言葉を喋るわけではありませんが、一緒に暮らしているとどこか通じ合えているような気がするという意味では、動物って不思議な存在ですよね。
見ているだけで癒される動物もいれば、身の毛がよだつほどの厳しい世界で生き抜いている動物もいます。そんな動物にスポットが当てられている動物漫画が、面白くないわけがありません。
というわけで今回は、広い意味で動物が好きな人に贈りたい「動物が活躍する面白くておすすめの漫画」を集めてみたので、どうぞご覧ください。
犬が登場する動物漫画
いとしのムーコ(全17巻完結済み)
吹きガラス職人のこまつさんと愛犬ムーコのラブリーでランデブーな日々を描いた作品。お世辞にも絵は上手くないんだけど、それが逆に良い味出してると思います。こまつさんのことが好きすぎて、気持ちが空回りして怒られちゃうムーコの姿とか、もう説明要らないでしょ。
犬好きはもちろん、猫派だという人も思わずほっこりしてしまうような魅力に溢れています。とにかくムーコが可愛い!こまつさんとの関係も羨ましいほどで、読んでるだけで幸福感が得られる動物漫画です。
優しい物語で、老若男女問わずにおすすめ。ムーコのセリフは全部ひらがななので、小っちゃい子も読めると思います。
青沼さんちの犬は腹黒だ
ダックスフンドのジュラと、その飼い主である青沼一家の日常を描いた作品。
愛犬にまつわる微笑ましいエピソードが多々収録されていて、タイトルにあるような腹黒というネガティブワードも誉め言葉のように感じます。
ダックスフンドを飼っているという方はもちろん、小型犬あるあるに浸りたいという人に。
星守る犬(全2巻)
犬好きのあなたにおすすめしたい至極の一作がこちら。いや、犬好きじゃなくてもボロボロ泣いちゃうくらい感動的でハートフルな物語だと思います。
飼い主と飼い犬の物語がオムニバス形式で展開されてるだけかと思いきや、まさかまさかのどんでん返しに涙腺が崩壊してやまなかった読者が数多くいるんじゃないかと。
小さい子に読ませるには悲しみポイントが高い気がするんでアレだけど、下手したら教科書に載せてもいいんじゃないかと思えるレベルの物語です。
ワンルームワンコ(全4巻)
サモエドという白いふわふわの毛が特徴的な大型犬と、六畳一間のワンルームで生活をするというハートフルな物語。大型犬あるあるはもちろん、ペットあるあるとしても共感間違いなし。
大家さんが寛容というか、大家さんもそっちの人なんだろうね。中庭にドッグランもあって、犬好きには最適すぎるアパートっていうのも夢があってステキです。
大型犬を飼ってるって人、大型犬を飼ってみたいって人なら、絶対に楽しめると思う。モフモフ感がたまんねーよぉ。
賢い犬リリエンタール(全4巻)
終始和やかムードで展開される犬のリリエンタールと兄妹のちょっと不思議な日常。
リリエンタールには不思議な能力があり、単なる日常漫画ではないという部分もポイント。ファンタジー要素を兼ね備えていて、ハートフルに仕上がっています。
少年ジャンプで連載されていて短命で打ち切られてしまった過去があるんだけど、個人的には連載する雑誌が違ったらもっと続いたんじゃないかと。
猫が登場する動物漫画
鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン!
めちゃくちゃ笑える猫漫画です。「こんなに笑ったのは数年前のガキ使か本作か」ってくらい笑った。これまでに何回読んだかわからないくらい繰り返し読んでるし、今でも笑いたいなーって思う時は高頻度で手に取っています。
猫と触れ合う系の癒しがありながらも、笑い1000%のギャグ×猫漫画と言っていいでしょう。これで笑えなかったら、よほど猫が嫌いか病気のどっちかです。
僕は電子書籍でも買ったし、本も持ってます。落ち込んでいる友人に貸すとみんな喜んでくれるので、私生活で凹むようなことがあった人はぜひ読んでみては?
