと思いました。
繁殖業者、生体展示販売、引き取り屋、殺処分などなど、本作を通してペットショップでペットを購入するということがどういうことなのかを考えてみるだけでも、読者にとっては間違いなくプラスになることでしょう。
可愛いってだけじゃ済ませられない命の重みを知ることができるし、他の動物漫画みたいに感動とかハートフルっていう感は少ないけど、間違いなく感情を揺さぶられる動物漫画です。
バスルームのペペン(全6巻)
見た目的にはカッパとペンギンが混ざったような感じの自称カッパ・ペペンが繰り広げる日常コメディーを描いた作品。完全に人間っぽいし可愛らしさの奥にあるふてぶてしさのようなものが、上手く笑いなどの癒し効果に繋がっていると思います。
変に大人びている部分も面白いし、見た目通りに子供っぽい部分も最高です。そのギャップも含めてペペンに魅了されること間違いなし!最初は「この生き物はなんなんだ!?」とか思うけど、ちょっと読めばそんなのどうでもよくなるくらいに夢中にさせられるはず。
ペペンが喋るセリフは全部ひら仮名だけど、他のキャラのセリフに漢字が出てくるので小っちゃい子だけで読むのは難しそう。でもすごくハートフルな物語なので、親子で読めば楽しめると思います。
上京コアラ(全3巻)
コアラのきょうだいが東京に上京してきて、初めてだらけの日常生活を送るという癒し系コメディーです。擬人化したコアラの二人がとにかく幼くて、子供ならではの天然ボケみたいなものが面白すぎてたまりません。
純真無垢な発言の一つ一つも面白いし、本音だけで物事を語る感じもすごくいいです。人間がやったら失礼って感じになるかもしれないけど、このコアラがやったら可愛くなるっていうのは本当に上手くやったと思いました。
所々に良い話も出てきて、下手すりゃ育児の教育書にもなるんじゃないかって思うくらいハートフルなのも特徴です。漢字には振り仮名があってコマも大きく読みやすいので、老若男女問わずにおすすめしたい動物漫画です。
かわうその自転車屋さん(全10巻)
動物×自転車が奇跡的にコラボしていて動物たちの可愛らしさはもちろん、作者の方の自転車愛がとにかく溢れている作品。
最近は弱虫ペダルとかも超人気だし、自転車に興味があるって人も多いんじゃないかと思います。そして本作には自転車乗りのストイックさこそ無いものの、自転車に関するうんちくはハイレベルです。
小っちゃい子が読むには難しいんじゃないかと感じさせる側面を持っているので、動物を自転車に乗せただけの漫画とは思うことなかれ。癒しという意味ではお子様にもおすすめです。
みどりのマキバオー(全10巻)
僕が幼少の頃この作品を読んでいたら、それを見たウチの母親が「それ馬の漫画なの?牛かと思った」と言ったくらい、主人公のマキバオーが馬っぽくありません。そして絵の感じがあまり綺麗ではない。
それでもテーマは競走馬とそれに関わる人との絆なので、絶対に感情を揺さぶられると思います。登場する調教師なんかも鼻毛ボーボーのビジュアルだから読まず嫌いしている人も多いんじゃないかと思うけど、これがまぁ感動するいい物語なんです。
競馬好きなら文句無し。動物と人との信頼関係みたいなのが好きならなお文句無し。
ワニ男爵(全3巻)
小説家のワニと相棒のウサギが繰り広げるワイルド系ギャグ漫画…かな。ワニ男爵というだけあってワニのジェントルマンぶりがハンパ無いです。そしてたまに我を見失って野生化したりとか完全にギャグ。
色んな動物と絡んでいく様子は、まさに傑作としか言いようがありません。ハイエナと焼肉屋で鉢合わせとか、もう笑うしかないでしょ。
ハリネズミのハリー(全3巻)
ハリネズミが主人公の4コマ漫画。ハリネズミのハリーが持つ無邪気で可愛らしい一面と、何故かハグに固執しているせいで周りから怪訝そうに断られている可哀想な感じが、アンバランスながらも両立して描かれています。
4コマなのでテンポが良く、お友達でオオカミやペンギンなど多くの動物が登場するのも特徴。セリフも多くないので小さなお子さんに読み聞かせるのもおすすめです。
エンペラーといっしょ(全4巻)
水族館の人気者、エンペラーペンギンと暮らすことになった一家の物語。暮らすことになったとは言っても、気が付いたら冷蔵庫から出てきたという設定があるので、リアルを追及しているというよりはファンタジー色が強めです。
それでも全ページカラーで読んでいてほのぼのするし、ペンギンに関する豆知識も身につくし、まさに一石二鳥かと。ペンギン好きの人や小さい子供にもおすすめです。
水族カンパニー(全4巻)
ドジっ子トレーナーと動物マニアの獣医が繰り広げる水族館を舞台にしたドタバタコメディーです。コメディーとは言いながらも、動物たちを飼育することの責任感なんかも描かれていて、いたずらにウケを狙ったような作品ではありません。
命を預かる仕事だからこその衝突なんかもあり、動物たちを世話している一方で動物たちに成長させてもらっている主人公たちの姿が大きな見所となっています。本作を読んでから水族館に行くと、たぶん全く違った景色が楽しめるはず。
しろくまカフェ(全5巻)
しろくまカフェってタイトルなのに、パンダの登場する比率がシロクマよりも高いんじゃないかって思えるあたり、その辺の漫画とは一味も二味も違うギャグ漫画。
ギャグとは言っても「上司が宴会でこんなことを言ってたら風邪引いちゃう」ってくらいの寒い親父ギャグなんだけど、パンダとかシロクマがやると不思議と寒くはないっていうね。
ダジャレ以外にも「ヤマアラシのコンサート」とか現代日本の時事ネタをいじってるシーンもあって終始ニヤニヤしっぱなし。子供ウケもいいんじゃないかと思います。
ヤスミーン(全3巻)
本作はジャングルのヒエラルキーを描いている作品なので、可愛いとか癒されるって感じではなく、どっちかっつーと「肉食動物うぜー」って感じの作風。
まず王族と呼ばれているライオンたちが二足歩行、そして主人公がトムソンガゼルという草食動物。で、ライオンは不味いからって理由でトムソンガゼルを食べずに奴隷として扱っているという設定があります。
弱肉強食っていう基本はそのままに物語が面白くなるような設定が幾つか組み込まれていて、個人的には斬新な動物漫画だったと思いました。
サバイビー
大雨の影響で多くの昆虫たちが命を落としてしまい、みなしごになってしまったミツバチが種の生存を賭けてスズメバチと対峙していくという感じのサバイバルストーリー。ミツバチの弱者的な立場だったり、このバトルの勝利条件が自分の生き残りじゃなくて女王を守ることっていう部分に何か思わずにはいられないです。
あまり純粋に入り込みすぎちゃうと、他の昆虫の行為に口も手も出す主人公っていう部分が引っかかるかもしれないけど、スポ根漫画の熱血主人公みたいな雰囲気も持っていて夢中にさせられてしまうこと間違いなし!
あとは他の仲間を助けるために囮になったりするっていうチームワークですよね。こんなんミツバチの漫画って時点で最初から予想できたけど、それでも心が揺さぶられてしまいます。シリアスな展開が多めな優しい動物漫画と言っていいでしょう。
あとがき
近所のペットショップのキャッチフレーズが「幸せってワンだっけ?ニャンだっけ?」ってやつなんだけど、上手いと思いませんか?