おじさまと猫
猫が好きで漫画も好きなら間違いなく押さえておいて欲しい作品。ルックスどうこうじゃなくて、すっげー可愛いネコが主人公です。kindleのレビューも抜群に評価が高く、今もっとも勢いのある猫漫画と言っても過言じゃないと思う。だって、おもしれーもん。
話の大筋は飼い主と飼い猫の絆という感じで、感動6:笑い3:その他1って感じ。涙もろい人だったら、開始5ページで泣かされるかも。
ちょっとだけご都合主義というか、飼い猫側のセリフを良いようにとらえてるんじゃないか感はあるんだけど、大多数の素直に読める読者なら問題ないでしょう。
トラさん
売れない漫画家(しかもお酒とギャンブル好き)のお父さんが、お母さんのお腹に新しい生命を残したまま他界してしまうというスタートを切るんだけど、なぜか猫に生まれ変わって、自分の娘に拾われる話。
物語の根底には「自分の行いを振り返って、結果によっては復活できる」という1年間の猶予が与えられています。死後の世界を覗けるっていうタブーと、自分がどれだけ家族に愛されていたかを実感するハートフルな感じが両立してて早くも結末が気になる感じ。
「なんで自分はもっと家族を大事にしなかったんだろう」って後悔をしたこともあって、猫の姿を存分に生かして、自分と同じ後悔をする人を増やさないためにあれこれ奮闘する姿も感情を揺さぶってきます。
スーと鯛ちゃん
老猫と子猫の掛け合いが見事な猫漫画です。子猫は飼われたのではなく、飼い主の友人から預かったお客様という設定で、既に飼い猫として君臨している老猫とのコントラストがめちゃくちゃ微笑ましい一作。
後述しているチーズスイートホームを描いた作者さんの作品で、完全アニメタッチな子猫の無邪気な雰囲気が可愛らしく、それを窘める老猫が本物の親のように見えて非常にハートフルな物語と言っていいでしょう。
興味津々な子猫は様々な奇行によって飼い主を困らせるものですが、安全圏から読み進めるぶんには面白いし笑えるってもんです。猫の親子のやり取りみたいな展開が好きな人なら鉄板。
ねこったけ(全7巻)
「猫好きに悪い人はいない!」と言いたくなるような世界観の爽快・猫コメディー。個人的には本作に登場するデフォルメされていない感じの猫がすごく好き。
猫拳道の使い手でもある猫マスターに弟子入り志願した時は、とんでもないギャグ漫画になってしまうんじゃないかと心配したけど、笑いと猫の可愛さがしっかり両立できていると思う。
楽しく読み進めながら猫のなんたるかを知ることもできるし、ネコ好きにはたまらない一作です。
プ~ねこ
タイトルのプ~ねことは、定職を持たない猫のことだそうです。つまりほとんどの猫がプ~猫なんだけど、本作によると夏目漱石の小説に出てくるような猫は該当しないらしい…。
このような説明にもあるように、ペットとしての可愛らしい猫を描いた作品というわけではなく、ある種の猫社会の様子を描いた作品と思った方がいいかも。ギャグ要素が強いけどシュールな笑いで、構成も短編と4コマという目新しさが目を引く作品です。
ニャンキーズ
純粋な猫漫画ではなく、猫×ヤンキーの世界を描いた漫画。
不良漫画さながらの縄張り争いや勢力争いなんかがあるので、穏やかな平和主義の猫好き読者にはおすすめしないけど、猫の強い部分が好きって人にはおすすめ。
ライオンって猫のままでいられなかったから牙と爪を持ったわけじゃないですか?「そんなことをしなくても生きてこられた猫の方が強くね?」「猫最強!」という人はぜひ読んでみて欲しいです。
片桐くん家に猫がいる(全7巻)
お爺ちゃんの忘れ形見でもある猫3匹+1匹と一緒に暮らす片桐くんの日常を描いた作品。あくまで日常を描いた作品で、ウケ狙いの描写が多いわけでも無ければ感動する方向に寄せているわけでもないので、猫のありのままを楽しめると思います。
猫あるあるはもちろん、この1冊で猫にも色々な個性があるということも分かるので、猫を飼ってみたいけど事情があって飼えないって人には文句無し。
チーズスイートホーム(全12巻)
迷子の猫を拾って帰り、家族の一員として一緒に暮らす様子を描いた作品。
最初は「人んちの飼い猫だったらどうするの?」って思いながら読んでいたのに、気付いたらあまりにもの可愛さに魅了されていました。そして最終話が近付くに連れて現実に引き戻されるという…。
個人的には結末だけが少し残念。でも可愛らしさと感動が詰まった全12巻です。一般的に猫はマイペースで犬と比べると懐かないって思われてるけど、そんなことはないんだよって思っている猫派におすすめ。
犬・猫以外が登場する動物漫画
BENJIE
高校卒業後、どんなアルバイトも長続きしなかった主人公が動物園の飼育士として生きていく様子を描いた作品。
いくら動物が好きでも、エサのために生きたひよこを捌けるかと言ったらまた別問題だったりするわけで…。小さい頃からずっと飼育してきたライオンに襲われたりもするわけで…。
動物園の光も影も見せてくれる作品になってくれるんじゃないかという期待と、主人公が動物たちと触れ合っていくことでどう成長していくかが今から楽しみで仕方ないです。
バスルームのペペン
見た目的にはカッパとペンギンが混ざったような感じの自称カッパ・ペペンが繰り広げる日常コメディーを描いた作品。完全に人間っぽいし、可愛らしさの奥にあるふてぶてしさのようなものが、上手く笑いなどの癒し効果に繋がっていると思います。
ペペンが喋るセリフは全部ひら仮名だけど、他のキャラのセリフに漢字が出てくるので、小っちゃい子だけで読むのは難しそう。でも、すごくハートフルな物語なので、親子で読めば楽しめるんじゃないかと。
とりぱん
鳥にあげるパンから「とりぱん」と名付けられた、主に野鳥と接する時間を中心に描かれる日常生活です。
解説書のような感じではなく、あくまで「庭に置いた餌箱にくる野鳥を眺めている様子」のようなものが描かれていて、漫画を読みながらもゆったりとした時間を過ごしている気にさせてくれる。
基本的には4コマで笑えるものが多いけど、最後のシメはイイ感じの言葉で締められてるのでそこにも注目。
かわうその自転車屋さん
動物×自転車が奇跡的にコラボしていて動物たちの可愛らしさはもちろん、作者の方の自転車愛がとにかく溢れている作品。
最近は弱虫ペダルとかも超人気だし、自転車に興味があるって人も多いんじゃないかと思うけど、本作には自転車乗りのストイックさこそ無いものの、自転車に関するうんちくはハイレベルです。
小っちゃい子が読むには難しいんじゃないかと感じさせる側面を持っているほどなので、動物を自転車に乗せただけの漫画とは思うこと勿れ。癒しという意味ではお子様にもおすすめ。
ハリネズミのハリー
ハリネズミが主人公の4コマ漫画。ハリネズミのハリーが持つ無邪気で可愛らしい一面と、何故かハグに固執しているせいで周りから怪訝そうに断られている可哀想な感じが、アンバランスながらも両立して描かれています。
4コマなのでテンポが良く、お友達でオオカミやペンギンなど多くの動物が登場するのも特徴。セリフも多くないので小さなお子さんに読み聞かせるのもおすすめ。
アフリカのサラリーマン
ライオン、オニオオハシ、トカゲが擬人化していて、サラリーマンを演じているショートコメディー。キャッチコピーに社畜ってワードが使われてるけど社畜感はゼロ。
元々がWEB漫画ということもあって、コマ割りが単調なせいかちょっと刺激が足りない感は否定できないです。ただ、その動物ならではのネタとか笑えるポイントは多いと思います。某ゲームをパロってるのも面白かったけど、第3巻のザ・ワールドはワロタ。
ワニ男爵(全3巻)
小説家のワニと相棒のウサギが繰り広げるワイルド系ギャグ漫画かな。ワニ男爵というだけあって、ワニのジェントルマンぶりがハンパ無い。そしてたまに我を見失って野生化したりとか完全にギャグ。
色んな動物と絡んでいく様子は、まさに傑作としか言いようがないですね。ハイエナと焼肉屋で鉢合わせとか、もう笑うしかないでしょ。
恋するシロクマ
北極圏に住んでいるシロクマがアザラシに恋をするという物語。純白のラブストーリーってキャッチフレーズらしいけど、どっちも♂っていうBL的な要素が気になります。
シロクマはアザラシを恋愛対象者として見ていて、でもアザラシは「捕食対象者として見られてるんじゃないか?」というすれ違いが面白い。
コメディータッチで進んで、たまにシリアスな感じもGOOD。個人的には♂同士ってのがなければもっと楽しめたような気も…。
みどりのマキバオー(全10巻)
僕が幼少の頃この作品を読んでいたら、ウチの母親は「それ馬の漫画なの?牛かと思った」というくらい、主人公のマキバオーが馬っぽくありません。
それでもテーマは競走馬とそれに関わる人との絆だし、登場する調教師なんかも鼻毛ボーボーのビジュアルだから読まず嫌いしている人も多いんじゃないかと思うけど、これがまぁ感動するいい物語なんですよ。
競馬好きなら文句無し。動物と人との信頼関係みたいなのが好きなら尚文句無し。
しろくまカフェ(全5巻)
しろくまカフェってタイトルなのに、パンダの登場する比率がシロクマよりも高いんじゃないかって思えるあたり、その辺の漫画とは一味も二味も違うギャグ漫画。
ギャグとは言っても、上司が宴会でこんなことを言ってたら風邪引いちゃうってくらいの寒い親父ギャグなんだけど、パンダとかシロクマがやると不思議と寒くはないっていうね。
ダジャレ以外にもヤマアラシのコンサートとか、現代日本をいじってるシーンもあって、終始ニヤニヤしっぱなし。子供ウケもいいんじゃないかと思います。
エンペラーといっしょ(全4巻)
水族館の人気者、エンペラーペンギンと暮らすことになった一家の物語。暮らすことになったとは言っても、気が付いたら冷蔵庫から出てきたという設定があるので、リアルを追及しているというよりはファンタジー色が強めです。
それでも全ページカラーで読んでいてほのぼのするし、ペンギンに関する豆知識も身につくし、まさに一石二鳥かと。ペンギン好きや小さい子供にもおすすめ。
水族カンパニー(全4巻)
ドジっ子トレーナーと動物マニアの獣医が繰り広げる水族館を舞台にしたドタバタコメディーです。コメディーとは言いながらも、動物たちを飼育することの責任感なんかも描かれていて、いたずらにウケを狙ったような作品ではありません。
命を預かる仕事だからこその衝突なんかもあり、動物たちを世話している一方で動物たちに成長させてもらっている主人公たちの姿が大きな見所となっています。本作を読んでから水族館に行くと、たぶん全く違った景色が楽しめるはず。
ヤスミーン(全3巻)
本作はジャングルのヒエラルキーを描いている作品なので、可愛いとか癒されるって感じではなく、どっちかっつーと「肉食動物うぜー」って感じの作風。
まず王族と呼ばれているライオンたちが二足歩行、そして主人公がトムソンガゼルという草食動物。で、ライオンは不味いからって理由でトムソンガゼルを食べずに奴隷として扱っているという設定があります。
弱肉強食っていう基本はそのままに、物語が面白くなるような設定が幾つか組み込まれていて、個人的には斬新な動物漫画だったと思う。
あとがき
近所のペットショップのキャッチフレーズが「幸せってワンだっけ?ニャンだっけ?」ってやつなんだけど、上手いと思いませんか?